御法度では?
いよいよ、明日の正午から
https://youtu.be/mHyOJ8Yg5Uo
で「俺の赤ちゃん、産んでくれ!!」のボイスドラマが公開されます。
毎週一話更新しますのでよろしくお願いします。
「うう~・・・・。明ちゃんのお兄ちゃんも危険だなぁ‥‥。」
3人ともシャワー室での”お仕事”を終えてソファーでくつろいでいると初が、惚けたような顔をしながら体をぐったりさせて言った。少し気だるい表情が何とも言えないエロスを感じさせる。
ああ、私。男の子だったら、今すぐ初をレイプしてるかもしれない・・・。男の子のくせに初は本当に色気に満ちていた。小さな体にきめ細かな肌。男の子のくせに柔らかそうな肢体はシャワーの後で潤んでいた。ああ、本当にいけない気分になりそう。
しかも、対面には、その豊満なオッパイを隠しきれないタンクトップ姿の美月ちゃんが寝そべっている。その胸の谷間は男子を誘惑するには十分なレベルで露出されていた。
二人ともこの部屋に男の子がいないからって、油断しすぎ。私みたいにきちっとした服着ないと、私にエッチな目で見られちゃうんだからねっ!!
私にそんな目で見られているとは、つゆとも知らぬ美月ちゃんは、露出したオッパイを初に隠そうともせずに体を起こして、小さく頷きながら「わかる~・・・。」と吐息を漏らすように言った。
そして二人ともそんな風に意気投合した事を確かめ合ってから「・・・・アリね。」と頷きあった。
「アリってどういうこと?
二人ともお兄ちゃんが恋愛対象ってこと?」
初は「・・・・ちがうもん。」と言いつつも、目が泳いでいる。
これは意外だった。元々BLマニアの美月ちゃんが不知火先輩だけでなく、声優のお兄ちゃんが恋愛対象になることはわかるけど、初が隆盛以外の男性に興味を持つなんて思いもしなかった。
以前から初もお兄ちゃんのエロボイスに恥骨をやられているから、お兄ちゃんに性的に興味がわかないわけもないのだけれども、あれだけ隆盛に一途な子が、他の男の人に興味が出ることには、違和感が半端ない。
ただ、私は、その違和感の原因に心当たりが無いわけでもない。
これって、やっぱりお姉様の生命の舞の影響ですよね?
「まぁ、そうじゃな。初と隆盛の仲も動かしてやらねばならんからな。
初に刺激を与えてやったまでじゃ。」
・・・。また、余計なことを。
「これこれ。妾は神じゃぞ。お前を応援している立場ではあるものの、美月も初も可愛い存在じゃ。 あ奴らの応援もしておるぞ?」
うう~~。
お姉様の言い分は、私が口を出せる領域ではない。でもそれは、私の恋愛事情の敵が増えるってこと。
あんまりいい気はしない。
「まぁ、そういうな。あ奴らにも色々な男を知るチャンスを与えてやらねばならんのでな。」
はぁっ・・・・。
二人との関係性をまとめると、
「初は、隆盛とお兄ちゃん狙い。
美月ちゃんは、三人とも狙ってるってこと?」
私が不安そうに尋ねると、二人とも「全然っ!!」と、慌てて首を横に振る。
うそばっかり・・・。私は強敵二人が更に恋愛に参入してきたことに頭を痛める・・・・。
「でも、とりあえず・・・。外で夕涼みしながら、晩御飯よね。」
私がそう言って立ち上がると、二人も重い腰を上げる。
「お料理は、女子力アピールのチャンスだもんね。」
私が腕まくりしてそう言うと、初は、パッと顔が明るくなって「明ちゃん。負けないんだからねっ!!」と、挑戦的な事を言う。このセリフを言われるのは何回目か。それでも私は以前ほど余裕をもってこのセリフを聴けない。
私にはわかる。隆盛と付き合いの長い私には・・・・。
この小さな強敵は、確実に隆盛の気持ちを握り始めていることを‥‥。
「・・・ええ。負けないわよ。初・・・。」
私は不敵に笑って応えるのでした。
外に出ると、既に男の子たちが蚊取り線香をたくさん焚いて虫よけをしてくれていた。
「今晩の夕食は、これにしよう。」
真昼間から沢山ビールを飲んで、既にへべれけ寸前に酔っぱらっちゃった先輩のお父さんが車の中から冷や麦と魚の缶詰を出してきた。
「お肉が続いているからね。
こういうさっぱりした奴にしよう。」
女子力・・・・。
冷や麦では女子力は試されない・・・。私たちはガッカリしながらも、昼間のBBQで濃い味付けのお肉ばかり食べてきたので、このメニューが嬉しくもあった。
「たっぷりの水でガンガン煮て、冷水でがっつり冷やすっ!!
冷や麦はこれに限るっ!」
隆盛が当たり前のことをまるで秘伝のように語る。
それがとても楽しそうに見えたので、私達は余計な口を挟まずに、隆盛が焚火でお湯を沸かす姿を見ていた。
「そうめんとか、冷や麦には、温かい魚が合うんだ。
麵でお腹が冷えるだろ? こういう温かいのを一緒に食べると体に優しいんだよ。」
とアウトドアに明るい不知火先輩も意外と男らしい姿をアピールできるこのチャンスを逃したくないようで、張り切って缶詰を開けて鍋に入れ、火にかける。
なんだかんだいっても、頼もしい男の子の活躍は女心をときめかせる。こうなると、さっきまで威勢を振るっていたお兄ちゃんは、活躍の場がない。ちょっと傍観者みたいになってる。
冷や麦が茹で上がると、私達はここのお皿に盛りつけて、ネギを切って屋外に置かれた気のテーブルに配膳する。
冷や麦の隣に置かれたに鯖の缶詰の上げる湯気を見ると、確かに食欲がそそられる。
私達は男女に分かれて3対3の席で向かい合い、先輩のお父さんが端に座るという形になった。
その様子を見てお父さんが「合コンみたいな席順だな。」と、笑う。高校生の私たちは合コンと言うものの経験が無いので、ピンとこなかったけど、お兄ちゃんには刺さるみたいで受けている。その様子が大人の会話みたいで私たちは、なんとなく憧れを抱いた。
「合コンってこんな感じなの?」
って、私がお兄ちゃんに尋ねる。
「まぁ、最初はね。だって、友達同士が異性を紹介しあう場じゃないか。男女は大体、初対面になることが多いしな。最初は、こんな感じだよ。」
お兄ちゃんは、子供に聞かせる話じゃないけどねって、言葉を付け加えながら言う。
ふ~ん。子ども扱いするんだぁ。
じゃぁ、お兄ちゃんなんか、ロリコンじゃないっ!!
でも、その様子が初と美月ちゃんには刺さるみたいで「・・・カッコいいね。」と小さくささやきあう。その様子にイラっとしている隆盛に私は不安になる。
ねぇ、隆盛。一応、私があなたの本命だよね?
そんな幕開けとなった夕食だったけど、冷や麦だからツルリツルリとあっさり終わる。皆、魚の缶詰のおかげもあってボリュームは十分でお腹はそこそこ一杯だけど、時間は一杯余る。
「すこし、このままおしゃべりして腹ごなしをしていたら、あっという間に時間も過ぎて日も暮れていい感じで花火をするのにはいい暗がりになるよ。」
と、不知火先輩のお父さんは、ビール片手に言う。まだ飲むんだ・・・。不知火先輩も呆れたようにお父さんを見ながら、車から花火が一杯入ってる袋を出してきた。
花火かぁ・・・・。やっぱり、夏は花火よねえ・・・・。
でも、そうなると、私がどの順番で誰と花火をするかで順番を決めないと・・・・。
と、思ったと同時に「順番で女の子を変えよう!」と、これまた意外な人物、隆盛がこんな提案してきた。
・・・は? どういう意味よ?
私と初はその言葉に目じりを釣り上げる。私と初だけじゃなくて、隆盛は美月ちゃんとも花火がしたいってこと?
でも、他の男子もそれには乗り気のようだった。
へ~、そうですかい。 つまりあれですかい?
アナタたちは夏の陽気に誘われて、私だけに飽き足らず、このオッパイ娘とロリータとも一緒に花火がしたくなった・・・と。
お忘れかもしれませんけどね。私、あなた達が取り合ってるお姫様なんですけどっ!!
でも、男子たちは、そんなことは忘れてしまったかのように、順番を決め合い始めた。それを期待のこもった目で見つめている美月ちゃん。
初は、その美月ちゃんの大きな胸を見て、心配そうな顔をしている。
まぁ、アナタの本命はロリータのあなたが好きなんだから気にする必要はないんだけれどもね。
心配なのは、オッパイマニアの不知火先輩っ!!
美月ちゃんは十分美少女だし、今日の昼間の事を考えると、二人っきりにしたくないっ!!
なのに、男子の言い分は通り私達は20分交代で男の子たちとカップリングされることになった。
私は反対したかったけど、唯一の反対意見の同胞であるはずの初が美月ちゃんに対抗意識を燃やしてやる気になってしまったの。
「美月ちゃん、負けないんだからねっ!!」
どうやら初は美月ちゃんのことを隆盛を狙う敵対勢力として認識したらしい。だって、美月ちゃんは、若干嬉しそうだし。
そして、私はそこで重大なことに気が付いた!!
慌ててお姉様に忠告する!!
「お姉様、百合娘を男とくっ付けるなんて創作物だったら最低の悪手で御法度ですよ!!
今すぐ止めるべきですっ!!」
「妾は男でも女でも何でもいけるクチだから、問題ないっ!!!」
お姉様が即答で断ったので、恐らくこの展開から外れる運命は無いのでしょう。
これから約1時間かけて、私たち女の戦いが始まろうとしていました・・・・。