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BL出演とかっ!!死んでしまいますやんっ!!

~じゃあ、アドバイスじゃ。お前、女装したままじゃぞ。~


あっ・・・・・・。


「「あ、あかりっ・・・・!?」」

お姉様の忠告の言葉を最後まで聞かずにリビングの扉を開けて中に入った私を見た、お兄ちゃんと継母ママのビックリした声が響き渡るのでした・・・・。


うそっ・・・・・・・。

どうしようっ!!女装しているところを見られちゃったっ!!

ん?よく考えたら私今、女の子だよね?こういう時も女装って言うのかなぁ・・?

「余裕じゃな、お前。ところで二人にどう言い訳するつもりじゃ?」

ん~?やっぱり女装コス?さっきも上手くいったし・・・いけると思うんだけど・・・?

「まぁ、流石の妾もそれ以外思いつかぬ。やってみぃ。」

お姉様もそれしかないというのだから、私ももう覚悟を決めて言うしかないっ!!


「あははっ!!二人ともビックリした!?ちょっと友達とふざけて女装コスしてみたの。

 どう?このキャラクター、俺に合ってるでしょっ?」


私は、せいぜいおちゃらけた様子で二人に話しかける。

ちょっと引きつってるかもしれないけど、ここは勢いで乗り切るしかないっ!!

頑張れっ!私っ!!

頑張れっ!!


私の必死の演技が通じたのか、二人は「はぁ~っ・・・・」と深いため息をついてテーブルに前のめりに倒れ込む。

「よかった・・・・・。たけるの仕事の影響で変な趣味に目覚めたのかと思ったわ・・・・・冗談だったのね・・・・。よかった。」

継母ママは、心底安心した様子でつぶやいた。

お兄ちゃんも「本当によかった・・・・・俺のせいであかりが目覚めたのかと思ってどうしようかと思った・・・・。」と、ため息をついた。

ごめんね。二人とも。

私、趣味どころか、男の子たちの色香に負けて・・・・・・男の子辞めちゃったの・・・・・

私が二人に対して少し罪悪感を感じていたら、お兄ちゃんがすっくと立ちあがって、私の前に立つ。

「お・・・・・お兄ちゃん?」

お兄ちゃんは私の両肩に手を置いて、私をたしなめる言葉を言った。


「明、会場の外ではコスプレしちゃダメじゃないか。いけない子だ・・・・。」


お兄ちゃんのその言葉を聞いてお姉様が悲鳴を上げるっ!!


「んきゃあああああああ^~~~~っ!!ズルいっ!!ズルいっ!!あかりだけズルい

 妾もっ!!妾も罵ってほしいのじゃっ!!

 ダメな子じゃっっ!!いけない子じゃって、叱ってほしいのじゃっ!!

 代われ、明。妾も罵ってもらうのじゃっ!!」


え、ちょ、ちょっとお姉様っ!!?

うそっ!!お姉様、私の自我を追い出して、私の体を乗っ取ったの!!?・・・・・

たける、妾もっ!!妾も罵ってっ!!いけない子じゃって、怒ってっ!!」

あ・・・・お兄ちゃんがドン引きしてる。

「早くぅ~、ね、早くぅ~っ!!意地悪しないでっ!!

 もう一度、いけない子って言ってっ!!」

お兄ちゃんは、ドン引きしながらも、お姉様の勢いに押されて、「い・・・・いけない子だ・・・?」と、呟くように言った。

勿論、それで落ち着くお姉様ではないっ!!

「そんな言い方ダメじゃっ!!

 もっと、鬼畜眼鏡みたいにどぎつい言い方してくれないと嫌じゃっ!!」

その言葉を聞いてお兄ちゃんも「仕方ないな・・・・。」となぜかスイッチが入る。


「そんなメス犬みたいな恰好で出歩いて、俺以外の男を誘惑するつもりかっ!?

 この淫売のメス犬がっ!お前が誰のものか改めて教えてやる必要があるみたいだな。

 いいかっ!!今日は、失神するまでお仕置きするだぁっ!!」


「んきゃああああー-----っ!!!!!」

はああああんっ!!な、なんて、エロボイスなのっ!?

お、お兄ちゃん・・・・その声・・・・エッチすぎるよぉ・・・・

やあん・・・・。わ、わたし、壊れちゃうよぉ・・・・・。

「あああああっ!!ダメじゃ、ダメじゃ・・・・もう耐えられぬっ。妾・・・・もう堕ちちゃうっ!!」

あ、お姉様が戻ってきた。

「はあああんっ!!・・・・・・・やああんっ・・・・・・。」

あ、体をクネクネさせて悶えてる。

まさか、ここで一人で始めたの・・・・・?

てか、人の心の中でいきなり何してるのっ!?、この人っ!!!!!

いや、この際、もういいや。・・・・

速く、自我を取り戻さないと・・・・・。

「お・・・・お兄ちゃん。いいすぎ・・・。」

「はっ!!」

私は自分の体の支配権を取り戻したので、お兄ちゃんを押しのけると少し距離を置いて、ドキドキする胸の鼓動を精一杯、押し殺していう。

「な、なんちゃって・・・。どう?お兄ちゃんのファンみたいなドМ娘っぽかった?」

・・・・・・

・・・・・・・・・・

・・・・・・・お、お兄ちゃんのファンの真似とか・・・・ちょ、ちょっと苦しかったか。

でも、だって!!

さっきのはガチでお兄ちゃんのファンがやってたんだから、これで乗り切れなかったら、もう無理だと思うのっ!!

お姉様の、バカーっ!!

と、私が心の中で泣きつつ、顔で笑って演技をしていると、お兄ちゃんは「あ、ああ・・・・。演技」と、納得してくれた。

でも、しばらく自分の顎に手を当てて何かを考え込んだ。

そして、私を見つめてから、体を90度に曲げるようにして頭を下げると


あかりっ!!頼むっ!!俺のラジオドラマで受けの声をやってくれないかっ!!!!」


と、言うのだった・・・・。

え・・・・?

なに・・・・・?どういうこと?

「実はな。今度、俺がラジオ番組を任されたのを知っているだろう?

 ところが明日収録予定のラジオドラマで受け役を演じる声優さんが、急遽、体調不良で入院したんだっ!!」

あら、大変っ!!じゃ、ラジオドラマどうするの?

「代役を立てるしかない。幸い、短編ラジオだから配役は受け声なら誰でもいいのだが・・・・・。」

誰でもいいなら、問題なく無い?

誰でもいいから、お願いすればいいのに・・・・・・。



「明っ!知っての通りっ!!

 現在、深刻な受け不足なんだよっ!!!!!」


・・・・いや、知らんがな・・・・・。

深刻な受け不足って・・・・。まぁ、そうかな。男の人が同性愛の女役ってやりたがらないわよね・・・・。


「だがっ!!あかり、お前の受け声ならばっ!!いけるはずだっ!!

 お前の声は凄いぞっ!!まるで女性のようだった。これは天性の素質だぞっ!!

 さっき俺におねだりしたときの声なんか、どっからどう聞いても、発情したドМのメス犬の声だったぞっ!!」


「んきゃああああー-----っ!!!!!もっと、もっと言ってぇっ!!」

お姉様。うっさい。

今、お兄ちゃんがお仕事のお話してるのっ!!

「・・・・む。お前、真剣になりおってからに。

 本当に兄貴思いな奴じゃ・・・・・

 仕方ない。妾も少し大人しくしておるか・・・・・」

はい。いい子です。


お兄ちゃんは、さらに土下座までして頼んできたので、さすがの私も断り切れず、明日。日曜日という事もあって、お兄ちゃんの収録に付き合うことになったの・・・・・。

で、翌日・・・・。

収録現場には錚々たるイケメンボイスの男性声優がそろっていた・・・・。

うそ・・・・・。てっきり、お兄ちゃんと二人っきりの収録だと思ってたのに・・・・・・。

お兄ちゃんは愕然とする私の肩に手を置いて「緊張しなくていい」と言ってくれた。

いや、そういう事じゃなくて・・・・・私、こんなエロボイスの声優さんに囲まれて・・・・・お仕事するの?


「今日の役柄は、親の借金を理由にオークションにかけられた男の子だ。

 多くの攻めキャラがお前を誘惑してくるのを、最終的に俺が手に入れる。お前も俺を選ぶ。そういう展開だ。

 わかったな?」


・・・・最悪じゃない。

そんなの・・・・だって、私、こんなイケメン声に輪姦されるのも同然の状況じゃないっ!!

お姉様っ!!代わってっ!!

こんな環境にいたら、私・・・・・壊れちゃうっ!!

「たわけっ!!お前は妾に死ねというのかっ!!収録現場みたいな接近した距離で生声の罵声をこんなメンバーに浴びせられてみろっ!!妾はその場で服を脱いでしまうぞっ!!

 それでもいいのかっ!!」

お姉様は、血の涙を出しながら、すっごい剣幕で拒否した。

・・・・本当はやりたいんだろうけど・・・・・それでは理性が保てないってことね・・・・

それは、私も同じなんだけどっ・・・・!!

私は神に祈るような気持ちで台本を見る。

あ、意外とセリフが少ない。

「セリフ。少なめにしてもらったんだ。事情を説明してさ。

 まぁ、女の子は結局、攻めの声を聴きたいわけだし、問題ないって言ってくれてさ・・・・・・。」

ふ~、よかったぁ・・・・。

私が、ホッと一息ついたとき・・・・私の耳をエロボイスが襲うっ!!

「おう、榊。その子か?期待の受け声って・・・・?」

はあああああああっ!!こ、こここ・・・・・このお声はっ!!

去年、深夜アニメで最も多くの役を演じた優男声の「堀田純一ほったじゅんいち」様っ!!

うそ、やだやだやだ・・・・・こんな声を浴びながら、私、演技するの?

「お、可愛い子じゃん!たける、こんな子。どこで見つけてきたんだよっ!!」

油断も隙もないっ!!

ヤンチャボイス最強のおじさま「日向修一ひゅうがしゅういち」様っ!!

「ああ。修さん、実は俺の弟なんですよ・・・・・。」

そ、そこにお兄ちゃんのエロボイスが加わって、会話だとっ!!

し、死ぬっ!!このままだと私、死んじゃうっ!!

「あ、あああああ、あのっ!!お兄ちゃん・・・・・・お手洗い、どこっ!!」

私が真っ赤な顔で尋ねるので、お兄ちゃんは私が相当我慢しているのと勘違いして、慌てて「ごめんごめん。教えてなかったね。扉を出て右に行って突き当りにあるからね!」と教えてくれた。

私は、慌ててトイレに向かう。

そんな私の耳に「おい・・・マジですごい声だな。」「こりゃ、100年に一人の天才かもしれんぞ・・・・」と、驚く声優さんやスタッフさんの声が耳に届いてきた・・・・


いや、普通ならプレッシャーなんだろうけど、今はそれどころじゃないのっ!!

やろうっ!!

今すぐっ!!

お兄ちゃんの職場だろうと、今すぐやろうっ!!

じゃないと、この後は耐えられないっ!!

今、すっきりさせてないと・・・・耐えられないっ!!

じゃないと・・・・・・私本気で壊れちゃうのっ!!!!!

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