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やきもち

「おーい。いい加減に機嫌を直してくれよぉ~・・・。」

浮気現場を見られた (?)不知火先輩は、むくれた顔で自分の手を引いて歩く私のご機嫌取りに必死だ。

「ふ~んだ! 美月ちゃんのオッパイは気持ちよかったですか?」

私が子供っぽい焼きもちを焼くと先輩は、「うん。すっごかった。なんて言うか、あれはマシュマロであり、スライムでもあった!! 凄い肌触りだった!!」と、素直な感想を述べてから「・・・・あ。」という、

あ、じゃないわよっ! なんで男の子ってそんなにオッパイが好きなのよっ!!

あ~あ。そこ行くと隆盛りゅうせいはいいわねっ! はじめの小っちゃいオッパイでも気にしないもんっ!!

「いや。あかりよ・・。あれは不知火とは違う方向でオッパイ好きじゃぞ。

 貧乳マニアじゃ。しかも、お前のオッパイも大好きじゃ。

 いつも言うがな。男はオッパイだったらなんでも有り難い生き物じゃ。特にはじめなんか、オッパイの見せ方がうまい。小さければ小さいで魅力的な使いかたがあるものじゃ・・・・。」

そ、そうなんですか? お姉様っ、男性を魅了する小さいオッパイの魅力的な使いかたとはっ!?

「そんなん爆乳のお前がきいてどうするんじゃ。そろそろ妾のHカップに届きそうな勢いなのに。」

そ~なんですよぉ。もう、肩が重くって~~~・・・。いや、何となく興味があって。

男性を小さいオッパイで魅了するってどういうことなのかなって‥‥。

「そりゃ、わかりやすく言えば・・・・・

 女性らしい”弱さ” を見せることじゃ。」

弱さっ!?

「基本的に男はロリコンじゃと言うたじゃろ。庇護欲をそそられるような弱さを見せることじゃ。

 貧乳は、その点。幼さも感じさせることが出来る。その幼さも武器の一つではじめは自分がロリータの化身だと理解しておる。しかも、お前の助言のおかげで隆盛が天然のロリコンだと知ってなおの事、自信を付けたな。あ奴は最初、隆盛がお前の乳に魅了されていると誤解しておった節があったでな。」

な、なるほど・・・。幼さは確かに弱さでもありますね。

「健気さ。か弱さ。

 男に対してこれほどの武器はない。」

た・・・確かに。

私が女の子になる前のことだけど、隆盛とかアニメヒロインの「ごめんね。・・・オッパイ小っちゃくて・・・・。」ってセリフでグッと来ない男はいないって言ってたのを今、思い出しました・・・・・。そっかぁ~。あれってそういう事だったんだぁ。

「何の会話の最中に出たんじゃ、そのセリフは・・・・。

 まぁ、思春期の男の事ゆえ気にするだけ野暮か・・・・。」

お姉様は呆れたように言うと、黙ってしまった。あとは私と不知火先輩の時間だと言わんばかりに。


そして、それはその通りなのです。

なんたって今は私と不知火先輩のデートの時間。無駄に過ごす余裕はないのです。

「・・・・ちゃんと反省してますかっ!? オッパイ先輩。」

「・・・・おいおい~~。

 いや、そもそもあれは沢口さんが君に嫉妬して誘惑したのが原因であって、僕が浮気したんじゃないよ?。」

「・・・あ・・・。」

言われて見ればその通りね。

確かに。

「明、機嫌直してくれたかい?」

不知火先輩が心配そうに私に尋ねる・・・・。

その姿がちょっと可愛くて、私は意地悪そうに「先輩って、これまで男女からチヤホヤされてきたから、きっと女の子のご機嫌伺うなんて初めてなんでしょ?」って聞いてみた。

不知火先輩は、ハッとしたかのように「そういえばっ・・・・」と、口にして「ない・・・・ね。全く」と驚きの発言をする。


「子供の頃から、どういうわけか僕はお姫様扱いでね。

 男子は僕を守る騎士気取りになっちゃう奴が多いし、女子は自分を捧げるヒロイン気取りの子が多かった。

 実際の僕は、こんなに細身だけれども、アウトドア大好きなお父さんに鍛えられてて、川瀬かわせよりも野生で生きていく能力に優れているのにね。」

その言葉に私も頷く。

「はい。そうですね。

 先輩って女性と見まごう程に細身なのに、前から男らしい筋張った筋肉してるなって思っていたんです。アウトドアをする姿を見て、その理由が理解できました。

 不知火先輩って、その辺の男の子よりも男らしい人なんだって・・・・。」

そういえば、まだ隆盛と知り合いになる前でも、隆盛が私を泣かせていると誤解して、震えながらも隆盛の前に立ちはだかってくれたほど、不知火先輩は勇敢だし、男気があった。

「ひとって・・・見た目だけじゃ判断できないんですね。

 本当に・・・。」

私がそういうと不知火先輩は嬉しそうに「男らしいって、言われたら嬉しいよ。僕は見た目と違って自分が男であることに誇りを持っているからね。」と、笑顔を見せる。


そして・・・・。

「明が僕の体をそういう目で見てたのは知ってるよ?

 だから、君の前で僕は露出を多くしてたからね。

 あんなに喜んでもらえて僕は嬉しかったなぁ・・・。」

「きゃあああああっ!!

 ち、違うもんっ!! 私だけじゃないもんっ!! 

 絶対に女の子は、不知火先輩の体を見ちゃうもんっ!!」

不知火先輩は美術部の活動時間内でワザとシャツをはだけて見せていることを語り、その時の私の反応を見て喜んでいることを今話す。

ううっ!! ・・・し、知ってたけどっ!!

先輩が私を誘惑してるってこと知ってたけどっ!

改めてそんなこと言われたら、恥ずかしいじゃないですかっ!!


「全く、明と出会ってから僕は今まで経験したことが無いようなことを経験で来ているよ。

 君のお兄さんに出会った時、初めて女の子たちから僕よりも他の男性を優先されるという経験をしたし、

 君の嫉妬を買うために沢口さんに当て馬に使われたり・・・・

 女の子のご機嫌を取ったり・・・・・。本当に初めての事ばかりさ。」

不知火先輩はそう言うと、自分の手を引く私の手を反対の手で取り返し、私を見つめる。

「こんなにも僕を男らしい男性として見てもらえたのも・・・。明、君が初めてだよ・・・。」

美女にしか見えないような絶世の美少年が心底、嬉しそうに、そしてホッとしたようにそう語った。

その美しい、美しすぎる美貌に私は一気に魅了されてしまう。

その優しげな目元で見つめられるだけで、頬は紅潮し、胸は高鳴る。そして、熱く潤む瞳で不知火先輩を見つめ返す・・・・。

私の変化に気が付いた不知火先輩は、「機嫌を直してくれたかい?」と、尋ねる。

浮ついた声で私は「はい・・・。」と答えコクリと頷いた。


「じゃぁ、そろそろ君のステキな水着姿を見せてくれないかな?

 僕はずっとお預けを食らっていて、もうたまらなくなっているんだから・・・。」

「・・はい・・・。」

その時、既に私は魔法にかかった操り人形のようになって、不知火先輩の気持ちに応えてあげたいと思っていた。

するりとアウトドア用のアウターを脱ぎ捨てて、不知火先輩の前で水着姿になってあげる。

「・・・・おおっ! き、綺麗だよ。明・・・。」

不知火先輩は頬を紅潮させながら、嬉しそうに私の水着姿を見つめる。

先輩が性的に興奮してくれている姿に私は自分の体に誇りを覚えて嬉しくなる。

・・・ああっ! 先輩、もっと。もっと、明を見てっ!!・・・・

知らず知らずのうちに自分でも今の状況に興奮する私は、不知火先輩の目の前でゆっくりと一蹴して見せる。

背中を見せるとき、私は少しばかり怖くなる。男の人にこんな無防備を晒していいのだろうか?

そう思いながらもその恐怖は、不知火先輩が私を奪ってくれることの期待の裏返しだと気が付いて・・・・さらに胸が高鳴った。

・・・・・わ、私、なんてエッチなことを・・・・

そう思いながらも、この時ばかりは、男性を魅了するとお姉様に太鼓判を押された大きなお尻に自信と誇りをもってしまう。

ほんの少し、ほんの少しだけ踵を上げて、お尻がツンと上を向くように操作して先輩を誘惑する。

でも、その誘惑が過ぎたようで・・・・・・


「明っ!!」

と、叫んで不知火先輩は後ろから私に抱きついてきた。

「ああんっ!!」

と、私は甘ったるい声を上げて、自分が不知火先輩を受け入れる準備が出来ていることを誘導する。

「明っ!!・・・・明っ・・・・はぁっ・・・はぁっ・・・。」

私の甘ったるい声を聴いて不知火先輩は、たまらなくなったように息を荒げて、両手で私の体をまさぐる。不知火先輩の欲望に火がついている証拠だった。


ああっ!! 来てっ!! 来てっ!! 先輩っ!!

もっと明の敏感なところへ来てっ! もっと、明の大事なところへ来てっ!

そして、私を奪ってっ!!


不知火先輩の心にともった欲望の火は、同時に私の理性を焼き切った。私は心の中で歓喜の声を上げて叫んで不知火先輩を求めてしまうのでした・・・・。

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