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とっておきの手段でした

水着デートは3人が交代で私と二人っきりの時間を交代で作り、恋愛関係を発展させようという事になった。

一番最初に私とデートしてくれるのは隆盛りゅうせい

でも隆盛は珍しくいつものデートの時のように情熱的なアプローチをせず、二人で寄り添って川の流れを見ながらお互いの気持ちを語り合うだけの情緒的な時間を二人で過ごした。

それは私にとって心地の良いものだった。

初めのうちは、お姉様の生命の舞の影響で私の体が男の子を求めて燻っていたので、正直言うと、もっと私を積極的に求めてほしかった。いつものデートの時のように抱きしめて、私をコントロールするように弱い部分を攻めてほしかった。・・・でも、今回の隆盛とのデートの時間の過ごし方は、本来、私が求めていた恋愛の仕方だった。プラトニックで、それでいて深く愛を確認しあえるような時間を過ごす・・・・・私がずっと憧れていたデートの仕方だったので、私はいつもとは違う方向で隆盛に惹かれていった。


ああ・・・。いいね、こういうの。


時間が来て、皆の所へ戻るときも隆盛は私の手を優しく引いてくれた。その振る舞いに私の胸は、安らぎを覚えていたのでした・・・・・。

私達が皆の所へ戻ると同時にはじめが私の所に詰め寄ってきて、隆盛の腕を抱き寄せる。

「今度は、私の番なんだからっ!!」

そう宣戦布告のように言うはいめはこれ見よがしに育ち始めた青い胸のふくらみを隆盛の腕に押し当てた。

まぁっ! いやらしい子っ!! 体で男の子を篭絡しようとあからさまな方法に出るなんてっ!!

そんなエッチな子は隆盛に嫌われちゃうぞっ!! ・・・・・いや。隆盛、かなり顔がだらしないな。

「お、おい~・・・・。仲良くしてくれよ?」

なんて言いながらも隆盛は嬉しそうである。ふ~ん・・・・そうなんだぁ・・・。エッチな奴めっ!!

私はロリータの胸に興奮気味の隆盛に少しばかり苛立つと同時に、”はじめ、うまいことやるわね。今度、私も参考にしてみようっ!!” と、学校一の巨乳を持つ自分のオッパイを武器にして男の子を誘惑してみようかと考える。


「じゃぁ、今度は俺の番だな。お姫様っ!」

隆盛を取り合って私とはじめが火花を散らしていると、お兄ちゃんがやってきて私に右手を差し出す。

「時間は限られている。不知火君の順番も控えていることだし、早速頼むよ?」

ああ・・・。そういえばそうね。今日はいつものデートよりも意外と時間が限られている。このあとBBQも控えていることだし、時間は有効に使わないといけないんだった。

お兄ちゃんにせかされて私は時間が無い事に気が付き、ひとまず隆盛のことはおいておいてお兄ちゃんの手を取る。

「じゃぁ、いこうか。あかり。」

お兄ちゃんの声は、お姉様の生命の舞の影響を受けた私の体には、いつもより恥骨に来ている。

あまり長い間、このエロボイスを聞いていると私の理性、飛んじゃうかもしれない・・・・・。そう思うと、デートの時間が少ないのは救いかもしれない。

お兄ちゃんは、私の手を引き、少し歩いてから、川幅が急に広くなって水の流れが比較的穏やかになっている場所をデートスポットに選んだ。

「せっかく、川に来たんだし、少し入ろうか?」

「うんっ!」

お兄ちゃん言われて、私は素直に従う。二人で服を脱いで水着姿になって足を川の水につけると二人同時に「つめたっ!」と、声を上げて笑いあった。

「・・・・昔、家族旅行で山に来た時、やっぱり、こういうところにきてBBQやったよね。」

「ああ・・。そうだな。」

私達は幼いころの家族の記憶を思い出す。

「あの頃は、俺にとって明は、可愛い弟だったんだけど・・・・。今はこんな美味しそうな体した恋人になるとはなぁ‥‥。」

お兄ちゃんは腕組しながら私の体を上から下まで舐めるように見つめる。他の男の子にこういう目線を向けられたら嫌悪感しかわかないのに、お兄ちゃんにこんなことをされたら、私は気恥しくなるのと同時に嬉しくもなってしまう・・・・。

「もうっ!! 大人はすぐエッチな事ばっかり言うんだからっ!!」

照れ隠しの言葉と共に私は川の清水を、えいっと蹴ってお兄ちゃんに引っ掛ける。

「おっ、 つめたっ!! やるかぁ~~?」

お兄ちゃんは、そういうと子供みたいに清水を両手で掬って私に引っ掛ける。

「きゃああっ! つ、つめたっ!! や、やったなぁ~~っ!!」

水かけっこ・・・。こんな子供みたいな遊びは意外とスイッチが入りやすい。私とお兄ちゃんは童心に帰ったようにキャアキャア言いながら、しばしの間、水を掛け合って遊ぶ。


「はぁっ・・はぁ・・・・。こ、降参だよぉ~~。私の負け~・・・・はあっ・・・・はあっ・・・。」

とはいえ、女の子になってから極端に体力が落ちている私がお兄ちゃんに勝てるはずもなく、結構本気でやったというのに、直ぐに降参する。

「明・・。少し運動した方が良いんじゃないのか?

 いくら女の子になったからって、体力が無さ過ぎるぞ?」

お兄ちゃんは、クスクス笑いながら、川辺に脱いだ自分のTシャツで私の濡れた髪を拭いてくれた。

「ありがとうっ! お兄ちゃんっ!!」

私がニッコリ笑顔でお礼を言うと、お兄ちゃんは私の顔を見つめて固まってしまう。

「・・・・・ど、どうしたのお兄ちゃん?」

私の問いかけにお兄ちゃんは「いや、本当に綺麗になったなって・・・・。」と、少し惚けたようにいう。

そう言われて私もドキッとした。

私の体は確かに水浸しで悩ましげに見えるかもしれないけれど、それはお兄ちゃんも同じこと。最近は声優業の下積み修行みとして習っているダンスで鍛えたその体は、隆盛には程遠いものの、十分に鍛えられていた。それが川の水に濡らされて、光を反射してなお、筋肉が煽情的なラインを描いているように目に映る。

「ほぉっ・・・。これは中々。たけるも美味しそうな体をしておるのぉ・・・・。」

私の心の中で若干、悩まし気な声を上げながらお姉様が、呟く。きっと、今お姉様は、身悶えしているんだろうなぁ・・・・って思う。

だって・・・・私もお兄ちゃんの体を見て、私も体が火照っているのを感じていたから。

ああっ・・・・抱きしめてほしい・・・・。

生命の舞の影響を受けているとはいえ、私は、脳裏でお兄ちゃんに抱きしめられて喘ぎ悶える姿を妄想してしまい、思わず自分からお兄ちゃんの体にフラッと抱きついてしまった・・・。

「おにいちゃ~ん・・・・・。」

その時、自分でも驚くほど幼いく、甘ったれた声を上げて、お兄ちゃんに抱擁をせがむ私がいた。

「お、・・・おい・・・。」

私の急変にお兄ちゃんは、少しだけ戸惑ったけれども、直ぐに私の気持ちを察してくれて、その強い腕で私の腰を抱き寄せてくれた。

「あんっ! 優しくしてぇ~~~。」

男性を誘う声。それを私は自然に出していた。きっと、これは女に本能的に備わっている能力なのだろう。男性を受け入れる準備が出来ているとき、どうすれば男性を自分に惹き付けることが出来るか。自分の虜にできるのか。誰に習うこともなく、自然とどう振舞えばいいのかわかっているし、それは男性を誘惑するのに十分すぎるほど効果があることも私の本能が知っている。

これは、動物に備わった能力なのだろう。そうでなければ、こんなに悩ましい声が女性に備わっているわけがないし、こんなにもお兄ちゃんを刺激することもないはず・・・。


「キレイだよ・・・・明。」

お兄ちゃんは私を見つめながら言った。

その声は私の女の子に響く。お姉様の生命の舞の影響を受けていつでも男性を受け入れられる状態になってしまった私にとって、この声は毒でしかない。

私は、準備が整っていることを示すために、今度は無言の笑みを浮かべながら、両腕をお兄ちゃんの頭を抱きしめる。

重なるほどに近づく顔。お兄ちゃんは、何をするべきかわかっているけど、その前に。

たけるって、呼んでくれないか?」

と、お願いしてきた・・・。

私は知っている。その名を呼ぶことが私の女の子としてのスイッチをさらに入れてしまうことを・・・・。それでも今の私は、自分を止められなかった。

たけるさん・・・・。大好きっ・・・。」

その言葉を聞くと同時にお兄ちゃんは私にキスしようと唇をさらにちかづけ・・・・。ようとした瞬間に私たちの頭の上にバケツをひっくり返したような大量の水が降り注ぐっ!!

「きゃあああっ!!」

「うわっ!! つめたっ!! な、なんだこれ?」

冷や水を浴びせかけられたようにではなく、実際に冷水を浴びせかけられた私たちは突然のことに悲鳴を上げる。


「たわけっ!! 冷静にならんかっ!!

 今日は未だ、不知火の順番が残っておるのじゃぞっ! 決を付けるには早すぎるであろうがっ!!」

私達の心にお姉様の怒声が響いた。

「こ、この声・・・・。確か明にとりついた女神様か・・・・。」

「お、お姉様っ!?」

「夏の誘惑にとりつかれる気持ちもわかるがの、ここはフェアにいかねばならんぞ。

  特にたけるよ、お前も大人なら、分別をわきまえよっ!!」

お姉様のお叱りの言葉に、私もお兄ちゃんも我にかえって、すみませんでした・・・と言う他にはなかった。お姉様の存在を知っているお兄ちゃん相手だからとれる、私の暴走を止めるとっておきの手段だった・・・。

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