7-0.【神】々たち
第七章から、毎日投稿します。更新時刻はこれまで通り07:40~08:00頃。
これからもよろしくお願いします。
〈ダースヴァールよ、其方はいったい、何をしておる〉
〈スラークウィルナーか。貴様には関係ない〉
〈関係あるかないかは妾が決める。白状せよ〉
〈煩いな。【質域】からの隧道を【神】工的に造る実験よ〉
〈何を愚かなことを。隧道は自然現象に過ぎぬ。意図的に造ることが無理なことなど、其方も解っておろう〉
〈はっ。それは【質域】に取り残された経験のない【神】の言いようよ。儂はそのお陰で転生できずに消滅の危機に陥ったのだぞ〉
〈しかし無事に戻り転生したではないか。ん? エーラフィスターのお陰だったか?〉
〈エーラフィスターか。忌々しい〉
〈我が何だ?〉
〈おや、噂をすれば。其方のお陰でダースヴァールが【神域】に帰って無事転生できたという話よ〉
〈ちっ。感謝などせんぞ〉
〈そんなことか。感謝なぞ不要。そもそもあれは、【質域】に残した我の半身の選んだ人間のやったこと。我は関係ない〉
〈その余裕が益々忌々しい。この化物が〉
〈単なる実力の差よ。ではな〉
〈奴め、余裕振りやがって〉
〈そう毒付くでない。アレはどうじゃ。帰り損ねたファースレイブを戻した六【神】の剣は〉
〈アレは駄目だ。例の時に試した。それでも儂は戻れず正気を喪い、忌々しい奴めの力を使われる羽目になったのだ〉
〈それで帰れたのなら良いであろうに。そもそも六【神】剣の力を取り込んでも無理だったのなら、其方はファースレイブにすら劣ると言うことであろう。そんな其方に隧道を造るなど無理であろうよ〉
〈煩い〉
〈ならアレはどうじゃ? かつてジークライカールが【質域】に遺したという神器は? 途轍もない力を持つと聞くぞ。その力を取り込めば〉
〈何の話だ〉
〈また面倒臭い奴が〉
〈そう言うでない。ジークライカールよ、其方が【質域】に遺した途轍もない力を持つ神器、その力を妾ら【神】の力として使えないかと思っての〉
〈それは無理だな〉
〈何故じゃ〉
〈彼の道具は、制御に吾の【神力】を使っているが、力は【質域】の星の力よ。人間の魔力ですらない。確かに【質域】の星を破壊するほどの力を出すが、それを吾らが取り込んだところで、何の足しにもならんよ〉
〈ほれ見ろ。結局は隧道を造るしかないのよ。解ったら貴様も去ね〉
〈其方も諦めの悪い【神】よの。そう言えば、ファースレイブは現れんの〉
〈奴は今、【質域】よ〉
〈そうであったか。奴も物好きよの〉
〈貴様が言うな。さっさと去ね〉
〈まったく其方という【神】は。そう言えば先般、隧道らしきものが【質域】に現れたが、アレは其方の実験結果か?〉
〈何だと? 先に言え。本当か?〉
〈うむ。針のように細い隧道がほんの一瞬であったがの。然も先は【神域】ではなかった〉
〈【神域】ではない? どこだ?〉
〈知るか。大方、【神域】と【質域】を含むこの世界ではない、異世界でもあろうよ〉
〈異世界? そんなものがあるか?〉
〈それこそ妾の知るところではない。……ダースヴァールよ〉
〈……何だ〉
〈【質域】の人間に迷惑をかけるなよ?〉
〈フン。貴様は人間好きだからな〉
〈まあの。しかし妾はまだマシだぞ? 人間に何かあれば、妾だけでなく、エーラフィスターも黙ってはおらんだろう。あれで妾よりも人間好きだからの〉
〈……精々気を付けるとするさ〉
ついに出してしまった。
私の以前のTwitterアカウントを知っている人なら、ここに出てきたアヤシイ奴らの名前を憶えているかもしれません……




