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57.私はお邪魔虫?

遅くなりました。

というか、突発的に短編を別で投稿してました。


~~ 妹Side ~~


玲奈さんと別れた後はすぐにお兄さんはいつものお兄さんに戻りましたけど、やっぱり私の中では衝撃的でした。

お兄さんってああいうタイプの女性が好きだったんですね。

それほど話した訳じゃないけど私とは全然違いました。

見た目は華やかでしたし性格もアグレッシブでグイグイいっちゃう感じでした。

心配性のお兄さんとお似合いかと聞かれると悩みますね。

多分お兄さんの心配を無視して飛び出していってしまうタイプですし。

でも人を好きになる時ってそんなの関係なく好きになっちゃいますよね。

もしまだお兄さんが玲奈さんを好きなら私は……


「うーん」

「どしたの?万里っち」

「出来た妹としては兄の恋路をどう応援すれば良いか悩み中な感じなのさ」

「あら面白そうな話をしてるわね」

「賢護さんの恋路、ですか?」


教室で唸っていたらいつもの皆が集まって来た。

こういう時はみんなの知恵も借りた方が良いですよね。

私は先日あった事を皆に話しました。


「……という訳なの」

「ここに来て恋のライバル出現かぁ」

「万里としてはお兄さんを取られる瀬戸際ってところね」

「賢護さんを掛けて熱いバトルが展開されるんですね」

「ちょ、みんな他人事だと思って好き勝手言ってるなぁ。

それに別にライバルとかそう言うのじゃないから」


私は別にお兄さんの事を好きって訳じゃないと思います。

そりゃあ助けてもらった恩はあるし、感謝してるし信頼してるし尊敬してます。

でも男性として好きかと聞かれると正直よく分かりません。


「ちなみに万里の好きな男性のタイプってどんな人?

もしくは校内で良いなって思う男子とかって居ないの?」

「タイプ……うーん優しくて頼りがいのある人?

校内で良いなって思う男子は別に居ないかなぁ」


私がそう言うとクラスのところどころで落胆したようなため息が聞こえてきましたけど、あれ?まいっか。


「じゃあ質問を変えるけど、クラスの男子と賢護さんだったら?」

「それはまぁ考えるまでもなくお兄さんかなぁ」


だってやっぱりクラスの男子って子供っぽいというか馬鹿だし。

視線はエッチな事しか考えて無さそうでいっつも女子の胸、特に恵里香ちゃんの胸に釘付けだし。


「?」


まぁ恵里香ちゃんはそんなのどこ吹く風って感じですけど。

お兄さんなんて私の胸を凝視したことなんてないですよ?

以前お風呂上りにバスタオル1枚で居た時だって顔色一つ変えなかったんですから。

……もしかしたら私に女の魅力がないだけでしょうか。


「おりょ?なんかがっくし来たみたいだけどどしたの?」

「ゆっこ。私って女性としての魅力って無いのかな?」

「え、いや。そんなことは無いんじゃない?」

「でもお兄さんってば私のバスタオル姿を見てもなんとも思ってないみたいなの」

「おぉ。ちなみにそれって最近の話?」

「え、いえ。お兄さんに引き取られてすぐくらいかな」

「あーなら仕方ないんじゃない?」

「そうですね。賢護さんならそうするだろうなって私でも想像できます」

「恵里香ちゃんまで。どういうこと?」


あれ。もしかして皆以上に私ってお兄さんの事が分かってないのでしょうか。

それはそれでちょっと悔しいものがあります。


「賢護さんの事ですから、万里さんに嫌われたくない一心だったんだと思いますよ」

「そうね。きっと『もしここで嫌われて、こんな男と一緒に暮らせない』って言われたらどうしようって思って必死に隠してる姿が目に浮かぶわ」


言われてみれば確かに。

そう言えば最初の頃って私の頭を撫でるのも遠慮するくらい慎重に距離を取ってましたよね。

もしあの時、お兄さんが私のバスタオル姿に興奮していたりしたら……きっと私はお兄さんの事を信じられなくなってましたね。

あれはまだ両親の死から全然立ち直れて居ない時でしたし、仮にお兄さんすら自分の味方じゃないと思ってしまったらこの世界に頼れる人が誰一人いなくなって絶望した私は……最悪この世に居なかったでしょう。


「じゃあもし今同じ状態になったら?」

「お、万里っちやる気だね!」

「うーん、同居しているアドバンテージを最大限活かすのは悪く無い案だけど……ねぇ」

「ええ。多分今の賢護さんなら本当に妹を見る目をしそうですね」

「自分で言ってなんだけど、私もそんな気がする」


今のお兄さんにとって私は手のかかる妹でしかないでしょうし。

もしかしたら私の裸を見ても眉一つ動かさない可能性もあります。

これでも少しは胸とか大きくなって来て女性らしい体型にはなってるんですけど。

恵里香ちゃんや玲奈さんクラスにはまだまだ届かないですしね。

やっぱりお兄さんも男の人だから大きい胸が好きなのかな。


「でも」

「ん?」

「もし仮に賢護さんが結婚する!なんてなったら万里はあの家を出ていく事になるのかしら」

「え?」


なんで突然私が追い出されることになるのでしょうか。

別にうちにお兄さんのお嫁さんが来たからって私は邪魔したりしないですけど。

寝るところだって……あっ。


「あの家で3人で暮らすのは無理があるよね」

「でしょ?更に新婚夫婦のイチャラブを常に見せつけられるのは拷問以外の何物でもないわ。

となると、万里があの家を出ていくか、逆に賢護さんが万里を置いて出ていくかのどちらかでしょうね」

「……賢護さんの性格からして万里さんを無責任に放り出すとは考えにくいですけど」

「それもそうね」


あれ?そう考えると私って凄いお邪魔虫?

私が居るせいでお兄さんが幸せになれないのだとしたら、私は……。

色々考えて結局答えの出ないまま放課後になりました。


ブブッ


っと、メールですね。あ、玲奈さんからです。

今度の土曜日に時間が空いたからお茶でもどう?ですか。

そうですね。きちんと本人に話をしてみないといけないですよね。

ちなみに一昨日投降した短編はこちら(この作品とは全く関係ありません)

https://ncode.syosetu.com/n7802hc/

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