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23.変わる日常と新たな火種

予告と言うか謝罪を。

この先ちょっとドラマに感化された少女が暴走する予定です。

ここまでの人物像からは外れてしまうのですがご容赦ください。

後日修正するかもです。

~~ 妹Side ~~


私があの人の事を「お兄さん」と呼ぶようになってから、私の生活は少しだけ変化しました。

一つ目は私も家事を手伝うようになったことです。

今はまだお手伝いレベルですが、いつかは夕飯の準備は私の方で引き受けたいなって思っています。

そうすればお兄さんも仕事終わりにゆっくり出来ますよね?

ただ、今やってる手伝いくらいならもっと前からやれたと思うんですけど、なんで全部お兄さんがやっていたんでしょうか。

それを聞いてみたら、


「最初は万里のことをただの保護対象として見ていたからな。

患者に仕事をさせる医者は居ないだろ?それと一緒で元気になるのが万里の仕事だって考えてたんだ。

だけど家族だっていうなら話は別だ。

家族はお互いに支え合って行くものだろう?兄妹なら特に」


後半を照れ臭そうに言うのは何ともお兄さんらしいというか、私もまだ直接お兄さんと呼ぶときには少し照れてしまっているのですが、早く慣れないといけないですね。

ちなみに今手伝っているのは夕飯の買い出しと食べ終わった後の食器洗い。あとお風呂の準備です。

料理はまだお兄さんが作っています。

私も出来なくはないんですけど、学校の調理実習でちょっとやったくらいですからね。

でもお兄さんが調味料を入れるときに計量スプーンを使っているのを見たことが無いんですけど、どうやってるんでしょう。

聞くと「何となく」とか「長年の勘」とか言われるので困ります。

今度ゆっこのお母さんに頼んで料理を教えてもらいましょうか。


そしてもう一つ変わったことと言えば、あの毎日のように見ていた悪夢を見る頻度が極端に減りました。

最後に見たのは3日前です。

それをお兄さんに伝えたら凄く喜んでくれました。


「良かったな。それなら早ければあと1、2か月でほとんど見なくなるだろう」

「1、2か月。長いような短いような?」

「なに。楽しく日々を過ごしてればあっという間だ」

「そうですね」


お兄さんのお手伝いを沢山した日は特に見てない気がするので、やっぱりお兄さんに守られてるって実感できたことが悪夢を見なくなった一番の原因だと思います。

後はこれぐらいだって目安を言ってくれるので、安心できる部分もあります。

まぁ、それが当たってるかどうかはまだ分からないんですけどね。

そんな平穏な日々が始まって2週間が過ぎた頃。新たな問題はやって来ました。


「ねぇ。今度万里の家を見てみたいんだけど、良いかしら?」

「は……」


いつもの4人でおしゃべりをしていた時、突然千歳からそんな話が飛び出しました。


「え、えっと。どうして?」

「単純な興味っていうのもあるけど、万里がちゃんとした暮らしをさせてもらえているのか気になってね。

学校での元気な姿やお弁当を見れば、それほど心配することも無いとは思うんだけど。

でも男性だと目の届かないところとか、万里からだと親戚の人に言いにくい事ととかもあるんじゃないかしら」

「うーん、私としては特に不満とかはないんだけど」


改めて考えてみても、特に困っている事とかも無いと思う。

強いて言えば最近お兄さんが私に対して褒めたりお礼を言ったりする頻度が高いというか、簡単なお手伝いをしただけでもお礼を言われてくすぐったいのよね。

以前は無かったから余計に。あ、いや。以前はお礼を言われるようなことは何もしてなかっただけかも。


「まぁこの前私達の家には招待したから、今度は万里の家も見てみたいなって話よ」

「あ、そうね!万里っちの部屋とか見てみたいな」

「たしか自分のお部屋を頂いてるんでしたよね?」


千歳の話にゆっこも恵里香ちゃんも乗り気みたい。

でも待って。流石に今度は私の独断じゃダメだと思います。

元々お兄さんの事は他の人には『親戚の人』以上は言わない方が良いって言ってたし、先生の家庭訪問は絶対にお断りするって断言してました。

それを考えるときっと千歳達もダメでしょう。

でも一応聞いてみようかな。


「親戚の人に確認を取ってオッケーを貰えたら、で良いかな?」

「ええ、もちろん」


そんな訳で私は夕飯の席でダメもとでお兄さんに確認を取ることにしました。


「あの、お兄さん。相談したいことがあるのですが」

「ああ、なに?」

「その、私の友達からうちに遊びに来たいって言われたんですけど」


私の言葉を聞いて腕を組んで考え込むお兄さん。


「……やっぱり駄目ですよね?」

「その友達っていうのは先日万里が泊まらせて貰った友達かい?」

「あ、はい。そうです」

「その人達は万里の大切な友達、親友と呼んでも良い人達って考えて間違いない?」

「はい。私はそう思ってます」


私の返事に何かを納得したらしいお兄さんは笑顔で頷いた。


「なら良いよ」

「良いんですか?でもお兄さんが困るんじゃ」

「俺は困らないよ。困るのはきっと万里、君だ」

「私、ですか?」

「ああ。確かに本来ならこの家に誰かを招くのは避けた方が良いんだ。

十中八九面倒な事になるからね。

ただそれでも妹に大切な友達を蔑ろにしろって言うのは間違っているだろう?」

「ありがとうございます。

ちなみにその、面倒な事ってどんなことですか?」

「最悪、君がこの家に居られなくなる」

「は?」


そこから説明してくれた内容は、確かにドラマとかだったらありそうな、でも現実でそんなこと早々起きそうにない事ばかりで、久しぶりにお兄さんの心配性の妄想が爆発したみたいです。

まぁお兄さん自身も言ってて半分どころか1つ2つ当たればいい方だろうって思ってるみたいですけど。


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