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妻が女神になりまして!?~異世界転移から始まる、なんちゃってスローライフ~  作者: 玉響なつめ
第七章 それなんてホラー?

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 その後、夫婦は対策を話し合った。

 といっても動揺が先に来てしまったが故に神域の天候は荒れに荒れ、蜂も蟻もコカトリスも、なんならアーピス様の毛並みが乱れる程には荒れた。


 そして一周回って冷静になった彼らがまず疑問に思ったのは『外義大亜はどうやって異世界に来たのか?』である。

 本当にヨシヤをターゲットに再びハナへと近づこうとしているのか、よりもまずはそこである。


「偶然にしてはできすぎだし、本当にあの大亜ちゃんなのかしら。まずその確認よね……その宗教国家って言うのは何の神様を奉じているのかしら?」


「聞いたところ、天候の神様らしいんだけど……他の宗教も寛容に認めているってことらしいよ」


「天候の神……だめだわ、私じゃ話しかけるのも難しいほどレベル差がある相手だわ」


 だがそこは神様ネットワーク。

 どうにかして連絡を取ろうとハナは彼女と同じレベル帯の神々に伝手はないかと問うたところ、意外なところから声がかかったのである。


 それは戦の神だった。

 だが天候の神とは折り合いが悪く、そこで紹介されたのがなんと酒の神である。


 いずれにせよハナに言わせれば自分とは格が違いすぎるとかなりビビったらしいのだが、ヨシヤはハラハラしてその様子を見守るしかできない。

 なんせ、ぱっと見にはハナが祈りを捧げているようにしか見えないのだから。


「わかったわ!」


「ど、どうだった!?」


「まずね、酒の神バルカス様がお礼を言っていたわ。どうやら王太子夫妻は……というか、この国の王家はバルカス様を信仰しているらしいの。この国はお酒の産地なんですって」


「へ、へえ?」


「そしてバルカス様は天候神であるカニャタ様とも親しいらしくて……ってまあお名前はヨシヤさんも今すぐに覚えるのは大変だと思うからおいおい覚えて貰うとして……結論から言うわ。勇者は確かにあの(・・)大亜ちゃんで間違いないとのことよ」


「そんな……!!」


 ヨシヤは愕然とした。

 大亜は基本的に彼ら夫婦を傷つける行動はしなかったが、つけ回したし盗聴したし隠れることもなくニヤニヤと得体の知れない笑みを浮かべてみてきたことでかなり精神的に参ってしまった相手だ。


 そして彼は妻に言っていないことがある。

 かつてヨシヤは大亜に詰め寄られ、危害をほのめかす発言を喰らっているのである。

 最終的には『ヨシヤが傷つくとハナが悲しむ』ということを察した大亜が謝罪し、その後は何故か彼も込みで観察? 対象にされてしまったことはなんとも理解できない出来事であったのだが。


「……これは複雑な話なのだけれど」


「う、うん」


「私のように予備の神(・・・・)が異世界に生まれ育つことがあるのとは別に、なんらかの理由で異世界に迷い込んでしまう魂があるのね?」


 なんだか話がビッグになった。

 ヨシヤはそう思った。


 だが妻の言葉を聞き逃すまいとヨシヤは姿勢を正す。

 その横で、いつの間に来ていたのかあっちゃんとはっちゃん、せっちゃんに八木まで姿勢を正していた。


 虫たちに関してはただそこに佇んでいるとしか見えないが、彼らなりに姿勢を正していたのである!


 そして、ハナの話をまとめるとこうだ。

 異世界の魂は、自分が本来生まれ育つべき場所ではないところにいるせいでその違和感が拭いきれず、異世界の神たち……といっても一般人であるが……に惹きつけられるとのことである。

 とはいえ、本来であれば愛し子として生まれ、親から大切に育てられることで小さな違和感は呑み込むことができるらしいのだが……残念ながら大亜は違った。

 彼女はいわゆる毒親の元に育ち、より魂が飢えているところにハナと出会ってしまった。


 そしてそれは生まれたての雛が、初めて見たものを親と思う……刷り込みのような状態になってしまったのだという。


「異世界と繋がりのある彼女は強く、強く願ったんだわ。そして奇しくもこちらで勇者召喚が行われた」


「互いの利害が一致して、勇者ダイア・ソトギが誕生したってわけか……」


「ええ」


 そしてその刷り込みは、正しい世界(・・・・・)に戻ったとしても続いているそうなのだ。

 彼女は、勇者ダイアは『ブロッサム』という単語からどこをどう理解したのか不明だが、それがハナであり、その遣いという謎のふくよかな男性がヨシヤであると嗅ぎつけて今も探している……とまあ、そういうことであった。


「――こっっっっっわ!!」


 ハナの話を聞いてヨシヤから出てきた感想は、その一言であった。

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