鉱石の街 番外
弁当買って宿に戻って食い終わったら寝ることになった。
ベッドが一つしかないので椅子に座って寝ようとしたのだが、アンリがどうしてもというのでベッドに入った。
それから約五時間!深夜二時!
俺は全く眠れていない。
アンリは隣で爆睡さ······。
さすがにまずい。
こんなに寝れないとか初めてだ。
······よし、最終手段だ。
俺はベッドから出ると、軽い服を着てお金と鍵を持って部屋を出る。
「行ってきまーす······」
こんなに眠れない日にはあれしかねぇよな。
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深夜の街は少しイケナイ雰囲気が漂っている。
しかし俺には関係ない。
俺は至って健全なあの店に行くのだから。
「ここだ······」
俺はスライド式の扉をガラガラと音を立てて開け、中に入る。
入ると同時に嗅ぎなれた匂いが俺を包む。
「いらっしゃいッ!」
「豚骨ラーメン、並で」
「あいよ!」
俺はカウンター席に座る。
そう、ここはラーメン屋だ。
深夜にはラーメン!······とよく聞く。
一度日本でも親同伴だったが同じことをしたことがある。
夜中に食うラーメンはそれはそれは美味かった。
今日何故このような行動をしたのか、それは眠れなかったのもあるが、弁当を買って帰る最中に、偶然この店を見つけてしまったからだ。
行きたいとは思っていたが、こんなに早くも機会が訪れるとは······。
「へいお待ち!豚骨ラーメン一丁!」
そう言われると同時に目の前に置かれたラーメンを見る。
······ここ本当に日本じゃないのか?日本で見るラーメンまんまなんだが。
······まあそんなことはどうでもいい。
ラーメン通は食べ方とかにこだわりがあるらしいが、俺にそんなものはない。
ただ喰らうだけだ。
「いただきます」
俺はそう言い、割り箸を割ってラーメンを食べ始める。
美味い!
麺が柔らかくて食べやすいし、その麺にスープが絡んでいる。
ぶっちゃけ日本のより美味いかもしれない。
脂もちょうどいい。
ああ箸が止まらない。
昼に感じたようなあの幸福感をまた感じられるとは······最高じゃあないか!
具のチャーシューも美味いし、煮玉子まであってそれも美味い。
メンマも刻みネギももちろん美味い。
おかわりしたいが、こういう店のラーメンは並でも結構量が多い。
だから十分に腹も脹れるし、これ以上食べるのは無理だ。
最後にスープも飲んどくか。
······うん、米があればぶち込んで食べたいくらいに美味い!
米と合うものは美味い。
いや、美味いものは米と合うの方かもしれん。
とにかく美味い。
それしか言う言葉が見つからない。
「ごちそうさん」
「三五〇オルだ!」
俺は言われた分のお金を店員さんに渡し、店を出る。
「ありがとうございやしたァ!」
ふぅ、美味かった。
腹も脹れたことだし、さっさと戻るか。
にしても本当に色んな店があるなぁ。
もしかしてあの店も存在するんじゃ······。
······いや、勝手に期待するのはやめとこう。
今日は気分もいいし、こりゃ朝までぐっすり熟睡できそうだ。
短すぎますねぇ......。
ちなみにこの世界は日本にある料理なら大体はあります。




