少女たちは駆ける。
世界が氷に閉ざされた時、突如現れた怪物【August】
オーガストは人を喰い、それを糧に生きる化け物だ。
だが、その化け物を人知れず排除する者たちがいた。
「零!そっちに行ったぞ!!」
「了解。」
__その者たちの名は
【August killer】
*_*_*
「ふぅ...ミッション完了。零、お疲れさん。」
「お疲れ、Lucy。」
少女たちは挨拶を交わすと戦闘服を解く。
「そういや新人が来るって言ってたな。」
「...そうだっけ。」
「お前なぁ...ま、本部行ってみっか。」
本部と呼ばれる裏路地にある黒い扉を開くと、双子が迎えに来てくれる。
ブロンドヘアーを高い位置でサイドポニーにする双子は初めはどちらが姉か妹かなんて分からないほどそっくりだ。
「新人さん来てるよ!」
「お、もう来てたのか。」
「皆も集まってるよ!こっちこっち!!」
そう言えば、双子はルーシィとレイの背中を押してリビングへ入れる。
「ん、coreも来てたのか。ちっとは背が伸びたか?」
「わっ、ルーシィ!少しくらいは伸びた...はずです!」
「あははっ、そうかそうか。」
ルーシィがぽふぽふとコアの頭を撫でてるのを横目に零は見覚えのない後ろ姿を見つける。
「君が、新人...?」
「ひぁ!?そ、そそそ...そうですぅ!!」
「おーおー、元気な奴だな!」
いかにも気が弱そうな彼女の武器はどうやら接近戦の刀らしい。接近戦で大丈夫なのかと皆が少女を見つめる。
「...マジで大丈夫?」
ルーシィがそっと心配をすれば、「大丈夫です...!」と元気に返す新人。
彼女は、『sian』と名乗った。