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グルメリポーター

「なぁタカシ。将来の夢ってあるか?」


「どうしたのケンジいきなり。でも将来の夢かぁ。小さい頃は椅子になりたかったかな」


「椅子に?何故だタカシ」


「女の子に踏みつぶされ続けるからだよケンジ」


「聞かなかったことにしよう。タカシ、とりあえず俺は今グルメリポーターになりたいんだ」


「いいねグルメリポーター!毎日美味しいものが食べられて楽しそうだよケンジ」


「だろ?だからグルメリポーターの練習がしたいんだタカシ」


「わかったよケンジ。でも一つ問題があるよケンジ」


「どんな問題だタカシ」


「仕事中に女の子に踏んでもらえないよケンジ」


「問題があるのはお前の頭の中のようだなタカシ。とりあえず練習に付き合ってくれ」


「わかったよケンジ。じゃあ始めようか」


「こんにちは!グルメリポーターのケンジです!今回はこちらの中華屋さんに来ています」


「こんにちはグルメリポーターのタカシです!今回はこちらの風俗店に来ています!」


「ちょっと待てタカシ。お前は何を食べる気だ」


「女性を食べて踏まれてそれをリポートだよケンジ」


「タカシはまずグルメリポーターが何なのかから説明しなければならないようだな。あと女性を食べるとか言うんじゃない。失礼だろ」


「わかった。もう言わないよケンジ。じゃあ料理を食べる方のグルメリポーターでいいんだね?」


「料理以外を食べるグルメリポートなんか放送したら即放送中止だからなタカシ。料理を食べよう」


「わかったよケンジ。じゃあもう一回お願い」


「了解だ。こんにちは!グルメリポーターのケンジです!今回はこちらの中華屋さんに来ています」


「こんにちはグルメリポーターのタカシです!今回はこちらの洋食屋に来ています!」


「ちょっと待てタカシ。何故違う店に行くんだ?視聴者の画面が分割されて見づらいだろ」


「そうかもしれない。でもケンジ、分割されて二店舗紹介された方がお得な感じしない?」


「タカシ天才だな。とりあえずそれでやってみよう」


「だね。じゃあもう一回やろう」


「了解だ。こんにちは!グルメリポーターのケンジです!今回はこちらの中華屋さんに来ています」


「こんにちはグルメリポーターのタカシです!今回はこちらの洋食屋に来ています!」


「こちらケンジです!見てくださいこのメニュー数を!沢山あってどれも中国語で書かれているので全く読めません!」


「こちらタカシです!メニューがどれもフランス語で書かれていて読めません!」


「こちらケンジです!とりあえず適当に頼んでみました!店員さんも中国人で日本語が話せないようで注文が伝わりませんでしたがまぁ良しとしましょう!」


「こちらタカシです!店員さんがフランス人で日本語が話せない為、注文が出来なかったので帰りましょう!」


「ちょっと待てタカシ。帰ってどうするんだ。グルメリポーターが料理を食べずに帰るなんて斬新過ぎるだろう」


「そう言えばそうだったねケンジ!早く帰って風俗店に行って女の子に踏まれたかったから特に何も考えてなかった!


「お前は小さい頃から変わらず真っ直ぐ育ったんだな。偉いぞタカシ!」


「ありがとうケンジ。とりあえず俺は風俗店の事で頭がいっぱいだからリポーターはやめてケンジのサポートをすることにするよ」


「そいつは嬉しいなタカシ。頼もしくないがよろしく頼む」


「じゃあケンジが料理を注文した所から始めよう」


「了解だ。こちらケンジ。何を注文したのか分からないので、何が出てくるのか楽しみです!」


「現場のケンジさん!今厨房ではどんなことがされていますか?」


「はい、現場のケンジです!今コックさんが鍋にお湯を溜めています!一体何に使うのか楽しみです!」


「もしかしたらそれを頭から被るのかもしれませんね!そしたらおもしろいことになりますね現場のケンジさん!」


「現場のケンジです!それは確かに面白いですね!あ、何やら麺を鍋に入れました!どうやら麺類の様です!」


「……」


「スタジオのタカシさん?スタジオのタカシさん!!どうやらスタジオのタカシさんは風俗店に踏まれに行ったようなのでリポートを続けます!コックさんが丼ぶりを用意して何か注ぎました!もしかしたら俺が頼んだのはラーメンかもしれません!」


「ふぅ。すっきりした。現場のケンジさん!今はどんな状況ですか?」


「おかえりなさいスタジオのタカシさん!現在コックさんが麺を湯切りしている様です!おっと今丼ぶりに麺を入れました!やはり俺の推測通りラーメンのようです!」


「成程!俺は麺を茹でたのはフェイクで実はチャーハンかと思いましたが違うようですね!リポートを続けてください現場のケンジさん!」


「現場のケンジです!今ラーメンがテーブルの上に!なんとテーブルの上に置かれました!あ!箸まで用意されています!なんて気の利く店員でしょうか!」


「そういう気づかいも売りの一つかもしれませんね!お味の方はいかがですか?」


「こちら現場のケンジです!味は何の味かはよく分かりませんが美味しいです!メンマとノリとほうれん草が乗っています!」


「それは素晴らしいですね!最後に定員さんに何かコメントを頂いてください!」


「こちら現場のケンジです!店員さんに「料理のコツ」を聞いたところ、何を言っているのか分かりませんでした!以上、ケンジのグルメコーナーでした!」


「ありがとうございました!店員さんのユーモアセンスが光るコメントでしたね!」


「はい!どうだったタカシ」


「素晴らしかったよケンジ!文句のつけようのないグルメリポートだった!途中俺が居なくなるハプニングにもしっかり対応していたし!」


「あれはわざとだったのかタカシ。流石気が利くなお前は。ありがとう」


「どういたしまして!ケンジの為だからね!」


「じゃあこれからテレビ局に行ってグルメリポーターになれないか聞いてくるよ!」


「いってらっしゃい!ついでに椅子役がないか聞いてきてねケンジ!」

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