表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
誠也戦記  作者: 楓59
7/14

王の涙

俺は目を覚ました。まだ生きてるんだな。俺の手を握りしめてる女性がいた。


「お兄様、目が覚めたのですね。よかった。私お兄様がいなくなったら・・・」


そこにコールが近づいてきた。


「大王。お目覚めですね。命には別条ありません。心配しないで下さい。エレナ姫もずっとお傍に・・」


おれの妹はエレナか。綺麗な名前だな。


「エレナ、心配かけてすまなかった」


「お兄様」


エレナに強く抱きしめられた。


廊下で待機していたサーチ、カール、エレン達が部屋に入ってきて、跪ついた。


突然サーチが


「大王、心配しましたよ。大王と私は唯一・・・・・見たのですから。とても素晴らしかったですのよ」


「サーチ、変な事を言うでない。皆が勘違いするではないか」


エレナがいつまでも強く抱きしめているので、顔が赤くなり、息が出来なくってきた。


「エレナ。解ったから。もう大丈夫」


エレナは俺の体を離した。


「お兄様、バカ・・・・心配かけて」


涙を流しながら部屋を出て行った。


コールが


「大王、その体でこの話をする事は、誠に心苦しいですが、モース軍先鋒隊があと4日でこのセントラル城に到着します」


「何・・・・・あと4日・・・」


「はい、それぞれの城主から報告がきております」


「解った。コール、所で、マース将軍と将兵達の寝返りの人数を教えてくれ」


「はい。2500です」


「そうか・・・・ありがとう。」


俺が意識を無くしている間、事が進み、この戦いでの不利になって行く事を感じ、


「サーチ、これより、スラン王国へ行く」


「大王解りました。同盟を結ぶ為、私もお供いたします。大王にお見せしたい物があります。」


家臣達4人が目を合わせて、突然サーチが俺に近づいてきて、


「大王。失礼いたします。」


俺はサーチの背中おぶられ、部屋を出た。


「皆どこに行くのだ。おい。おい・・・・・」


そしてある部屋へ連れて来られた。


コールが言った。


「大王、驚かないでください」


俺はゆっくり歩いて、カーテンを開けた瞬間、目の前の光景に驚いた。


セントラル城周辺に大勢の民が座り込んで


「大王様・・・・大王様・・・」


泣いている老人、小さな子供達が叫んでいた。


俺の目から自然と涙が出ていた。現実の世界では、負け組で、人間のくずと思って生きてきた。


「コール、民達はどれくらい外に座り込んでいるのだ」


「1日でございます」


俺の為に・・・・・こんなにも多くの民が・・













評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ