第1章「謎の吹奏楽部」2音目
〜〜〜〜〜〜〜HR終了後〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ふー。やっとおわったー。」
学校でのHRが終わり二人はバスに乗り、目的の場所に来ていた。
HRはちょっとした連絡事項だけだった。二日後には課題テスト、身体検査、そして…部活動の紹介の紙の配布。その他もろもろの説明だけで終わった。
バス停から約一時間近くだろうか、バスを降りるとそこにはいかにも新しく出来たばかりと言わんばかりの建物があった。
「うひょー。流石都会。何度見ても建物のスケールが違うなぁ」
「そんなに驚くこと?まぁ、田舎に暮らしてたらそういう反応もするよね」
二人はそんな会話をしつつ二階にあるゲームセンターに来ていた。この後、いろんな学校の吹奏楽部たちによる演奏が行われるためそれの時間つぶしのためだ。
「なぁ、ほんとに吹奏楽の演奏聞くのか?」
「うん。この地区の吹奏楽は上手なところが多いんだ。僕も吹奏楽聞くの楽しみなんだ。君は吹奏楽嫌いなのかい」
「嫌いっていうか……。あまり関わりたくないというかなんというかな…」
「…ん。それってどういうことだい?」
「気にしないでくれ。独り言だ」
「…そうかい?はい。これが今日演奏する学校のパンフレットだよ」
そう言って一枚のパンフレットが渡された。そのパンフレットには五校の学校が書かれていた。
…しかし。湊そのパンフレットをみておかしな点に気づいた。
「ん?おかしくないか?何故か俺達の学校名が二つあるぞ?」
そう。このパンフレットに自分の通ってる学校名が二つあるのだ。しかもその二つとも違う曲を演奏するみたいだ。
「あぁ。知らないの?うちの学校、吹奏楽が二つあるらしいんだ。」
「らしいんだ?それって、どういうことだ…?」
「主人公」はHRのときにもらった部活紹介の紙には吹奏楽部は一つしかないことを見ていた。
「何でも、二つあるんだけど表向きには一つとなってるみたい。正式な方は、そこまで力を入れてないみたいでコンクールでもあまりいい結果を出してないみたいだよ。」
「残りのもう一つは?」
「それが。部室もなければ楽器の貸出もなく、誰も練習してる姿を見たことがないんだ。」
「……なるほど」
「しかもその謎の吹奏楽部。とても演奏が素晴らしいらしい。大会でも金賞を毎年とってる結構有名なところらしい」
さらに話を聞くと、新入部員の受け入れをしていなく、また学校の先生ですらどこで練習してるのかもわからず、さらに地区代表の有力候補としての一つとして選ばれているが未だに全国大会に行ったことがないらしい。
「どうして、うまい方の吹奏楽部がメインにでてないんだ?。そっちをメインに出した方が学校も知名度があがるだろ?」
「それは誰にもわからないんだよ」
「まぁ、色々あるんだろうな。どうせ俺には関係の無い話だし。」
「さて、そろそろ会場に向かおうか、もうそろそろ始まる時間だ。」
そう言いなが俺達二人は演奏されるというステージに向かうのであった。