後悔
療斗side
「マスタースパーク!!」
強烈な熱量を誇るレーザーが幽香を焼こうと一直線で向かっていく。
「おっと…」
そのレーザーを危なげなくかわす幽香…俺の目から見てもこの戦いで魔理沙の勝つ確率が低いことがわかる。
「まだまだ…スターダストレヴァリエ!」
「ふふっ…果敢な攻めね…でも」
これは傘で裁かれてしまう。
「あなたも気づいてるんでしょ?この実力差を。」
「強いと分かってるんだぜ?なら…初めから全開だ!!」
そう言うとポケットの中からもうひとつ八卦炉を取り出す。
「二丁拳銃…いや二丁八卦炉ってところかしら?」
「へへっ…これが私の全開だぜ!!」
純粋な火力は片手の倍…威力を考えると化け物並に強い風見幽香にもダメージを与えることが出来るかもしれない…がその分使う魔力も二倍になるし魔法によってはそれより大きくなる可能性だってある。
「諸刃の剣…ックソ!!」
使い物にならない左腕を忌々しく思うが、どんなに後悔してももう遅い。
「この一撃で決める…」
八卦炉に七色の光が集まっていく。そしてその銃口は迷うことなく風見幽香を捉えている
「力勝負ね…」
再び傘に光が集中していく。
「悪くない」
狂気の色が笑顔にまじる。
「マスタースパーク!!」
「喰らえ!」
魔理沙のマスタースパークと風見幽香のレーザー…人を殺せる熱源が2人の真ん中の距離でぶつかる。
「く…クソ!」
「フフッ…」
少しづつ…少しづつマスタースパークが押され、どんどん魔理沙へと近づいていく。
「負けられない…負けてたまるか!」
「この実力差でよく頑張っ「まだだぜ!」!?」
2個目の八卦炉をマスタースパークを撃っている八卦炉の隣に合わせる。
「流石に2発ならきついんじゃないか?…ダブルスパーク!!」
先程の倍…いやそれ以上の質量が風見幽香のレーザーを飲み込んでいく。
「ッ…」
この戦いで初めて風見幽香が驚きの表情を見せた。
「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「なかなかね…でも」
さらに大きなレーザーがダブルスパークを押し返す。
「そんな…」
「やっぱり度胸だけじゃね…」
「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
魔理沙を引き寄せようと伸ばした手は距離が足りずに何も掴まずに終わる。
「りょう…」
療斗は見てしまった…目の前で魔理沙が光に消えていくのを…こちらを見ていた表情が恐怖で涙に濡れていたのを。
「あ、ああ…」
攻撃で吹き飛ばされた魔理沙はピクリとも動かない…
「ふぅ…そこそこね」
頭の中が真っ白になりなんにも考えきれなくなった…ただ1つだけははっきりしていることがある。
「殺す…」
左腕を折られたぐらいでビビって魔理沙だけを戦わせた俺も悪い…だけどお前が1番悪い!!
「コロス…絶対にコロス」
体が熱くなっていく。
「…その頭!?」
療斗の額には星の模様が入った1本の角が生えていた。
「ユルサネェ」
望生療斗は知らなかった…自分の親も故郷もそして自分が何ものなのかということも。自分から出る力の正体も。




