09/02[白鳥 陽菜]寮 15:47- 1
爆発は突然に起こった。
寮の自室へ戻って、いつも通りテレビをつけた。
時刻は午後三時四十七分。
いつも見ているドラマがはじまるまで、まだ少し余裕がある。
佳世ちゃん、ケータイ見つかったかな?
そんなふうに考えながら、いつもお菓子を入れているギンガムチェックの箱を開けようとした矢先だった。
ずうぅぅん
そんな感じの、低く大きな音がした。
なんだか、ドラマや映画で聞いた何か爆発する音に似ていた。
寮内がにわかに騒がしくなる。
あたしも急いで廊下へ出た。
爆発はどこで起きたのか。
寮ではないのは明らかだった。
爆発すればしそうな、何か燃えた臭いなどがしない。
それでも、あれだけはっきり音が聞こえたということは爆発源はここから近い。
ここから近い建物で、いたずらに爆発物をしかけられそうな建物といえば──寮の目と鼻の先、あたしたちの通う白澄中学。
不安で気持ちが悪くなる。
学校には、あたしの大好きな佳世ちゃんがいる。
もし、爆発に巻き込まれていたら……。
立地上、寮室の窓から学校は見えない。
怖くて見たくないという思いと、確認しなきゃいけないという思いが、同時に湧き上がる。
でも、あたしが確認する間もなく、他の子たちの間でどよめきが起こった。
「学校が!」
「学校が壊れてる!!」