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第3話 スマホの押し付け。

あの後、お巡りさんが助けてくれたと同時に全力疾走をして家に帰った。「あらまぁ、おかえりぃ~」と言った、普段はウザくてぶん殴りたくなる母に抱きつきたくなったのは初めてだ。






アレは悪い夢だったんだ。そうに違いない。

2日間もすれば、そう思うことも出来るようになったので、余り気にしないようにしていた。


「ヒヨコバーのバーは、ヤバーのバ~....」


私は昼食過ぎに無情にヒヨコのアイスのヒヨコバーを食べたくなったので、コンビニに行って買った。そして大量のタバスコをぶっかけて食べる。


その帰り道に自作の歌を歌ってたら....


ドン


「....?」


何かにぶつかったのかと思って上を見上げたら、見覚えのある怖いお兄さんたちがいて唐突に喋りだした。


「なあ!アニキに会ってやれよ!」「怖いとおもうけどいい奴なんだ!!」「お嬢ちゃん…怪我したくないだろ?」「つーか、そのアイスなんだ!?」


何故か赤坂さんの仲間達に囲まれた。おいコラ待てや、何で脈略もなく囲まれたんだ。つーか、いつから居たんだよ。


コイツら何なんだ、アレは私の夢だろ畜生!


「ほら、スマホやるから!さっさとアニキにメールしてやってくれ!」


「それが無理なら電話してやってくれ!!」


何か最新型のスマホをグイグイと渡されて後退りしたくても、後ろは壁のせいで無理だ。


コイツら小学生追い詰めて何がしたいんだよ


「いやです。こないで下さい」


私は短めにそう言った。

ポケットの中に何か防犯グッズとか無いかな~ってまさぐってたら、学校で男子に無言で渡されたリンゴの飴しか無かった。役に立たねぇ....


「アニキがお前に会いたいって言ってんだよ!!」


「電話で話すことぐらいしろよグラァ!!」


「腕折るぞ....」


途中からただの脅しになってるよ。

何なんだよ、コイツら。何がしたいんだよ、子供にこんな仕打ちとかありかよ。


確か....これは立派な脅迫罪という罪に問われるから、訴えたら勝てる。えーと、これは民事か刑事かと問われれば確か刑法と民法のどちらにも....


ダメだ、それじゃあ事後だ。

既にフルボッコにされて痛い目みた後のことしか考えられない。ダメじゃん。


「そこまでだよ。女の子を苛めるんじゃない」


優しい声が響き、聞こえた方を向くと中性的な男性がいた。

中性的といっても、決して女らしいわけではなく骨格や筋肉で完璧に男とわかる人だ。


「貴方だれですか?」


私は警戒の目でみた。「水城さん....」と、周りの男が敬意を払ってることから、コイツらにとって多分目上の人間というのが分かるからだ。


「こんばんわ、僕は隼人の友達でね。君に危害を加えないから安心して。ちょっと彼らは暴走しちゃっただけだから」


穏和そうで、人好きそうな、保育師のように子供に安心して貰える素晴らしい笑顔でそういった。


しかしながら、私の頭は警戒通知が鳴り響いている。


「あなたみたいな上面笑顔が一番危ない」


そう言ったら、キョトンとした顔の後に一瞬だけ笑みを濃くして、また優しそうな笑顔にもどった。


「あのね、本当に大丈夫だからね?そのスマホは悪いものじゃないし、料金は隼人が払うし、好きに使ってもいい。ゲームに使ってもいい。何より隼人が幸せに....いや、君が幸せだ。


本当に何も悪いこととかないからね?


ね?」


優しく、遠回しにいってるが、やってることはさっきの男たちと同じことだというのを分かってるのだろうか....


しかしながら、周りを見渡して判断するに今はこの人の指示に従った方がいいかもしれない。


今、私は人気のない場所に何の装備もなく囲まれいるし、ここら辺で出会ったということは、家もバレてる場合がある。


ならば....


「分かりました....受け取ります」


素直に受けとるのがいいだろう。


「うん、懸命な判断だよ」


スマホを受け取った時に、彼はそういって満足そうに笑った。

まぁ、受けるとるだけだ。あとで無くしたとか何とかいって捨ててしまえば....


「仮に『無くす』ことがあっても、また渡すからね」


笑顔でそんなことを言われた。



何で私は怖いお兄さんたちに囲まれ、スマホを渡され、笑顔兄さんに退路を絶たれ、終いにはヒヨコバーがベジョベジョになってるのだろうか、そしてこのスマホを両親にどう説明しろというのだろうか。


暑い昼過ぎ、私はタバスコをぶっかけた溶けたヒヨコバーにより赤っぽい液体でベトベトになった手をみておもった。


泣きたい。

不憫な主人公ですw

短編の時のを反省して、小学生っぽくなるように書いてますが、ちゃんと子供らしいですかね?

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