表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/106

第44話 劇の役決め

 今日は学校で、劇の話しあいをすることになっている。


 まぁ、学校といっても全員が出れる訳ではないので、学童保育の子達が裏方とか劇の役をやることになっている。


 内容はポピュラーな白雪姫である。

 大人役と子供役に変わることが出来る上に、台詞もそれなりにアレンジすることが出来るからだ。


「今から、白雪姫(子供)役と5人のキコリ、そして王子(子供)役とその他(喋り出す鏡や木や花)決めたいと思います。」


 学童保育場所にある、特別教室の黒板で私は書きながら説明する。


 因みに、(子供)と書かれているのは、小学生の白雪姫や王子は子供時代に出会ったという設定で演じ、終盤のいいとこは高校生がやるからだ。


 まぁ、それに関しては小学生と高校生がやるので仕方ない。


「私、木の役やる~」


「じゃあ、俺キコリやるわ~」


「私は、花を作る係します……」


 周りにいる子は大きく分けて二通りだ。大人しく学童で遊んでいそうな、内気なタイプの子。


 このタイプは鏡役やキコリと言った、ある程度目立つが矢面に立たないのを選ぶか、それすらも怖い子は裏方作業を自ら選ぶ。


 そして、学童にいながらも、基本的には外で遊んでいる、派手で少し垢抜けた感じの子もいて、そのタイプは主役級を平気で選ぶ。


「おれ!!王子役やるー!!」


 因みに、かずま君もそういうタイプだった。


 明るく元気で、しかも可愛らしいながらも整っている言える容姿をもつ皆の中心のかずま君は、男女共に異議なしだ。


 問題は、女子の方だ。普通ならば、争奪戦とか押し付けあいになるのが定番だが……


「え~?誰にする?」


「リカちゃんやりなよ~」


 こっちも問題は、ないだろう。多分リカちゃんで決定だと思う。


 リカちゃんは、垢抜けた感じの女の子で、実は読モもやってる凄く可愛い子だ。気が強いけど、面倒見もいい子だから皆から人気もある。


 実は私はリカちゃんグループに入ってるというか、入らされてるというか、まぁとにかく友達だから、リカちゃんがいいと思う。


けど、リカちゃんはちょっと難色を示していた。


「まぁ、私はいいけど~?……茜ちゃんは劇に出ないの?」


「うん、色々と忙しいからね。でも、花を作ったり紙を作ったりはちゃんとするよ」


「えぇ~!!白雪姫やりなよ!かずま君となら、お似合いだよ?」


 なんて事を言い出すんだ。リカちゃん達はニヤニヤしている。


「おれも、茜ちゃんが白雪姫やったら綺麗だと思う!!」


 ニカッと、まるで太陽にいうかずま君にはそういう意識がないのか、無邪気にいい、リカちゃんグループはニヤニヤと笑ってる。


「私は、別にキコリ役でもいいし?」


 そういって、リカちゃんは博人(ひろと)君をチラリと見た。あぁ、確かリカちゃんは博人くんが好きで、博人くんはキコリ役だったな~……と、考える。


 多分これはリカちゃんなりの配慮と同時にリカちゃん自身にもメリットがあるんだろう


「私は実行委員だから仕事しなきゃで出れないんだよ。それに、リカちゃんが一番可愛いんだから、やった方がいいよ!」


 これは、私の本音でもある。この中で一番可愛い子は誰かと言われたらリカちゃんだし、実行委員としての仕事が忙しいのも本音だ。


 それに、博人くんにアピールするとしても、白雪姫の方が可愛いからそっちの方がアピールになると思う。


「え、えぇ~?そうかな?でも、茜ちゃんもいいと思うし…」


 誉めたのがよかったのか、まんざらでも無い様子で、口では否定しながらも、後1回言えば、受け入れてくれそうだ。


「あのさ、私が白雪姫をやってもいいかな?」


 そっと、手を挙げながら表れたのは、ゆかりちゃんだった。


 この子はどちらかと言えば大人しいタイプの女の子で、けどリカちゃんの次には目立つというか、目立ちたい子な女の子。


 それに多分、かずま君のことが好きで、いつもは主役やリーダーをやってるリカちゃんが遠慮気味だから、名乗りを上げたのだろう。


 期待した目と少し赤くなった頬でいう、ゆかりちゃんをリカちゃんは冷ややかいう。


「はぁ?そういうのいいから、誰もアンタに言ってないから」


 ゆかりちゃんに、ズバッといったリカちゃんの言葉に、周りはクスクスと笑い、それを聞いてゆかりちゃんは別の意味で赤くなった。


「そ、そうだよね!いや、冗談でいっただけだからさ!私もリカちゃんがいいと思うよ!」


 必死で取り繕い、なんとか冗談ということにしたいゆかりちゃんは、そういった。


 まぁ、何はともあれ最終的には決まった。


 かずま君は王子(子供)役。リカちゃんは白雪姫(子供)役ゆかりちゃんは鏡役……といった感じで、みんなの役や作業はきまった。


 ゆかりちゃんは少し恨めしい目で見ていた。


まぁそれに関してはそっちの先生やリカちゃんたちにやって貰おとおもった。


 皆、それぞれの人生があるし、物語がある。

すべてをハッピーエンドになんか出来ないし、誰かは嫌な思いをしなきゃいけない。泣く人もいる。


 誰かが傷つくのが、世界の決まりごとなのだ。


「(でも、みんなが出来るだけ傷つかないといいなぁ…)」


 私は、無責任にそうおもった。

リカちゃんと茜は仲がいいです。

ポーっとしている茜をリカが引っ張ってる感じです。


実は、別の小説でチラッと出した子なんですけど、分からなくても支障はないので、新キャラだと思ってください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ