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第41話 茜の激務

 赤城さんと一緒に会議室の前に行き、入ろうとしたら……赤城さんは物陰の壁にもたれた。


「俺はまだ状況が分かってないから、ここら辺で少し見てから入る」


「はぁ、分かりました」


 私は赤城さんのいうことに素直に頷いて、自分だけ会議室に戻った。







 戻って再開させれば、物凄く忙しくなっていた。


 というか、私のところに舞い込んでくる仕事が多く、それをさばくのが大変だ……というか、小学生にやらすことじゃないと思う。


 何人かに相談されたことを考えて、アイデアを出し、後は安全面やら予算やらを見積ってパソコンに打ち込む。


 そしてまた、仕事が舞い込んできた。


「茜ちゃーん、そっちに渡す筈だった予算なんだけど、周りが反対してて、合同イベントの予算がオーバーしてきてるの」


 話しを聞くと、合同イベントなんかより、こっちに予算を回せという生徒が出ているらしい。それで納得のいくように予算を分割したら、オーバーしてきたのだろう。


「では、映画部にある衣装を貸してもらいましょう。それで足らないのならば、裁縫部に要請する。もし拒否られた場合はレンタルしましょう」


「舞台の方はどうしたらいい?」


 あ、舞台の方もあるんだった。頭をひねらせながら何とか考える。


「小学校の方である程度のそれっぽいのがあるので、それを使い、後はこっちで装飾して、どうしても無理なものは映画部の舞台をアレンジさせましょう」


「なんかショボくならない?」


「聖火学園だけならともかく、小学生も出るので、それは一種の微笑ましさが出るので大丈夫ですよ。そして、他の部に協力を要請するなら、まだ忙しくないうちがいいです。」


 最終的になげやりになにながらも、相手はそうだなと頷いて、映画部や裁縫部に要請しにいった。


 粗方の仕事は終ったので腕を伸ばしてたら、右肩をちょんちょんと叩かれた。


「ちょっと……私、許可してないんだけど…」


 横で、気にしてないという風に、けれど若干引き釣った笑みを浮かべるのは佐南さんだ。


「勝手にしてしまい、すみません。では、すぐに止めにいきますか?」


「ううん!そういうんじゃないよ!茜ちゃんスゴいもんね!……でも、ほら、もしもの時に一応は私に言ってね?」


 手をふり、大丈夫だよと表現した後は一転して少しうつ向いた様子で気にしてますと表現した。


「分かりました。今度からちゃんと許可取ります」


 素直に私は謝った。


 そうだ、佐南さんのこともあったんだ。佐南さんは本来、立場上でも年齢の上でも私より上だから、ちゃんと立てなければならない。


 というか、小学生の意見を普通に受け入れている現状がちょっと可笑しいと思う。というか、いつのまに私は指示を飛ばす役になってるんだ。


 確か最初は佐南さんがしてたけど、解決出来ない部分に対してちょこっと意見してるだけだったのに、気がつけばこうなってた。


「そうだね、ちゃんと許可をとろうね。もし、何かあったら責任取れないでしょ?それに……ほら茜ちゃんはまだ子供だから……ね?」


「はい。そうですね、以後気をつけます」


 首をかしげて、可愛い感じの佐南さんの意見は私が小学生であり、私では責任が取れないということと、年齢のことをさしている。


 まぁ、立場を分からせる意味ではその意見は大切だ。それに、そろそろ、私の周りで書類をもって困った顔をしている人と要請から戻ってきた若干増えて来たので、早く終わらせる意味でも素直に謝る。


 立場は彼女が上で、私は下だとちゃんと認識したから。


「あの、そろそろいい?」


 佐南さんが先輩として私に注意してた時、流石にもう時間を待てないのか、眼鏡の草野さんが話しかけてきた。


「あ、うん!!いいよ、何かな?」


 佐南さんは、笑顔で対応しだしたので、私は他の人を対応しようと思ったのだが……


「いや、如月さんにお願いしたいんだけど……」


 おい、コイツちゃんと話し聞いてなかったのか……


 さっきの注意は、私に分からせるだけじゃなくて周りの人にも立場を明確に表す意味合いもあったのに……


 若干頭が痛くなりはじめてた時……


「悪い、遅れた。今から俺も加わる」


 シンプルな台詞を吐きながら、赤城さんは登場した。

因みに、茜が普通のように指示を出せるのは、聖火学園が徹底した実力主義だからです。

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