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第12話 許嫁

「って!!これ雑巾じゃないのよ!!!」


ベシン!!と、怒りに任せて女性は雑巾を下に叩き落とした。


「雑巾じゃないです。ハンカチです」


「汚すぎるわよ!?」


失礼だな単にドロ団子を作っていたときに使っていただけだよ。


「茜ちゃん、警察呼ぼうか?」


隣ではかずまくんが、携帯を片手にボタンを押そうとしていた。その目は完璧に不審者を見る目だった。気持ちは分かるが、落ち着け。


警察という単語に反応したのか、肉姉さんはまた泣き出した。


「うぅ……もう警察はいやよ!!ここで貴女を待ってるだけで何回通報されたか……」


通報されたんかい。


「何で日本の警察はあんなに真面目なのよ、お金で解決出来ないなんて……」


どうしよ、この肉姉さん大丈夫か?


「えっとですね……取り合えず、近くにカフェがあるのでそこに行きませんか?ここだと、また警察呼ばれますよ?」


というか、周りの子供たちが怖がって防犯ブザーをならしてたり、近くからパトカーのサイレンがなってしまっている。


「……行く」








心配しまくるかずま君に、今日は一緒に帰れないといって何とか説得できたと思ったら、今度は通報で来た警察の人が表れ、肉姉さんが身分証明書を出して、途中で泣きながらも必死に説明してなんとかカフェにきた。


「なんで私が露出魔とか言われなきゃならないのよ!?」


席に座った肉姉さんがさっきのことを振り替えってぶつくさ言っていた。


「肉姉さんは足と胸を露出し過ぎているからじゃないですか?」


警察の人の扱いがコートの下が全裸のおじさんと変わらない扱いだった。


「コレはファッションよ!!わたくしの美しい体を愚民どもに見せてあげてるのよ。感謝しない!!」


「すごーい。肉姉さん(棒読み」


警察という猛威が去った為か、肉姉さんは自慢げに、なんか初期のプリキュアの白い方のポーズをとってた。

注文を聞きに来たウエイトレスの人が怯えていた。


また通報されるぞ。


「むふふん」


満足したのか、満面の笑みで少し笑った後、適当にパンケーキと紅茶を頼み、私の方に向き直った。


「さて、貴女が隼人の………最近、そばにいる女の子なのね?」


少しの沈黙に、色々な感情が込められているような気がしたのは気のせいだろう。


「私の名前は、サラスタシア・ジョアンナよ。


日本名では沙羅っていうの」


自分の名前に結構な思入れがあるのか、肉姉さんは少し誇らしげにそういった。


「はぁ、そうですか」


適当に調子を会わせる私に、肉姉さんはジーっとこっちをみていた。


少しの嫉妬と、嘲笑が混ざっているような笑みの筈なのに、何故か無邪気な子供を連想させるのは何故だろうか。


「ふーん……顔がいいってだけで何の苦労もせずに周りからチヤホヤされて来たって感じね」


「何がいいたいんですか?」


私は彼女の言葉イラッとした。

何の苦労もしてないってなんだよ、私なりにこの顔で結構な苦労はしてきたんだぞ。


と、内心毒づた私を肉姉さんは気にしてないように笑った。


「別に、貴女を陥れたい訳じゃないのよ?ただ、伝えたいことがあったの」


「伝えたいこと?」


「ええ」


そう返事をしたあと、紅茶を飲み干してゾッとするような綺麗な笑みを浮かべていた。

これは無邪気ではなく、完璧に自分でわかった上で作った笑みだ。


「私はね、赤城 隼人の許嫁なの」


そういった彼女の嘲笑と嫉妬と自尊心が混ざった姿は大人の美しさと女王のような禍々しさが感じられ……


それでも、何故か無邪気に笑い、何故か怯えているようにもみえる彼女は子供のようにも見えた。


「フフッどうしたの?怯えちゃったかしら?」


うつ向いた私に彼女は嬉しそうに笑った。











ポチポチ……


『赤城さん、あなたの許嫁と言ってるひとが私の目の前にいます。どうしたらいいのか分からないので、来てください。これないなら、別にいいです』


ピロリーン


『1分でつく』

名前は組み合わせました!!


次回、隼人くんも出てきますよ!

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