表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

優しさの連鎖

作者: blue birds

いつだったか、誰かに優しくされたことがある。



もう今となっては、その人の顔を思い出すことは出来ないけれど、

それでも、かつて優しくしてもらえたことと、そのとき涙が出るくらい嬉しかったことはーーーはっきりと覚えている。




だから、優しい人になろうと想った。あの人みたいに、誰かに優しくできる人になろうって。

そうして私の優しさが別の誰かに伝われば、次はその人が。




そして、その次の人の次には、また次の人が。







ーーーーそうやって。

いつか、私とは全然関係ない人が、きっといつの日か、あのときのあの人に、優しくしてくれるはず。





……あの人に優しくしてもらえた、あのときの私は、あの人に何の恩も返せずに終わっている。

それどころか、恥ずかしことなんだろうけれど、「あの人に恩がある」ということ気づいたのだってーーー今さらになってからだ。。





けれど、まだ間に合うはずだから。

だから、わたしはだれかに優しくしようと想う。



そうやって私の優しさがあの人に届いた暁には。

そのときは、きっとーーー明日は。




その時の明日は、今日より絶対に良くなっているはずだとーーー私は、信じている。









アカシックレコード:優しさの連鎖




世界録14:優しさから断絶された、誰かの魂



 優しくされたことのない人間は、どうなるんだろうね?

 人に優しく出来ないのかな?


 そもそも、優しくされたことのない人間は、誰かに優しくされたとき、「それ」が優しさと気づけるのかな?



 ……多分、無理だろうね。

 だから彼女は、あんなふうになったんだ。





 あんなふうに世界を許すわけでもなく、また、世界を恨むわけでもなく。




 ーーーただ単に、他の誰かに悪意を向けるだけの、ただの現象に。

 彼女は、成り下がってしまったんだと思う。








世界録14に対する反証:絶対矛盾:最初の優しさ



 そこが、ゴールだよ。

 ただの悪意に、優しくできるか。故なく向けられる悪意に、やさしくできるのか。

 

 

 ーーーそれが、鍵となる。




 ……分かっているよ。

 悪意を向けられて、優しくしようなんて想えるはずもない。



 それでも、それが成されれば。




 きっと、僕たちは、先へ至ることが出来る。

 あの悪意が定めた、世界のエンドポイントの先ね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ