第9話 報告
街のギルドに到着すると、女性たちは安心した表情で駆け込んでいった。
セリナが深呼吸をひとつ。
「……やっと落ち着いたわね」
ガルドは女性たちが走り去るのを見届け、ロックに小さく頷いた。
ロックも剣を鞘に納め、肩をすくめる。
「……はぁ、なんとか無事だな」
セリナが軽く笑った。
「ところで、私はセリナ。今後とも、よろしく」
ロックは軽く会釈する。
「ロックだ。女性の護衛なら任せてくれ」
セリナはにっこり微笑みながら、皮肉を込めて言った。
「一人しか倒さなかったくせに?」
ロックは肩をすくめる。
ガルドは二人のやり取りを見て、にやりと笑った。
「⋯ガルドだ」
ロックは目を丸くしてすぐに突っ込む。
「いや、それは知ってるって」
女性たちが去った後、三人はギルド内の報告室へ向かった。
報告室では、依頼を受けていたギルド員が待っていた。
「お、お疲れ様です。無事に……?」
セリナが手早く説明する。
「依頼通り、女性たちを救出しました。追手も排除済みです」
ギルド員は二人を見て、目を丸くする。
「な、なるほど……さすがですね」
ロックは肩をすくめる。
「まあ、俺たちの仕事ってだけだ」
「あ、あなた、依頼時にいましたっけ?」
ギルド員は、ガルドの後ろから急に現れたロックを見て、不思議そうに問いかけた。
「まぁ、そういうことは置いといてさ」
ロックは軽く笑いながら、問いをかわす。
セリナは今回の依頼の資料に目を通しながら言う。
「次の情報も集めておかないと。次に向かう街の噂とか、結社の動きとか」
地図を広げる。
「この辺りの港町が怪しいらしいわ。結社の拠点があるかもしれない」
ロックは腕を組み、地図を眺める。
「港町か……道中は気をつける必要がありそうだな」
ガルドも頷く。
セリナは続ける。
「ここからは情報収集と準備が重要よ。迂闊に飛び込むと危険」
三人は短く目を合わせ、決意を新たにする。
セリナは口元を引き締め、地図に目を落とした。
「よし、まずは宿と情報屋を確認しましょう」
ロックは軽く笑う。
「……任せろ。この街は庭みたいなもんだ」
ガルドも何も言わずに微笑む。
「準備が整い次第、港町へ向かうとしましょう」
路地に面したギルドの窓から、夕日が差し込む。
三人の影が長く伸び、次の旅の始まりを告げていた。




