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無口すぎる追放騎士、ドラゴンの呪われた黒剣を背負って街に現る  作者: 雑煮餅
第1章 選ぶ側

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第8話 合流

地下通路に、剣の音が響いていた。


ガンッ!


ロックの剣が弾かれる。


「ちっ……!」


相手は三人。


地下へ降りてきた結社の男たちだった。


一人が怒鳴る。


「裏切りやがって!」


ロックは苦笑した。


「いやいや」


「最初から仲間じゃねえって」


だが状況は悪い。


三対一。


しかも相手は慣れている。


剣が振られる。


ロックは横へ転がった。


刃が石床を叩く。


火花が散る。


(やっぱ無理だな)


ロックは立ち上がる。


笑った。


「悪いな」


次の瞬間。


通路の奥へ走った。


「待て!」


追手が追う。


地下通路は曲がりくねっている。


ロックは迷わず走った。


(この街の地下は覚えてる)


昔、逃げ回って覚えた道だ。


曲がり角。


階段。


壊れた扉。


背後で怒鳴り声。


「逃がすな!」


ロックは舌を出した。


「無理無理」


階段を駆け上がる。


その途中。


振り返る。


追ってきた男が一人だけ、先に上がってきた。


ロックは足を止めた。


「悪いな」


剣を構える。


男が斬りかかる。


ロックは体をひねる。


剣が空を切る。


そのまま柄で男の顎を打った。


ドッ!


男が倒れる。


ロックは息を吐いた。


「……ふぅ」


だがすぐ後ろから声。


「いたぞ!」


ロックは顔をしかめた。


「ちっ」


再び走る。


倉庫の床板を押し上げる。


外の光が差し込んだ。


ロックは外へ転がり出る。


倉庫街だった。


潮の匂い。


海風。


ロックは息を整えながら空を見た。


「……さて」


ガルドたちは、もう離れているはずだ。


だがロックは笑った。


「追いつくか」


走り出す。


この街の道は知っている。


裏路地。


屋根。


壁。


ショートカットはいくらでもある。


そして——


少し後。


ガルドとセリナは倉庫街の路地を歩いていた。


助け出した女性たちは近くの家に預けた。


街の人間が騒ぎ始めている。


セリナは周囲を見ていた。


「まだ来るわね」


ガルド


「……ああ」


その時。


遠くから足音。


黒ローブの男たちが路地に現れた。


三人。


一人が言う。


「見つけたぞ」


もう一人が呟く。


「……あれ?」


「ロックは?」


三人目が顔をしかめる。


「アイツ失敗した?」


その瞬間だった。


上から声が落ちてきた。


「おーい!」


全員が見上げる。


倉庫の屋根の上。


手を振っている男。


ロックだった。


「無事かガルドのダンナ!」


そしてもう一言。


「エルフのネェちゃんも!」


セリナが呆れた顔をする。


「ネェちゃんじゃない」


ロックは笑った。


「後で聞く!」


そのまま屋根から飛び降りる。


ドンッ。


着地して少しよろける。


「っと」


ロックは頭を掻いた。


「ごめん」


「一人しか倒せなかった」


追手が怒鳴る。


「ロック!」


「お前、裏切ったのか!」


ロックは肩をすくめた。


「だから違うって」


剣を抜く。


「最初から仲間じゃねえ」


ガルドが前に出る。


黒剣が抜かれる。


重い音。


追手の男が一瞬ひるんだ。


セリナが矢をつがえる。


ロックは笑う。


「よし」


「三対三だな」


短い戦闘だった。


ガルドの黒剣が一人を吹き飛ばす。


セリナの矢が二人目の肩を射抜く。


ロックは三人目の足を払った。


男は転ぶ。


打ちどころが悪かったのか、のた打ち回っている。


立ち上がる前に逃げ出した。


路地に静けさが戻る。


ロックは息を吐いた。


「はぁ……」


そしてガルドを見る。


少しだけ真面目な顔。


「なあ」


「ガルドのダンナ」


ガルド


「……?」


ロックは頭を掻いた。


「一緒に行っていいんだよな?」


少し沈黙。


ガルドは短く答えた。


「……好きにしろ」


ロックはにやっと笑った。


「よし」


「決まりだな」

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