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大会の日にち

先輩に朝、作ってもらったご飯のおかげでさっきから結構良い記録が出てる。

でもまだ早い時間だからか体が自然に伸びをしてしまう。

「ん〜、このままいけば大会までには目標の記録までいくかな」

そういえば先輩に言った12月25日は私の誕生日だ。

いや、クリスマスだからっていうあれで決めたのもあるよ。

でも多分誕生日が次の12月26日とかだったらクリスマスにしたかの確証はない。

伸びながら校舎のほうを見てゆっくり歩き、休憩をしていると部活の先輩に声をかけられた。

「鎌田、多分次走る番だよ」

「ホントですか!教えてくれてありがとうございます!行ってきます!」

ペコっとお辞儀して、スタートラインが引かれているところに小走りで向かう。

「100m、よーい」

ピッとホイッスルの音がなり隣のやつと一斉にスタートをきる。

2人で走るとそいつのことを気にしちゃってあまり良い記録が出ないことを知ってる。

何か考え事をしよう。

そうすれば100mなんてすぐ終わる。

そういえば、私って別に年上好きって訳じゃないんだよね。

これは多分だけど、1年は〇〇先輩推しみたいなファンクラブに入っているやつが大半で、ハッシュタグつけたり、ファンクラブ事にワイワイしてて、それは楽しそうだなって思うけど、、。

でも、ひまは別にどの部活の先輩にもドキドキしない。

だからこそ、ファンクラブに入ってない。

私が大好きな舞先輩以外なんとも思わない。

まぁ誰も先輩の魅力には気づかないよねー。

先輩にファンクラブができたら嫌だな。

「はい」

「えっ」

もう100m走り終わったんだ。

さっきの「はい」はストップウォッチを止めるための合図だ。

私はゴールの線を超えてしまったので、記録を取っている先輩のところへ向かう。

「何秒でした?」

いつもと変わらない笑顔で先輩に話しかける。

こうすれば嫌われないから。

「12.56だったよ」

先輩がストップウォッチを見やすいようにこっちを向けてくれる。

「このまま行けばリレー大丈夫そうだね」

「ありがとうございます!」

私はおまけ程度に先輩に笑顔を向けて更衣室の方へ走り出す。

すると途中で先輩を見つけた。

「せんぱーい!」

ひまは腕を伸ばして大きく手をふった。

今先輩に向けてる笑顔は多分先輩だけに見せる特別な顔です。



」ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー「

朝学校に来たらふわふわに「せんぱーい!」と声をかけられた。

あいつ、学校では関わらないっていうルールもう忘れてんのか。

無視してやろうと思ったが体が無意識に小さく手をふっていった。

それだけでもびっくりしたのだが自然と口から「かわい」っと出てしまった事が一番びっくりした。

」ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー「


朝の事を思い出しながら髪を乾かす。

ボーっという音が耳元でなるり、動画を見ることができないことに不便さを感じる。

そういえば今日部活の顧問が久しぶりに部活に来た。


」ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー「

「こんにちわ、舞さん」

「やっほー、お嬢様」

更衣室でそんな会話を交える。

もうすっかりお嬢様は弓道部に馴染んできた。

「そういえば、柔道着がやっと届きましたわ」

「どうやっぱり臭かった?w」

「ええ、思っていた100倍臭かったですわw」

お嬢様と自分は着替え終わりロッカーにいらない荷物を全てしまって更衣室を二人で出た。

「舞さん!今日もやりましょ」

初心者はまず腕の力を入れないといけない。

そのために最初に腕立てをさせようと思っていたがお嬢様は「筋トレは嫌ですわ」と言って1つの提案を出してきた。

(わたくし)が腕相撲で勝ったら筋トレはなしでいいんですよね?」

「いいよ、じゃあやろっかw」

部屋の隅にある、小さな机を真ん中に持ってきて自分とお嬢様で手を組む。

「いくよ」

「はい!」

そう返事された瞬間に押し返されない程度に軽く力を入れる。

「ふぅ、、、ん、」

力を入れているときのお嬢様の声がエロいなんて1mmも思っていない。

でも他の人なんて絶対来ないと思うけどもう少し声を抑えてほしい。

「ん、、、舞さん、今日ぐらい負けてくれません?、、」

「いや、筋トレしろ」

手の位置的にはどっちも押されてはいないが体力的にお嬢様の方が負けそうだ。

「うん、、、ん〜、、本当にっ」

もうそろこのエロい声を止めるかと思い、自分はゆっくり力の量を増やしていく。

「ちょっ舞さん」

どんどん力を入れる。

「とまってっ」

もうあと少し押せば勝てる。

「いくよ?」

勝ちかな?

自分は勝つつもりで一気に押す。

すると部室の入口の方でガラガラと音がなった。

「おいおい、弱いものいじめか?」

「そうですわ、どうにしてくださいまし」

今入ってきた男の方を見て訴えかえるように言う。

「え〜、まじだったの?引くわ〜」

そう言われて一回腕相撲を辞める。

やっぱ、自分こいつ嫌い。

「どうしたんですの?」

「いや〜大会の話ってしたっけ?」

「してないです」

そうやっていうと、やっぱりか〜みたいな顔をして、弓道場の床に座りこんだ。

今入ってきた男はこの部活の顧問だ。

「今までは舞しかいなかったから個人でも大会出れなかったんだけど優衣が入ってくれたおかげで大会に出れるようになったんだよ、そこでお前らいちよ聞くんだけど大会、出たい?」

自分は出たかったが、話的にお嬢様が出るって言わないと出れない。

でも入ったばっかで普通は大会なんて出ないよね、、。

今回は諦めようと思ったときに一言隣から声が聞こえた。

「出たいですわ」

本当に?と思いながらお嬢様の方を見ると真剣な眼差しで先生の方を向いていた。

自分はそのお嬢様を見て、ただ純粋にかっこいいなと思ってしまった。

見惚れていると突然お嬢様がこっちを向いた。

「舞さんもでしょ?」

ニコニコで聞いてくるその顔は自分に考える時間を与えなかった。

「やりたいです!」

自然と口から言葉が出ていた。

顧問の先生はその言葉を受け取り、「わかった」と言って立ち上がった。

先生はそのまま扉の方へ向かって立ち去ろうとしたとき、1つ質問をした。

「あの、日にちっていつ頃ですか?」

扉の前で振り返って先生は思い出すように右上を見る。

「えっと、今月の25日?」

」ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー「


どうしよっかな。

後輩からしてもその日に大会があるからってちゃんと答えを出さないのは失礼だよね。

なんとかするか。

まだしっかりとは乾き切っていない髪の毛を触る。

「これぐらい乾けば、後は自然乾燥でも傷まないかな?」

いちよ、タオルを肩にかけてリビングの方に向かった。

リビングではソファーの上でスマホを見ている後輩がいた。

自分は何も言わずに隣りに座り、そのまま後輩にもたれかかった。

「どうしました?」

「いや、今年、部活の大会があるんだけどその大会の日が25日だから、その日になんかするとかは難しいかなって」

そういうと後輩はスマホをいじったまま、食い気味に話してきた。

「私も部活の大会が24日なんですよ!運命ですね!」

なにが運命だよと思いながら言葉を返す。

「そうなると24も5も何もできないから期間伸ばす?」

そう聞くと後輩の方からスマホの電源を切る音が聞こえてきて、よっかかったまま話してきた。

「いや、なら変えないほうがいいじゃないですか!」

「なんで?」

「勝負できるじゃないですか!」

次はこっちを向いて手を握ってきた。

「どういうとこ?」

「だから、少女漫画でよくある勝ったらなんでもお願い聞いてってやつですよ!」

キラキラした目で言われた。

「でもそれ、同じ土俵で勝負するときしかできなくない?」

「いやいや、先輩の大会だって1位、2位、3位ぐらいはありますよね?それで勝負しましょう」

まぁ負ける気はしないし飲んでやってもいい。

でも負けた場合どんな事言われるかわからないし、そういうデメリットを見ると飲まない方が良いのかな。

そんなデメリットを頭の中で思い浮かべているのに自分の好奇心には勝てなかった。

「いいよ、やろっか、勝負」

少しニヤッとしながら言ったらふわふわは「なんか変なこと企んでます?」と苦笑いしている。

「それは後輩の方だろ」

そういうと「そんな事ないですよー」っと自分の手を話し立ち上がって、指を左右のほっぺに当ててニコっとポーズを決めた。

「はいはい、可愛い可愛い、じゃあおやすみー」

そう言って自分は部屋に戻ろうとしたら、ドアを閉める時に「適当やめてくださいよ〜」と声が聞こえた。

今日はもう後輩とのやり取りを終わろと思ったが自分ばかりお願いを聞いている気がしたので少しからかってみようと思った。

後輩の方を向いて一言「適当じゃないし」と言ってドアを閉める。

さっき、もたれかかっていたからか少しデレることに抵抗がなくなっていた。

ちなみにこの言葉は本心じゃない、と思う。

閉めるときに少しだけ見えた後輩の赤面は気の所為だってことにしてあげる。

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