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答え合わせ

弓道部が終わって家につく。

ちなみに今度一緒に帰ろうねと言っていたお嬢様とは今回も一緒に帰ることができなかった。

本当にごめんじゃん。

「さーって、何作ろうかな?」

荷物をキッチン横に置いて、冷蔵庫を開ける。

「卵は、、、ある、ご飯もある、ケチャップもある」

冷蔵庫の中はそれぐらいしかなかった。

「あれが作れるけど、、、むずくね?」

家にいるとき独り言が多いタイプっているじゃん。

自分はそういうタイプだ。

それを自覚してるからレアの中のレアかもしれない。

早くしないと帰ってきてしまうのでフライパンを取り出す。

「どうやって作るんだっけ?」

フライパンを取り出したのはいいけど作り方を知らないんだったら意味がない。

バックの中からスマホを出して、チョチョイと調べる。

「これが一番早くて一番簡単そう」

スマホに表示されているレシピを見ながら使うものを冷蔵庫から出す。

ご飯は冷凍だから電子レンジに突っ込む。

「ソースを大さじ1、ケチャップを大さじ3、大さじ3!比の差多すぎない?」

そう思いケチャップを大さじ2にする。

「煮詰めて、フツフツしてきたら、ご飯と炒める」

分量以外はレシピに書いてあるとおりに混ぜ込む。

「フツフツってソース類もなったりするの?」

あまりうまく混ざらない。

それでも混ぜ続けているといい感じに混ざりきった、はず。

完全にフツフツしてるわけじゃないけど、ご飯を足してもいい具合になった。

ちょうどレンシレンジの音がピーピーとなった。

熱々のご飯を2つ取り出してフライパンのソースと混ぜ込む。

ジューッと音がなって、美味しそうな匂いが一気に広がる。

「さいあく、、だっけ?」

これはふわふわが言ってた言葉だ。

お昼休みの事を考える。

」ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー「

自分は首を絞められた後に購買のところにみんなで行った。

生きててよかった。

何を買おうか迷っているとグループの一人、(つむぎ)が「あっ」と声をあげた。

「どしたの?つむつむ?」

一番モテる陽キャが言う。

「いや〜、委員会の荷物運ばないといけないだった」

「お昼休み終わったらじゃダメなの?」

「あれ結構量あるから早めに運んどけって先輩に言われてて」

困ってるのがわかるような表情をする。

多分昼休みまでに運びに行こうと思っていたんだろうな。

どうしよう、そもそも食べる時間遅れてるから荷物運んでる時間なんてないんだよな。

そう考えていると、いつの間にか紬が荷物が置いてある倉庫の方へ運ばれようとしている。

「まいまい!焼きそばパン2つと、レーズンパンとメロンパン買っておいて」

それだけ自分に言い残して紬は彩花と菜奈に背中を押されて立ち去っていった。

「人使い荒いんだから、、」

彩花達の方を向いて一言それだけ言って購買のおばちゃんに言われたとおりのパンを持っていってお会計してもらう。

これでお使いは完璧。

まだ彩花達はいないと思うけど暖房が効いているので倉庫へは向かわず教室へ戻ろうとあるき始めると、ちょっといったところに顔見知りの後輩がしゃがんでいる。

お互い学校ではあまり関わらない。

このルールは自分の風邪が治りかけているときに決めたルールだ。

理由は自分が学校だと猫を被っているからだ。

後輩と関わるせいで猫が取れたらたまったもんじゃないしね。

、、、でも、告白してきたやつがしゃがんで下向いてたら気になって仕方ない。

そんなことを考えていただけかと思いきや無意識に「大丈夫そ?」と声をかけていた。

声をかけられた後輩はというと少したってから顔を上げた。

「心配してくれてありがとうございます、先輩!」

そういった時のふわふわの顔はいつもの笑顔と少し違うような気がした。

「先輩?」

自分がなにもしゃべらないからかもう一度呼びかけられた。

「後輩さ、、、」

そう言いかけて口をぐっと閉じた。

もし今こいつが僕に見られたくない一面を隠すために表情を作っているんだとしたら、バレバレだとしてもそれを掘るのは違うっと思った。

「今日のご飯僕が作ってあげるよ」

ふと出た言葉がそれだった。

ミスった。

でも言った後にほんの少しだけど後輩の顔がちゃんと笑顔になったような気がした。

「楽しみにしてます!」

自分はひとまず安堵して教室に戻った。

戻ってるときの廊下で自分は思わず丁重にセットしてある前髪をかけ上げた。

「もっと言うことあっただろ」

一言呟いて前髪を直し始めた。

本当に最近自分が何をしたいのかわからない。

」ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー「

お昼休みのことを考えていたらいつの間にかご飯がきれいな赤色に染まってる。

「おいしそう」

棚から2つほどお皿を取り出してご飯を盛り付ける。

フライパンは変えずに冷蔵庫から卵を取り出し、お椀に入れて黄身と白身を混ぜる。

「これでいいのかな、、」

どれくらい混ぜればいいかはレシピに全く書いていないので自分のさじ加減でフライパンに流し込む。

「あれ?これ難しいやつじゃね?」

レシピを最後まで見て気がついた、これ卵をパッカーンってするタイプのやつだ。

「んー、、、卵は頑張ってみるか、、、」

スマホの電源を切り、料理することだけに集中する。

卵を見るとびっくりした。

もう結構焼けている。

「薄いしな、、」

頑張ってクルッとひっくり返す。

「あー、グチャグチャ」

でもまぁ食べれなくはないのでそのまま卵を採用する。

「こっちが焦げてるから」

焦げてる面を下にしてご飯のうえに乗せる。

「思ったよりいいかも?」

まぁもうパッカーンとはできないけどね。

やっとオムライスができた。

後はケチャップを盛り付けるだけって所で玄関の方でガチャっと音がした。

キッチンから玄関の方を覗いて「おかえり」と言う。

お昼休みに聞いてしまった内容と相まって結構気まずい。

それでも後輩はいつもどうりの笑顔で「ただいまです!」と返す。

後輩は荷物を置かずにそのままこっちへ向かってくる。

「晩御飯はできてますか?」とキッチンを見る。

すると帰ってきたときよりも目をキラキラさせて「美味しそうですねー」と言ってくれた。

「これ机に運べ」

そう言ってオムライスが盛り付けられた2つお皿を渡す。

「任してください!」

自分が渡したオムライスを受け取ってせっせと運ぶ。

自分もケチャップと人数分のコップを持っていき席につく。

いただきますしようと手を合わせると後輩が言った。

「えー、先輩ケチャップになんも書いてくれないんですか?」

「、、、チッ、書くから貸せ」

「え?今舌打ちしました?」

ここまできたならもう食べたかったが断るとうるさそうだったので書くとこにした。

なに書こっかなと考えたが特に意味はなく定番のあれを書くとこにした。

サッと描くと結構うまくいった。

よかったと思いながらオムライスを返す。

「えっこれ、ハートですよね」

「え、照れてる?」

「いや、照れると言うかびっくりしてます」

顔が少し赤いと思ったのは優しさで僕の思い込みだと思ってあげることにした。

キスまでしたのにこんな事で照れちゃうんだ。

「て、てか、先輩のも書いてあげますよ」

「いや、大丈夫、僕ケチャップかけない派だから」

「なんですかそれ、、」

不服だったのかほっぺを少し膨らませ自分のことを軽く睨んだ。

「はいはい、食べるよ」

自分の前に手を合わせて、「いただきます」と呟いた。

それに続けて後輩も「いただきます」と言った。

後輩はスプーンを手に取りオムライスをすくい、口に運んだ。

後輩がひとくち食べて自分は息を飲んだ。

そういえば味見してなかった。

美味しいって言ってくれるといいけど。

「先輩、、、」

美味しいって言ってくれ。

「これ美味しいですね!」

少し心が軽くなった気がする。

自分も口へゆっくり運ぶ。

口に入れた瞬間ケチャップの風味が広がった。

自分で言うものあれだが結構料理の才能あるくね。

自分と後輩は会話をせずに口へせっせと運び一瞬でオムライスを平らげた。

「あーお腹いっぱい」

後輩はお腹を擦りさなが言った。

「それはよかった」

自分の皿と後輩の皿をシンクの中に入れ、もう一回後輩と向かい合うようにして椅子に座った。

「今言ってほしい?」

前に「まず何から聞きたいですか?」と言われた時と同じように意地悪な顔をする。

仕返しが聞いたのか、目を逸らし少し苦笑いしている。

ちなみにまだなんていうかは決まっていない。

やばいね。



先輩が笑顔で「今言ってほしい?」なんて言ってきた。

その意地悪に少し思い当たる節があって思わず目を逸らす。

「じゃあ、今、言ってほしいです」

大丈夫だよね。

表情をバレない程度の手探りで確認する。

まだ完全に崩れてるわけじゃなくてよかった。

私は逸らしていた目の方向を右下から、机の上へ動かす。

心では何度も先輩に目線を戻そうと思ってはいたが体がいうとこを聞かない。

「えっとね、そのすごく嫌だってわけではないの、、、」

そう言われて少し唇を噛む。

歯切れが悪い、ここまで来たらガッツリ振ってくれる方が優しいって。

でも先輩の歯切れが悪い回答のおかげで一つあることに気がついた。

先輩は多分私のことを傷つけたくないからごちゃごちゃ言ってくれてるのかな。

それか少しでも罪悪感を減らすために言ってるかの2択だよね。

まぁでも大体こういう時の人って後者の方だ。

それで後者の方の場合は罪悪感を減らしたいからって大抵のお願いを聞いてくれる。

押せばまだ期間を延ばせる、かも知れない。

私は3日しかないらと理由をつけて全然アピールしてなかった。

だから期間を伸ばせばまだある。

私はこの状況を前向きに考え、さっきとは違い自信があふれるような目で先輩のことを見た。

「先輩、、、じゃあ一つだけお願い聞いてくれませんか?」

先輩は「何?」っと返した。

私はもう自分の勝ちをほんのり確信した。

「先輩!別に私のことが嫌いって訳じゃないんですよね?」

あぁもう今、すっごいニコニコな顔で先輩に話しかけてるんだろうなと思う。

だって先輩はもう察しったのか顔が苦笑いのような顔になっている。

「じゃあ先輩、先輩に期間をあげたように私にも期間をくださいよ」

これをokしてくれるなら私の勝ち。

「、、、わかっ、、た。期間は?」

勝った、勝った!

勝ったよ!マスター!

勝つ事に集中して会話をしてたせいで期間とか考えてなかった。

でもふと、ある日にちが浮かんだ。

「12月25日までがいいです!」

ちょうどきりがいいかなと思ったのでこの日にした。

クリスマスだしね。

「わかった」

それだけ言って先輩は立ち上がって玄関の方に向かったと思えばすぐに戻ってきた。

「はい、あげる」

先輩は私の前にカギを差し出した。

「あげる?」

「今まで貸してたやつ、もうあげる」

先輩はたんたんと続ける。

「毎回玄関に置かせるのもあれでしょ、無くさなければ自由に持ってていいから」

「えっあ、ありがとうございます」

そう言って先輩からカギを受け取る。

「じゃあ自分風呂入ってくるね」

お風呂場の方へ歩いていく先輩を見て、私は椅子に座ったまま「皿洗っておきますねー」と言った。

「よろしくー」

それだけ残して先輩は姿を消した。

私は椅子の上で体育座りの体制になり体を丸める。

カギを強く持って、手を見つめる。

「私、まだ一緒に暮らすって言ってなかったのに、、、」

自然と笑みがこぼれてくる。

そっか、暮らす前提で私のお願いを聞いてくれたんだ。

なんか嬉しいな。

私は体制はそのままで天井を見る。

「どうやってアピールしよっかな」

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