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夢2  作者: 桃花
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無題

背を伸ばし刺しているその姿は凛としすべてのものを拒絶しているようにも見える。ナンの落ち度もなくムカつくからと言って安全地帯で休憩中に相棒である契約獣を殺され同じようにムカつくからといって拘束され自身の荷物すべて取り上げられて勝手に利用されている人間だとは思えない姿である

地べたに座りあるがままに受け入れすべてを拒否しているかの人に檻越しに面談する。

「今回は誠に残念な結果に」頭を下げて喪に服している彼の人に言えば

「あれは私のことを守るって。どんなに攻撃を受けても動かず結界を維持して命が途絶えました。それを魔獣を討伐したと喜んでいるバカどもがいるのは残念です。休憩地なのに魔物がいるというのでしょうか?どう見ても誰かと契約している契約獣であることは一目瞭然であるのに」悲しみと呆れを含む声でそういう彼の人は初めて俺のことを見て

「あなたを守ることができてよかった。死にゆくあの子があなたを助けてと。同じように大切なものを守っているあなたが気になったのでしょう。良かったあの子の願いを叶えることができて」ふんわりと一瞬だけ気配も表情も緩んだが、すぐに無表情に戻り見ているようで見ていない視線に戻った。

「ここにいると周りから何も言われないので喪に服すのにちょうどいいのです。やろうと思えば破って逃げることもできますが、そうしないのも被害者が沈黙していると周りが騒ぎ立てるでしょ?外では大変なことになりつつあるのだろうと感じていますが。このうねりが間違いだらけの一定の人間だけがというこのギルドを潰してくれるならそれでも良いと思いまして

あの子は最後にその牙で一矢報いたのでしょう。さすが私の契約獣ってところです」静かにただ静かにそこに座し状況を静観し人という単位ではなく社会という単位で物事を見ているその姿勢には驚きと恐怖を感じる人間がいるだろう。俺はそうでもないが

喪に服しているという無言の抵抗でやったことを世間に表している。何も悪いことをしていない人間を位掛かりで拘束し自分たちの良いように使おうとしていると示している

なるほど。

頭の良いやり方だ

納得し。一度しっかり感謝を述べたいと思っていたので満足した。

「助かったあのとき手を貸してもらえなければ、主の宝を守ることができなかったんだ。感謝をとそれだけなのだが」

ふんわりと表情は変えずに雰囲気だけで満足しその感謝を受け入れると示す彼の人に暇を告げる。

誰よりも情が厚く怖い人だと思うが、それは自分の主人も同じ。ただ、彼の人は誰かのために生きるのを今回で辞めるだろう。彼の人を裏切ったのは利益に目がくらんだ人間である。

ここで精査し交流を持つだろうが、面倒な人間たちを蹴散らして悠然としていられる人間だけになるだろうな。そう思って檻をでれば

群がる人間たち

彼の人を心配している人もいれば状況を知り拡散し良いように使おうとしている人間。やらかした側の人間でどうなるかと心配している人間など様々であるが。まずは

彼の人と同じような顔つきをした母親らしき人間の下へ

「喪に服していると。誰にも邪魔されずに護衛獣のことを思い出していると言っておりました」それに一言ありがとうございますと答えてその場を去っていく

話を聞けば幼い頃から一緒にダンジョンに挑戦し。その日銭で家族を養っていたのだと。相棒だと背中を任せられるのはあの子だけだと言っていたと。そんな存在が自分を守るために死んだのだ。喪に服して何が悪い

そして自分たちの利益のために殺した人間たちはどうなるだろう。動かずにすべてを動かすことができる一握りの人間なのだろう

現に沈黙をし状況証拠と証言だけで契約獣を使っている人間たちはギルドをやめ一時的にダンジョンを潜らずに様子を見ている。流通も滞るわけでもないが鈍化している。潜る人間が少なく契約獣を使っている人間たちは大体採取。採集に特化している人間たちだ。

鉱物や薬草など生活に必要なものをダンジョンから持ち帰っている彼らの地位を見直されつつある。ただ、魔物を討伐してという俺等のような人間たちは声高に実力を示すことができるが、それがただの暴力とかしたという懸念事項が表面化したものである。

昔のように溢れ人里に被害をということも少なくなっていっている現在。ギルドの運営荷必要な金を回しているのは採取。採集の人間たちである。それか一握りの能力がある人間で護衛などに転向できる者達だけだ

故に使える彼の人をと目をつけたのだろうが。

「よう。どうだった」親に声をかけてからそれ以外は漏らさず歩く俺につきまとう人間が居なくなった頃合いに主人でもあり相棒がいる店にたどり着いた

ソファーに座り泣いていたのか落ち込んでいたのか知らないが膝にすがりついて寝ている弟をなでながらこちらに手を上げて挨拶をしている。相棒の精神面の支えである弟が泣き悲しむので様子をという依頼であったが。ちょうどよかったので応じた

「強い人だよ。なにもない檻に入れられて着の身着のままだったが、それがどうしたと意に介していなかった。寧ろ静かなところで死んだ相棒を喪っていた。できた相棒だったと。俺を助けたのも相棒が望んだだけであるとっていたな」かっこいいなそれは。納得し満足したのか笑いながら酒を飲んでいる

コップをすっと上げ

「彼の人の相棒に」そう酒を捧げ飲み干している。俺も隣のソファーに座り同じように酒を捧げ飲み干す

「相棒としては良い死に方だと思う。守るべきものを守り満足していけただろう」それに少し反応して相棒の膝の上に懐いていた弟が方を揺らす

「6歳くらいから一緒にダンジョンに潜っていたと誰も大人がつかずに小さな魔獣を討伐し食べるために潜っていた言う話も聞くし実際の記録を見れば食べられる魔獣のみ討伐している。現在でも討伐は食べられるウサギやイノシシくらいか」そう言うと

「一貫してんな。食べるためか」

「ああ、採集も薬草を始め自分が使うものを中心に採取しとりすぎたものを調合できる人間に流して調合の対価としてもらっていたらしい。それが評判になり言いものがあったら買い取ると言う方式になったみたいだ。防具を作るために討伐や採取し鉱物もそうだな。ナイフを作るために銅や鉄を。加工して品質の良いものができるならそれの素材を」

「おもしれ」

「夢物語だと言われていた物も自分が欲しいものであったら素材を確保し生成させてできるまで与えていたらしくてな。ほら最近確立されたっていう」魔力を含みつつ防御として使えるローブを示せば

「あれもそうらしい。適応すると思われる魔獣を狩り加工に必要な素材を取ってきて何十回も施策して出来上がったのがあれらしい。更に刺繍で色々とカスタマイズできるって話だ」あー納得している相棒。なぜ、暴挙にでたのかわかるのだろうが

「やり口がだめだな。相棒だろ?幼いときからの。俺にしてみればお前や弟みたいなのがころされたんだろう」平然として言っているが想像したのだろう怒りが溢れ出ている

「許せねーな」

「だからだろう。静かに自分では手を汚さず周りを動かして完膚なきまでに潰しその後も評価としてつけまわるように大々的にやっている」そういえば、カラカラと笑いながら

「これは弔い合戦だな」

「ああ。静かに喪に服しながら自分から大切なものを奪った人間に対する弔い合戦でもあるんだ。参戦するか?」

「いや。俺等はそれでも人のために動いたという人間性を良いものだと示す役割があるだろう?今回のこれで十分だろう。親に言ったのだろう喪に服していると」

「ああ」

「だったらそれ以上はいらねー。契約獣1っ匹のために喪に服し悲しみに濡れ何も食べることも飲むこともできないと示せたら。こりゃ〜盛り上がるだろうな」

確かにと頷くと

弟がなにかできないかと聞いてきたので

「何もしないっていうのが助けになることもあるんだぜ。でてきたら感謝を述べるくらいであとは軽くつなぎをつけておけば良い。思い出をと言って一年くらい放浪するだろうが、そん時に俺等の方に優先的にものをおろしてもらえるように旅たちのためになにか餞別をとなるだろうが」

「すべて取り上げられているらしく。勝手に分配してと。人の防具を着て身を守れるはずもないのにな」

「だな。最低限の防具を見舞いとして出すか」

「助けてもらった感謝を表したといえばいいだろう。あとは簡易の食べ物も」

「だな」そういう俺等にそれで良いのかと聞いている弟に

「それを望まれているのさ。じゃなきゃ相棒は会うことができなかった」そう教えている相棒。相棒の大切である弟を無傷で俺をそのまま公平な中立の病院へ転送したことへの感謝と労りをそれでいいと示したのだからそれに従うものだと。あとは流浪しているときに少々の手助けだけでいいと示されたのが俺等だというのがよくわかっている。

北へいくのだろう

本拠地は北である

こちらには弟が興味を示したものを見るための観光のようなものである。ついでに仕事をしているが、ソレモゆるい程度で重要ではない。

ローブに関しての技能もできる人間も今回で離脱したと聞い引き抜いた。

彼の人が助けた人ならばとかの人のつながりでいい人材が入ってきたのもそういう意味なのだろう。

「さて、俺等も一度戻るぜ。観光客に手を出したという印象をつけないといけないからな。それに新人たちに商品を作ってもらわねーと見舞いの品も渡せないしな」そう言って移動すると伝えれば

それが助けた人のためになるならとぐずっていた弟も納得したように腰を上げ寄り添って部屋に戻っていく。

貸し切りの用になっていた店で

周りの幹部と言われる人間たちに詳しくと言われて話をすることになるのは予想済み。

彼女の両隣に小さな護衛獣が居たこともぼそっと呟けば契約獣を使っている人間たちがホッとしている

「あの人の心の支えがなくなったと聞いていましたが。新しい子が来てくれたならひとまず安心です。北で使えるように鍛えるのでしょう。寒いほうが調子がいいと言っていましたので」そういう新人たちが移動するために準備すると早々に引込。戻んのか。じゃあと土産の餞別をしている幹部たちと酒を軽く飲み交わし夜がふける

これが望まれた行動で

未だにこちらの安全を考慮しているのだろう。檻の中に押し込められていても外の状況がわかるということはそれだけの手札や読み取る能力があることを示す

良い使い手とつながりを持ったものだと自己満足する

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