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夢2  作者: 桃花
31/33

無題

血の繋がった他人が何のようだろう。面倒くさいなーと思っていても施設職員のシスターが一度だけでもと進めてくるので合うことにした。

今住んでいるのは施設でありここは施設の面会室だ。大げさな理由は無い。私を産んだ人が父とワン・ナイトして勝手に渡しを出産して死んだだけ

顔が良かったしいい男だったから種馬に良かったと元気なときに母が話してくれた。

4歳のときに母が死亡し施設に保護されたときに父の知り合いがいたらしく。父に私のことを伝えたらしい。他人の空似にしてはということで遺伝子鑑定をして親子だと判明した

その時には父はパートナーと新婚だったし私も血の繋がった知らない人に引き取られたくない。系列にある乳児院に居る子供を引き取ったらいかが?とおすすめしたくらいには拒否をしてみた

面倒くさい感じになりそうだと勘に従っただけの話

そんな血の繋がった他人が何を思ったか高校から大学卒業までの学費を出すから面会してくださいと持ちかけてきたのが今年の春のこと

施設では高校までは卒業させてくれる様になっていたし大学専門学校に進学したい場合は施設の奨学金と民間の奨学金をダブルで借りてなおかつバイトしたら行ける感じになっていたから別に無くても良かったし

高校は施設の系列学校に進学する予定だったので別にいらないからなと判断してお断りをした

平穏無事に過ごしたいので面倒事に巻き込まないでくださいとコメントを添えて

断られても何度もしつこく行ってくるので、施設職員が音を上げたという話だろう。確かに6ヶ月毎週申し出られたら嫌になるだろうなーと窓口になってくれたシスターに思いを馳せる

シスターがノックして明けてくれた面談室には既に男性が二人座っている。何か有っては困るのでということで施設の弁護士が立会のもとの面会で時間制限は30分である

昔色々と有ったらしい。家族水入らずでと言って面会させたら罵られたとか暴力を振るわれたとかそいうのが

で、今では家族でも面会は弁護士がつく。

ヤバい人だと護衛として警備の人がつく

今回はさほどヤバそうではないと判断してらしいが。筋肉質なのだろうパートナーさんと青白い顔をしている血縁関係がある男性。ひょろい感じが遺伝子を感じるが、ただそれだけである

シスターにペコっと頭を下げてから向き合い対面の席に座る。果さて何のようでしょうか?ふんわりと微笑みながら無言で問いかける

その顔を見て更に表情を強張らせて居るのが見えるが、だったら来るなやと思うのは私だけだろうか?少々面倒くさいのですが?という表情をしつつ弁護士さんを見つめると

あ~という顔をした後に血縁上の父とそのパートナーさんを紹介してくれたので、目礼をしておく

それを皮切りにパートナーさんが血縁関係の父の名前を呼び話をするように促すとややあって緊張していますというふうにしつつ口を開く

「君が俺の子供だというのは鑑定ではっきりしているのはわかっている。でも」その言葉に頷き

「理解が追いつかないというのはわかっています。母も子供がほしかっただけで父親になってほしいわけではないと幼い頃に聞きました」そういうとそうなんだと小さな声で呟くのに頷き肯定してから

「故に親としての責務とかそういうのはいらないので。学費でしたか。お申し出はありがたいですが、私は今後とも貴方様たちとは関わるつもりはございませんので。そういう気遣い?は必要ないかと。それより引き取った子供の方を大切に育ててくだされば良いのでは?」首を横にかしげてから言うと何らかの葛藤があるような顔をしているはてさて何が気に入らないのでしょうか?

「君はそれで良いのかい?」そう聞いてきたのはパートナーさんである

「無論ですが?血の繋がりがあろうとも一緒に暮らしたこともない人間を父とも呼ぶ気も無いですし。施設にいる子どもたちは全員兄弟といえば兄妹です。まあ、その中で相性がありますが、それでもです。ろくに会話をしたことがない血縁上の人間よりも心理的に近いですから」ふんわりと微笑んで言えば、だがと納得の行かない顔をしている

シランガナ

「むしろ何故に私に固執するのかとは思います。母がなくなりこちらの施設に引き取られるまで私の存在など知りもしなかったでしょ?ここ最近になって接触するようになったようですが。それ以前は興味も関心も抱かなかったでしょうに」意味わからないですね〜とバッサリ切り捨てるスタイルのワタシに弁護士さんが苦笑している

アワアワという雰囲気になっている血縁上の父親が覚悟を決めるような顔をして

「君に興味が無いわけでも関心が無いわけでもないんだ。ただ、一緒に暮らしたいとかそういう気持ちにならなかっただけで」一言いってからこちらを見て

「でも。親子だろう?ちゃんと親子らしい事したほうが良いんじゃないかと思い始めて。一緒に暮らしている娘も気になるならと言われてさ」くしゃくしゃっと人が良さそうな笑顔を向けてくる

なるほど人の良さそうないい男というのはこういう事か母よ。と故人に語りかけるくらいには人を惹きつけるような顔と雰囲気をしているが。残念

そのくらいの人誑しは同じ施設の友人でなれているので、雰囲気で是というわけではない

「そないですか」頷き了承したかに見せかけてから

「そちらの言い分は理解しましたが。お断りします。私には私の道がありますし。私の家族は死んだ母と施設に居る兄妹たちです。進路も成績がまあ、良い方なので系列の高校に進学できるだろうと太鼓判を押されていますし。卒業したら働くつもりでいますので。そちらにご迷惑をかけるつもりもありませんし。高校卒業したら後見人をつけてもらうので保証人などが必要になったとしても貴方方にご迷惑をおかけすることはございません」バッサリ切り捨てて時計を見ると20分ほど過ぎている

言いたいことは伝えたし

いい頃合いだろうと席を立つ

驚く二人に軽く頭を下げてから弁護士さんにも同席してもらったことに感謝してから退室するために背を向けると

「待って。まだ話が」

呼び止められるため半身振り向き

「私にはございません」ニッコリと微笑んで退出する

 部屋に戻るために廊下を歩いていると同室者である葵がこちらを見つめてくるので手を上げる

それを見て近づいてきてどうだったと聞いてくるので

「よくわからん。家族だから一緒にいたいって言われたが」首を傾げると

「確かに。家族だけど一緒にいて幸せだとは限らないもんな」同意してくれるのは、葵が一度引き取られて舞い戻ってきたからだ。引き取った血縁上の父親が結婚することとなってじゃまになったとか言う理由でネグレクトされたそうで。

学校が近く図書館で会って遊んでいた私が気がついてシスターに報告。報告を受けたシスターが施設の相談員を派遣して再度保護された

父親は一緒に暮らせないが金だけは出すと行ってきたので、生活費から何から出すからそっちにいてほしいと言うことらしい

四六時中嫉妬にさらされるよりはこっちのほうが息がしやすいらしい。

そういうのを知っているので正直家族だからといって幸せになるというのはちょっと理解できない

お互いに幸せになりたいと思って話し合いして協力して妥協してそれでも一緒にいたいと思える関係が幸せなんだろうと思う。

施設に居ると色々と見えてくるから余計そう思うのだろう

私は血縁上の父と一緒に住んで色々と話し合い協力して妥協するっていう努力をするのはちょっとしたくないのでお断りした

「ま、お前は人見知りだからな」クシャッと笑う葵を見る。軽く笑い楽しげに振る舞い人にそっと寄り添う彼女は結構な人たらしである

父親も似た雰囲気があるからな。好きな人は似るというなら私は母にだなと思いながら

フフと笑って一緒に歩く

私が左耳が聞こえず低い音が聞こえないのを知っているからできるだけ右側に経ってくれて聞こえな安いように話しかけてくれる。無意識でやってくれるのがとっても愛されている

血の繋がりが無くてもちゃんと愛してくれる人がいる。とても幸せである。

 その後も申し出がありシスターたちがちょっと嫌気が差している感じがするので、バッサリ切り捨てようと思って面談を受け入れることとした

私からの面談が申し込まれたと言うことで嬉しそうな父親となにか一波乱あるという顔をしているパートナーさん。フフその勘の良さ

素敵だと思います。

前回と同様に既に着席している両名に目礼し弁護士さんにも立会を感謝してから微笑みを深めながら一言

「家族だから一緒に暮らしたい。それがだめなら月一回の面談をしたいですか。まあ、いきなり一緒に暮らそうと言わなかったことだけは良き判断をしたと思いますが」フフ楽しいなとにこにこ顔をしている私にだろう?みたいな顔をしている父に

「金をちらつかせて来るのがちょっと。施設だから金ねえよな。だったら金やるからこっちの言い分聞きやがれ。そう取られるとは思わないのでしょうか」にこやかに毒を吐く

えっと言う顔をしているので

「別に君等から金を施してもらわなくても大丈夫」そう言い切ると

そんなつもりでは。

じゃあどんなつもりなのかしら?と首をかしげながら

「そもそも私は貴方方を家族だとは思っていないと前回お伝えしましたよね」こっちの言い分聞いている?自分の言い分だけ押し付けてこないでほしいと静かに伝える

とても驚いた顔をしている血縁上の父親と嫌な予感がしていたんだよという顔をしているパートナー

フフと笑いながら

「家族って何でしょうかね?血の繋がりだけではないと思います。思いが重なって一緒になってなる家族もあるでしょうし。どんな気持ちがあろうとその人の幸せを願う。どんなに遠くにいてもその人が幸せでありますようにと思うのも家族ですよね。側にいて一緒に暮らして泣き笑いして絆を深めるのも家族だろうし。離れていてもその人のことを思って過ごし会えたときにはたくさんのありがとうと会いしているを伝えれるのも家族だと思います」そう言いつつ思い浮かべるのは無くなった母といつも見守ってくれるシスターや葵。それに施設の兄弟たち

「血が繋がっていても殺したいほど憎んでいる人もいれば、暴力を振るう人も居る。存在を無視する人もいれば、苦しめと思っている人も居る。そんなのは家族ではないと思いますよ。」虐待されて施設に入っている子どもたちを多く見ているのでそういう私にすっと表情を固くさせる両名

「私は貴方方に興味も関心も無いですので。知ってますか?愛の反対は無関心なんですよ。だから私は貴方方を愛してはいない。今回だってシスターたちが困ってい宝ですし。」フフと笑ってから再び口を開く

「私を構成するのは亡き母と今まで育ててくれたシスターと一緒に暮らしてくれている施設にいる兄弟たちだけですね」ご理解いただけますか?

終始微笑みを浮かべながら話す私に表情が固く顔色も悪い二人がこちらを見ている

拒絶されるとは思っても見なかったのしから?なんでだろう

自分の言うことはすべて思い通りになるとでも思っているのかしら?と思いつつ

「ご理解いただけたのなら嬉しいんですが」ちらりと立会人の弁護士を見ると

ははは怖えなと言う顔をしている

伝えたいことはそれだけです。さて、そちらは?と視線で問えば

「理解した。君が我々と家族にならないということは」そういうので頷いてから

「そうそう。養子縁組した娘さん。大切にしてくださいね」ふんわりと笑いながら伝えるとぎょっとした顔をしている二人に

「ネグレクトとか自信喪失するような声がけをしているとかちらほら聞こえてくるんですよ。あまりにひどい様子ならこっちから介入させていただきますよ」

子供は愛のスパイスでもおもちゃでも無いのでそう言って立ち上がり

何を言っているんだ。ちょっとと。いう声を無視して部屋を出る

あの様子だと同性婚している両親の子供ということでからかいがイジメに発展しつつあるって把握していないのかしら?色んなところから聞こえてくる話を何だけど

こちらに掛かりっきりになって手元にあるのを大切にしていないとかちょっと

断って正解だったわと思いつつ廊下を歩いていく

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