無題-
畑の周りのは1キロくらい害獣が嫌う草木を茂らせ。2キロくらい先には害獣が好んで食べる草木を茂らせておく
そういうふうにすれば、害獣が畑まででてこない
無論、すべてが防げるわけでもないが。確率が低くなる。ヤギを使って草むしりをさせつつ糞が肥料となり畑が豊かになる。落ち葉を集め発酵させて肥料とする。
そういう本をどこかで読んだ気がした
ので、ダメ元で自分が開拓したところに試しに行っていく。この草やこの木は香りや棘があって動物が寄ってこないというのを聞いては植えていき
この木やこの草は実がなり動物たちが好んで食べると言うのを苗を育てて植えていく
開拓地。
原野で木々が生い茂り人が住むのが難しいような土地に来て生活するのだから。ダメ元で色々と試したほうが良い。
一緒に入植した人々と協力して木を切り家を立て行く。掘っ立て小屋であるが、雨風をしのげれば問題ない。
あとは木を切り木の根をどけて畑としていく。畑予定地の2キロ先から程々に木を切り動物が食べる草木を植えていき1キロ先には動物が嫌う草木を植えていく。
植えただけだと自然淘汰されてしまうので下草を刈ったりと手を掛けてる。畑の周りや手入れしているところにヤギを連れていき草刈りをさせつつ糞を肥料としたり。落ち葉を拾ってきては布を被せて発酵させ肥料を作ったり色々とやっている私を開拓団の人々は、食べるものを植えないで馬鹿だとか狂っているとか言われているが。
端から見たらヤギを飼って食べるわけでもなく連れ回してよくわからない草を畑の周りに植え。畑から離れたところに実のなる木や草を植え
落ち葉を集めてきたと思ったら布を被せてなにかやっている。
気が狂っている。何を考えているのかわからないので気味が悪いそう思われるだろう。
よく分かる
まあ、気にせずに淡々と植えていくが
一応、開拓団の偉い人には実のなる木を植えて自分たちも食べれるようにしているが、本来の目的は動物が畑の作物を食べないようするためである
畑の周りの草は虫よけとか動物よけで植えている。ヤギは草刈りと糞が畑に混ぜ込めば肥料になることと集めてきた落ち葉も同様に時間が経てば肥料になることは伝えている
ま、実験的なもんで気が狂っているわけじゃないとは伝えているが。うまく周知されていない
淡々と1年。2年と過ぎて3年目になるとある程度の効果が見え始めてくる。私の畑だけ心持ち虫がつかず動物の食害が少ない。
ヤギがいれば草刈りの手間が省けることと山羊乳をチーズに加工できること。頭数を増やしたことで村の赤ん坊でミルクが足りない子に飲ませられること。
草を育てている畑は薬になる草だったこと。
ヤギの糞を畑に混ぜ込んでいると実がつきやすいことや落ち葉を拾ってきて布を被せていたものが肥やしになっていること
畑が近い人たちには草を植えていることで虫がつきにくくなるということを聞かれれば答えていたので、2年目くらいからは同じように2キロ先には実のなる草木をうえ。1キロ先からは動物が嫌う草木を植える人が増えていった
無論ヤギも同じように購入する人がいたため冬のヤギ餌ようの畑を作ったり循環型農法として野菜を植える場所3に休ませている場所1といった方式を取っているところもある
多少なりとも他の開拓団より良い結果が出ているとリーダー格が喜んでいた
元々子沢山貧乏で成人と言われる16歳になったら独り立ちしなければならないのはわかりきっていたのだから。親元にいる間に知識を得つつ日雇いの仕事をしてお金を稼いでいた。
人と交流するのが苦手でうまく人間関係を形成出来ずにいて。何を考えているのかわからないと仲間外れにされることが多かったしバカにされることが多かったので、それだったらと開拓地へ
そう考えた
開拓は5年間は国から支援が得られる
その間に生活の場を整え生計を立てる
自分ができることと言ったら傷薬や腹痛・風邪薬といったちょっとした薬草を作ることと野菜を作ること。それと罠で小動物を捕まえることくらい
しか出来ないが。自分一人で生活していく程度は確保できるだろう
どうせ開拓地。開墾した場所は自分のものとなる。国の支援で商人が来るのは5年まで。それまでに次も来たいと思わせる何かを作っていかなければならないなら原野でも育つが美味しい実がなり運送に適した果物や野菜。
冬、雪花が降る間に何か手作業で作るのもありかとヤギの毛を糸として加工しなにか作ることにした。飼育しているヤギは毛の長い種類であるため毛糸として加工すればなにかできるだろうと漠然と思っていた。雨がふり野良仕事が出来ないときに糸を織り布を作るのも有りだなと淡々と作った布を秋口に試作品としてレース編みを施したハンカチとして商人に売却した
レース編みは手作業をということで開拓団の手先の器用な婦人にやり方を教えたら気がついたら自分よりも上達していた
背の高い男が女性陣に囲まれてちまちま何かを作っていると最初は訝しげられたが、女性陣がレースのリボンやレース生地などを編み始めてそれが俺が教えたものだと聞いたときの男性陣の微妙な顔がすべてを物語っているが
秋口に試作品として出された多量のレース作品やハンカチなどを見た商人が市場次第だが、売れるとして春先にまとめて買い取るからどのくらい作れるか?どの糸が必要なのかと聞いてきたので、冬の臨時収入としてのつかみは良かったのだと思う。
野菜の売上や冬場の手作業の売上で春にヤギの追加や必要な加工用の工具などを揃えたり。生活必需品の購入に約だったりと色々と喜ばれていたのでいい仕事をしたと思う
最初は訝しげられていたが、5年目になれば開拓しはじめの時から一緒に居る村人たちとは仲良く交流できるようになったし畑周りに草をうえたり村から離れたところに木を植えるのは当たり前にやるようになってきている
他の村よりも虫の被害や獣の被害が少ないのも皆理解できているので、無闇矢鱈と気を切るわけでもなく今後自分たちの生活のために必要だと下草を刈ったり手入れをしたりして環境を維持していくのも文句はでない
途中から追加で参入する人間たちにもわかりやすく説明してくれる人間が間に入り軋轢を産まないよにしてくれているので、コミュニティとしても口下手な自分としてもありがたいと思っている
時々突っかかってくる人間も居るが
周りの人が引いている自分を見て間に入ってくれたりして居るので、とてもありがたい
というか。なんでなんでと聞かれても困るし。そもそも最初に説明されているよね?という感じだったりする。
いきなり突撃してくんなやという感じでもある。フレンドリーといえば良いのか。厚かましいといえば良いのかわからないが。自分としては突然話しかけられると驚くので止めてくださいである
なれている人たちは苦笑しつつ間に入ってくれるのでありがたいことである
集団で作業するときは参加するが基本的に一人で作業できるなら一人でやっている。チラチラと小さなお子様が遊びに来たり近くに住んでいる村人が顔を出したりするが
今朝も雨が降っていたので、寒くないように薄っすら暖房となる魔道具をつけヤギの毛糸を染めることとした。近所の人間にはちょっと着色するからと話していたので、興味があると数人が参加したが、各自自分の糸を用意しての参加である。文句は言わない
商人から染に関しての本を購入して学んで素材を集めたり植えたりして準備していた。話を聞いて同じく本を買うものもいてお互いに試しをへて素材の品質を確認していい色になるように試行錯誤して今である。
お互いにワクワクである
最初に寝起きしていた建物が集落の集会所になって居るので、そこで着色している。お互いに協力し合って理想の色を出すように努力する。
自分は青を出したいので青色の素材になる木の実を潰して煮出しているし。赤色や黄色を出したい人は草木を煮出している。
きれいな色になるように定着剤のようなものも必要な人も。手順を書き記し商品として出すときにムラがないように覚書を作る人もいる
全員が全員無言であるが、真剣に仕事をしている。そこに騒がしい人間が入り込む余裕は無い
ちょっと騒がしいなと思うことも有ったが、素材を煮込みつつ皮や種を濾すことに集中していたのでそのうち気にならなくなった。
黙々と煮出した着色料に糸をくぐらせてムラがないように糸を満遍なく色付けすることだけを考えて体を動かして半日。
いい感じに染まったと思ったところで着色料から上げ水洗いをしたら思った以上に薄かったので、もう一度と何度か繰り返したのちに思い描いた青になったので納得して陰干しをする
翌日には色鮮やかな赤や黄色。青の糸が出来上がり覚書も出来たので、商品化できるかどうか試すと村の幹部が言っていたので今後はそちらが手動でやってくれるだろうとお互いにお互いの色を褒め称えながら帰宅する
隣人がそれどうするんだ?と聞いてきたのでハンカチにして細かな刺繍とレースを縫い付けて遊ぶというと
出来たら見せてくれと笑っていたが、隣人も鮮やかな赤の糸で子供のマフラーを作ると言っていたので、自分も出来たら見せてくれと伝えておく
畑も半ば終わり冬支度をしつつ暇さえあれば作ったハンカチに刺繍をしたりレースを縫い付けて行く。まあ、気ままに作っているので文句は言われないが、きれいな青色のハンカチ単体を行商に来た商人に売却してきれいなビーズを購入してハンカチの端切れにレースとビーズをつけて髪飾りのようにしたものを作ってみた。
中々うまく行ったと満足して似たようなものをパターンを変えて数個作って今年最後の行商に来た商人に売りつけて見た
春が楽しみだと笑っておいたが。どのくらい売れるだろうか?
レース編みの糸とビーズを冬の手作業用の素材として多めに購入して居るとキラキラしたというかギラギラした視線を女性陣に向けられたので、今年も集会場に缶詰になりそうだと少々億劫になる




