無題
以前は荒野といわれていたところだが、私がこちらに住むと決まった15年前から手入れをして人が生きていくように手入れをされた。現在は家の前の畑と側面の薬草畑とプライベート用の花畑がある。森を手入れするようになってからは後ろにある森はほどほどに森の恵みを分けてくれるしいい猟場として機能している。
もともとは先祖がここに住んでいる精霊と契約して薬草を調合したり育てたりする能力をもらい。それが子孫に受け継がれていった一族であるために。精霊との契約で血の恋一族の誰かが精霊が住んでいる場所にいなければならないとされている。昔は、幽閉地だなんだといわれていたが
本来この地で死ぬまで暮らしていくはずだった母は、いやだといって一族よりも高位の存在が守るところに逃げ出し子をなした。精霊も縦社会であったらしく自分がどうにもできないところに逃げ出した母に子供をよこせといって契約を変更した
で、跡取りもスペアもできたからと受け渡されたのが私である
お世話になる一族の人だと引き渡されたときにはすでに一族の跡取りは決められていてちょっと困惑している一族の方々に
「あまり出来のいい方ではないといわれていますので、統括される方がすでに決まっているのはよろしいと思います。お世話になるといわれましても一生生活費などを出してもらうのもあれなので最低限度生活一人で生活できるように日常のあれやこれやと知識を頂きたいなと思います。そもそも契約だからといってすでに跡取りが決まっているところに跡取り候補としてといって押し付けるとか。ちょっとどうなんでしょうかというのが感想です」心内を漏らせばほっとしている人たち。母に似ているような感じがする初老の人たちもいるので血族なんだろうが。両親にも両親だという認識はあれども愛情など持ち合わせていないので寂しいというのはないし。平穏無事に生活できたらそれでいいと思っているので、波風立てたくないというのが実情である
私の意をくんでということで一族で教える立場の人のところで、薬草の育て方や調合の仕方などを教わりつつ生活のあれこれを教わりつつ10年
14歳で一応独り立ちをするということで、傷薬などを生成できるようになったし商品としての品質も悪くないものを作り上げることができるようになった。年に半分は荒野で生活するようにすでになっていたので、その間に人が住むために適切な環境として土地の改良などをしていった。
家は一族で一応立ててくれたものがあるので、それを補修しながら生活をしている。
特に困ったとこともないし。独り立ちするということで世間になれるためにと12歳くらいから一族の人が付き添いつつであるが、薬師として旅をしたりして商人とのパイプも作った
驚いたことにこの世界では同性と結婚することは可能である
家同士のつながりが必要な政略結婚とかでも同性同士の結婚ができる。ちなみに元家族の跡取りも同性と婚約している。すでに居もしない人間にいじめられたとか言って虚言癖があるとかないとか。そういううわさをこちらの跡取りから聞いた時は驚いた。こちらの跡取りは医者の子供であるが、親が流行病の治療をしてなくなった人で。頭の回転もいいし得た知識を活用して政治的な動きもできるとして跡取りとして引き取られた人である。ちょっと言い方がとげとげしいがちゃんとしたお医者様である。
そちらの関係で知り合ったのが、兄弟だが色々とあり同性で結婚している人たちだ。どちらも魅力的な人たちで夫の方はカリスマがあり。一代で大きな一門を立ち上げた人である
弟の嫁の方も優しい人で。人の痛みに寄り添うことができる人である
兄の方は弟がふらふらと他人を心配するのが気に入らないと親しい人以外には交流を持たせず。慰問なども親しい人を固めていかせているという有様であった。偶然、跡取りさんに会いに来た弟さんの方と知り合い。荒野を開墾していると話したら興味を持たれて時々話をするようになり
血族で結婚を繰り返していると聞いて血が近すぎると虚弱賞などや疾患を持ってい居たり逆にメンタルにという人が出ることがあるが大丈夫なのか?と聞いたことがあった。
なんでも守護してくれている精霊がそこら辺のことをカバーしてくれているらしく普通に生活していく上では問題ないとのことである。すげーな精霊。とは軽く思った
で、世間話を年に数回する程度の仲で兄の方も特に害はないと許可し見守りの体制であったのだが、彼らと色々と話しているうちにうちの精霊さんが何かをひらめき私に特殊ではないがちょっと育てるのが難しい薬草を育てさせて
特殊ではないがちょっと面倒な手順を踏んで調合させた結果。
「性転換薬ができました」ドドンとわが一門の跡取りに定期報告をしたときに説明したら。深いため息をもらいましたので
「なんか精霊さんがピンと来て。ちょっとそれ育てなよ。ってな感じで材料を育てさせられて。ちょっと調合してみなよってな感じで調合させられました。ちなみに安定した品質で安全な薬になるようにここ最近はこの調合と商品の調合以外はさせてもらえてません」そういうと
「それは。ご苦労だった」ちらっと見る薬瓶の中の水薬を見て
「条件的には性別関係なくその人のことを愛していると神に誓ったパートナーで。薬を飲む前に下地を作るための薬を半年ほど飲んでもらってからの処方となります。女性が男性に。男性が女性になりますので下地を作っている間には不調が起こりやすいですが。そこらへんは愛のパワーでどうにかしてもらって」という説明をすると
「治験したのか?」と聞かれたので
「平民のカップルでどうしても跡取りを産みたいという人100組くらいですね。半年の下地作りで体調が変化したりメンタルが変動していても愛しているからと気晴らしに出かけたり好みが変わってもそれに合わせて喜んでもらえるようにお互いにお互いを尊重し合い愛し合ったカップル60組が無事に性転換しております。話を聞きつけて低級の貴族様にも依頼がありましたので。非合法のものなのでまずは一族に許可をもらってからと押しとどめています。」そういえば眉間にしわが寄り谷になっているような顔になっているが
深く深くため息をついてから
「こちらの者たちにも精製できるようになったら低級の人間にも開放していく。で、協会から認可を受けたら上級の貴族たちからも要望があり次第だ」と眉間をもみつつ認証してくれたのでレシピを置いていく
精霊様は私と一緒に住んでいるが手下の要請さんたちは一族のものには必ず一人ついているので。トップからの許可が下りたのだから情報をインストールするだろう。
前段階としての性別関係なくその人だから愛している。という条件をクリアするのはななか難しく教会から認可を受けるのも難しいが。平民はその認可を受けて夫婦となっているので、簡単に?成功したともいえるが。貴族はどうなんだろうと思って帰り道、首をかしげる
当然のように弟大好き俺様野郎も話を聞いて訪問してきたが
「弟さんが了承しないと難しいです。それに私ここから出るつもりありませんので」そういえばちょっと困ったように
「まあ。弟は了承を得るが。こんなところがいいのか?」と最近はなかなか住みやすくなっている元荒野を見て聞いてくるので
「必要以上に人がいないのがいいんですよ」にっこりと微笑むとそうかと引き気味にうなずかれた
本来は一人で済むはずだった荒野も。ある程度整えられると淡々と実験だけしたいとか論文だけ読んで過ごしたいという一族の変人たちが移り住んできた。で、そいつらの世話をする使用人も移り住んできて閑散としているがちょっとした村のような体裁をとりつつある
精霊さんも穏やかに見守ってくれているので、許容範疇らしい。
で、パン屋とか八百屋とか肉屋とか雑貨屋とか生活をしていくための最低限度のものは近くの村にあるので、ちょっと足りない日用品を買いに5キロ先の村へとかそんな感じで辺鄙な村は動いている。若い人はいない無論だ。偏屈爺さんとか言われている人たちが好き勝手に生活しているので
わたしがその筆頭であるが
「でもな。お前が作った方が安心してあいつは飲んでくれるんだが」そんなことを言うので
「半年くらい弟君に付き添って生活しないといけませんし。今は無理なんじゃないですか?仕事をかたずけて弟君に付き添えるようになったらうちの跡取り様も生成できるようになると思いますので。そちらにご用命を」そういうと残念そうにしながらも
「仕方がねえな」と帰っていった。ちなみに弟君はうちの庭で私が飼育している猟犬に遊んでもらっている。よきかなよきかな。追っかけっこやフリスビーなどに付き合ってもらっている間の商談である
窓の外では楽し気に遊んでいる弟君の腰を抱きキスをして遊びは中断するように物申している兄がいる。溺愛しすぎて吐き気がするほどである
そんなこともあり半年後ぐらいには一族の一定の水準の腕を持つ人間は性転換薬を作ることができるようになり。それを教会が認可している同性結婚をしている人たちが希望したときのみ処方するという形で売りに出された。
普通に平民にはバカ受けして購入も予約待ちだとか。政略結婚でというのが大半な貴族たちはさほど売れ行きはないが。それでも一部ではいらっしゃるまれな方々が夫婦で訪れて半年間の試練の時を過ぎて幸せそうにかえっていことが多いと聞く。
普通に政略で結婚した人たちはお互いに愛人を作って、個人財産から養育費を出して生育しているらしい。そういうお金がない人たちは一族の中から養子をとってという風にスタンダードな感じで一族を保っているらしい。普通に考えて私が元の家族のものとにいたならば母体として飼殺されていた可能性の方が高いし。
虚言癖があるといわれている跡取りの婚約者に苛め抜かれて精神的にもやべーことになっていそうである。一族に離脱してよかったよかった。自画自賛する
私がヒロインなのにという奇声を上げる人が出てくるとか。無事に弟が妹になり妻として子供を産んだのを間違いだといわれて切れる兄が出てくるとか
お前がバグかといわれて暗殺仕掛けられて猟犬たちが襲い掛かり嬉々として殺してしまうところを見るとか考えてもみなかったが
この時は知りもしないで薬草の出来を喜び収穫していた




