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田舎令嬢の婚約騒動

作者: 高丘楓

 「あー逃げたい。ねぇ、サクッと私を攫ってちょうだい、ケンヤ」

「いや、ちょっと何言ってるかわからないっス、お嬢様」


 王立学園の春休み。田舎の実家に帰っていたはずの私は、一人の護衛騎士の少年と、一人のメイドを連れて、田舎から馬車で三日ほどかかる場所にあるアスタンテ侯爵様が治める街に来て、やさぐれていた。


 だって仕方ないじゃない。

 王国の辺境にある田舎も田舎、領地という名の村のすぐ横は魔物が跋扈する魔の森に面しているド田舎の場末男爵家の令嬢が、何をどう間違ったら王に仕える近衛騎士を輩出するハーヴィー伯爵家のご令息と婚約しなければならないのか。一応婚約の為の顔合わせ兼意思確認みたいなものだと説明は受けてはいるけれど。


 私こと、ステラ・デファンスの実家はデファンス男爵家。

 貴族とはいうが貧乏で、平民と生活の質自体はさほど変わらず、領民達と共に野良仕事したりすることも魔物退治をすることだってあるくらいには、貴族らしくない貴族なのだ。

 貧乏なのは単純に、農地にできる面積が狭いというのと、たまにいる魔の森に捨てられた子達を男爵家のお金で保護していたりするから。


 私はそんな男爵家の長女として生まれたが、上には二人のお兄様がいたし、別に家督を継がなければならないとかそういうことも一切ない。

 王侯貴族の子弟達が必ず通わなければならない学園を卒業したら、また領地に戻って地元の誰かと結婚してのんびりと生活するんだろうくらいの未来が約束されていた。


 ――――はずだった。


 大体、田舎から出てくるにあたって、意識して身だしなみを整えているとはいえ、都会の貴族達と比べると全然飾り気もなく女らしくもない私が選ばれると思う?普通。

 こんな簡単な手入れだけで『私、自分のことめっちゃ綺麗だと思うんですよー』とか言っちゃった日には、自意識過剰のヤバい奴でしかないし。


 一応これでも、お母様譲りの落ち着いたアッシュゴールドの髪の毛は綺麗だと思うし誇れるとは思ってるけど、綺麗に結ったことなんて、16年生きてきて指折る程度しかない。

 普段は作業とかの邪魔になるから軽くまとめているだけだ。


 「大体なぁ、俺だってお嬢様の護衛騎士なんていう大層な名前の役職に就いてるけど、村の魔物討伐隊に入ってるだけの一兵卒だぜ?なんでお嬢様の親父さんは今回のことで俺なんかを護衛騎士にしたんっスか?てか、今更護衛騎士って」

仲人となる男爵家の寄親である侯爵様の邸宅にある一室で、ソファーに腰を掛けている私の横に立っている、日に焼けた肌と短く刈られた赤髪が健康的に見える男子、ケンヤがブツブツと苦情を私に言ってくる。

 一緒に領地から来ている年上のお姉さんのメイド、ウィロウはそんな私たちのやり取りを笑顔で聞き流している。


 「だって、貴族令嬢なのに侯爵様の街に来るのに護衛がいないというのもおかしいから、最低限の体面だけは繕いたかったのよ、お父様も。あと、ケンヤは私と同い年だし、戦闘の腕は確かなんだから。いいじゃない。昔からのよしみでさぁ」

「まぁ俺は給料もらってるし、別にいいっスけど……。でも、お嬢様を攫うなんて、間違ってもできないっスからね?そんなことしたら、あんな田舎の貴族相手でもきっと俺は重罪人になっちまうし、村に残してきた妹も心配だしな」

「田舎とかひどくない?まぁ田舎だけどさぁ」


 ケンヤは魔の森に妹と二人で捨てられていたところを、たまたま魔物討伐で森に入っていた一番上のお兄様が指揮を執る討伐隊が見つけて保護をしたという経緯はある。

 他所の領で起きていた飢饉の口減らしの結果だったみたいだけど。


 ただ驚いたことは、ケンヤは数か月魔の森で、過去の討伐隊が捨てていった剣とかを使って魔物を狩り、生き延びていたことだ。当時九歳だった少年が四歳の妹を守りながら成せることではない。

 きっと、女神様に守られていたのだろう。


 この世界の女神ハイドラシア様を祀るハイドラシア教の教えでは、万物が持つ魔力や特殊な才能は全て、女神様からの贈り物とされているし。


 「まぁまぁ大丈夫!!お父様やお兄様達には、ケンヤが罪を犯しても、マモリちゃんのことはちゃんと守ってあげるように伝えるから!」

「イヤっス。お嬢様、潔く伯爵家の次男さんと婚約して、さっさと嫁いで下さい。俺の平和のために」

 この護衛騎士、昔馴染みで幼馴染みに近い付き合いとはいえ、護衛対象の私を守る意思の欠片も見せないわね。



 「うぅ……。私なんて、畑を耕す速度とか、木を切り倒す速度くらいしか取り柄が無いのになんで…………」

「騎士の家系には力持ちの遺伝子も必要なんじゃないっスか?」

「まぁその可能性もあるけど、それなら他の騎士を輩出している貴族の家の令嬢と結婚するとかでもいいんじゃない?」

「……親父さんが押しに弱いから、ごり押しすれば手っ取り早く婚約できるとでも思ったとか?」

「お父様、確かに腰が低い人だし、その可能性は捨てきれないわね。だからって淑女教育みたいなものもほとんど受けていない私を王都の貴族に嫁がせようとする!?おかしくない!?」

「おかしいっちゃあおかしいっスけど、お嬢様が安全なところで安心して生活できるっていうのを考えたりしたんじゃないっスか?親心として。俺だって、マモリが安全に生活できるって思ったら、そっちを選ぶだろうし」


 お父様の親心かぁ。

 私はただ、お父様やお兄様達の手助けをしながら、のどかなあの領地でゆっくり生活できればいいだけなのに。

 そんなことを考えていると、部屋を三回ノックする音が聞こえた。


 「とりあえず、敵陣に乗り込みますよ、お嬢様。男爵家の寄親のアスタンテ侯爵様もお見えになられたみたいですし、粗相の無いようにしてください」

「頑張ってね、ステラちゃん。私も応援してるから」

「はいはい。慣れない敬語でお疲れ様、ケンヤ。ウィロウもありがとう。では、参りましょう!」


 私はソファーから立ち上がり、最後に身だしなみの確認をウィロウにしてもらってから、二人を連れて部屋を出た。


 案内された部屋には、眼鏡の奥に鷹の目のように鋭い光を持つ瞳を持つ、ロマンスグレーの高年の男性、昔から男爵家がお世話になっている寄親のアスタンテ侯爵様と、騎士としての訓練でそれなりに鍛えられているが、整った甘いマスクが王子様的で、学園では同級生の男性、私の婚約者となる予定のディラン・ハーヴィー様がすでに椅子に腰を掛けて待っていた。

 それぞれの後ろには護衛とメイドが一人ずつ立って待機している。


 「お待たせして大変申し訳ございません。デファンス男爵家長女、ステラ・デファンスでございます。この度はよろしくお願いいたします」

ドレスの生地を優雅につまみながら頭を下げ、貴族として恥じないように精一杯の敬意を込めて一礼をする。

お待たせしたとは言ったものの、今回は一番爵位が低い家の私が主賓の扱いらしく、最後に登場しても問題ないらしいのだけど、一応形式上謝っておいた方がいいかと思ったりした。


 「二人とも、この街までの移動は大変だっただろう。気を張らず、リラックスしてくれて構わない。ディランもいいかね?」

「問題ありません、侯爵様」

「お気遣いありがとうございます。侯爵様」


 物腰の柔らかい感じで侯爵様は言うけれど、このおっちゃん、本心がどこにあるかいまいちわからないからちょっと怖いんだよねぇ……。

 で、ハーヴィー様についてだけど、これは学園にいるときと話し方とかは変わって無さそう。落ち着いた声で、決して不愛想というわけでもないけれど、淡々と返事をする感じが。もうちょい愛想が良ければもっとご令嬢達にモテるのに勿体ない。


 「さて、今回はディランとステラの婚約の話を進めるために集まってもらったのだが、何かお互いに訊きたいことは無いかね?」


 無いかね?とか言いながら、無いと言えみたいな感じが半端ないです、侯爵様。

 でも、ここではっきりさせておきたいことはある。一応自分の人生がかかっているんだし。


 「では侯爵様、なぜ辺境の地の男爵家の娘でしかない私が、由緒ある近衛騎士の家系であるハーヴィー伯爵家のご令息と、ということになったのでしょうか?もっと優秀で、伯爵家の力になれるご令嬢達もいましたでしょうに」

侯爵様は一瞬ピクリと眉毛を動かした。

 ヤバッ。ダメだった?この質問。

「それは、私よりディランに答えさせた方が良いだろう。ディラン」

「はい」


 侯爵様に促され、ハーヴィー様は私の瞳を覗き込むように見つめてきて言った。


 「学園で君と出会ってから、他の令嬢達とは違うものを感じた。色恋や流行りに流されるでもなく、どんな状況でも飄々としながらも、淑やかに自分を貫く姿に目を奪われた。気が付くと、君を学園の中で探すようになっていた。そして、剣術クラブの体験で女性なのに、屈強な先輩相手に軽やかに勝利を収めている姿を見て、僕の伴侶とするなら、君のような人がいいと思ったのだ」

「えっと、かいつまんで言うと?」

「君に惚れた。ということだ」


 あー…………。

 惚れちゃったかぁ。そっかぁ。

 惚れる要素あるか?

 …………残念イケメンめ…………。


 だって、剣術クラブの体験は、なんとなく行ってみたら模擬戦することになっちゃって、やってみたら魔物よりも動き遅いし弱いし、そりゃあ軽やかにっていうか、即勝っちゃいますよ。

 魔物討伐まで駆り出される田舎の男爵家を舐めるな危険だよ。


 「若いということだな、ディラン」

「恥ずかしながら。なので、デファンス男爵令嬢、貴女に僕との婚約を申し込みたい。どうか受けてはくれないだろうか?」


 割とまっすぐに告白されてしまい、私は助けを求めるように背後のケンヤとウィロウに視線を移す。


 『無理。自分でどうにかしろ、お嬢様』

 『無理よ、自分で頑張って、ステラちゃん』


 あ、これが言わずとも瞳で語るっていうやつだ。

 絶対二人、こんな風に思ってるよ。


 「…………私、自分達より弱い方に嫁ぐ気持ちはございません。なので、私と私の護衛騎士と、ハーヴィー様とその護衛騎士の方との決闘を申し込みます!!」


 こうなったら巻き込んでやる。一人だけ安全圏に居ようとするのはフェアじゃないよね?ケンヤ。

 私の思惑を察したケンヤは、さらに視線で私を非難してくる。


 「……僕も騎士の端くれ。強いであろうとはいえ女性と戦うのはいささか……」

おお。立派な騎士道ありがとうございます!


 「では、私の護衛騎士がハーヴィー様の相手もします」

「あーっ!きったねぇっ!!相手の騎士道精神にかこつけて自分だけ楽するつもりだな!お嬢様!!」

「えー?聞こえなーい聞こえなーい。ほら、私の騎士様、ド田舎の意地、見せつけちゃって下さい!!」


 勢いでまくし立てて、私はそれ以上何も聞こえないというスタイルを貫く。


 「あの、侯爵様……。…………差し出がましいとは思いますが、よろしいのでしょうか?」

「よいよい。若者の無茶というのは見ていて楽しいものだ。それに、お嬢ちゃん、いや、ステラ嬢がああ言うということは、彼も相当に強いのだろう?それに、ハーヴィー家も騎士の家系。王族をお守りするのなら、これくらいの壁は乗り越えてもらわねばな」


 うちのメイドと侯爵様がなんか話しているけど、声が小さくてあまりしっかりは聞こえない。

 でも、断片的に聞こえた言葉で、侯爵様的にこの決闘はアリらしいことがわかったから助かった。




+-+-+-+-+




 「どこまでやるとアウトっスか?お嬢様」

「致命傷とか、後遺症が残るようなケガはアウト。普通に治る怪我くらいまでがセーフくらいの認識でいいんじゃない?」

「じゃあ剣は抜かない方がよさそうっスね。万が一があると親父さんとかにも迷惑がかかっちゃいますし」

 侯爵様の屋敷の敷地内の広場で、刀と呼ばれる優美で緩やかな弧を描く片刃の剣を鞘にしまったまま持つ彼は、私の返答を聞きながら紐で鍔と鞘を縛って刀身が抜けないようにする。


 「ハーヴィー家も舐められたものだ。田舎騎士の剣で、誉れ高き近衛騎士の家系に仕える者に傷をつけれるとでも思っているのか?」

「いや、俺って正確には騎士じゃないし、むしろ魔物討伐隊の隊員って言った方が正しい気がするっス」

相対するハーヴィー家の護衛騎士の挑発のような言葉も気にせずに、淡々と自分の準備を進めていくケンヤ。

 片やこの日の為に準備しておいたスーツ姿の男子。片やサーコートを着込んだ騎士。

 見た目だけで判断するなら、スーツ姿で決闘をすることになってしまったケンヤの方が弱そうに見える。相手は相手で屈強な男って感じが半端ないし。うちの討伐隊に欲しいっちゃ欲しい。


 「では、まずは護衛騎士同士の決闘だ。双方、準備は良いか?」

審判をしてくれるのは侯爵様の護衛騎士。その声に二人は小さく頷く。

 ハーヴィー家の護衛騎士は、ブロードソードと盾というオーソドックスな装備だ。構えとしては防御優先なのか、左手の盾を前に突き出すようにして、右手の剣は切っ先を斜め後ろに向けている。

 対するケンヤは柄を握ってはいるが、自然体のまま構えることが無い。


 「始め!」


 審判の声と共に駆け出す相手の騎士は、しかし、最小限の動きで盾を叩き落され、喉元に鞘の先端をトンっと当てられる。


 「俺の勝ちっスね」


 短い一瞬のような時間の中で前進することしか許されなかった騎士は、剣と盾をその場に落とし、両手を挙げて降参する。


 「勝者、ケンヤ!」

審判が宣言し、ケンヤは鞘に納めたままの刀をブンブンと振りながら、私に勝ちましたアピールをしてくる。

 まったく、ケンヤは子どものまま大きくなったみたいね。

 そう思いながら、私は右手の親指を立ててよくやったとサインを送る。


 「貴女の護衛騎士は、名立たる武人の血縁か何かかい?」

「いえ、ずっと昔に当家が保護した捨て子ですけど。ただ、多分私の領内ではもしかしたら、一番強いかもしれません」

ハーヴィー様の質問に、そんな特殊な血統は無いと即答してしまう。

 そして、領内で一番強いというのもあながち嘘ではない。


 昔からケンヤは妙に強い。

 勝負勘が働くというか、どんな武器でもすぐに使いこなしてしまうし、本人はみんなの支援があるから勝てるんだとは言うが、魔物討伐隊の中では一人で大型の魔物を狩ってしまえるくらいには規格外だ。

 お兄様達もケンヤのその強さに何度も助けられている。


 まぁ、性格はお子様のままだけど。


 「なら、僕も貴女と結婚するためには覚悟をして彼と戦わなければなりませんね」

ハーヴィー様は覚悟を決めたように言って細身のサーベルを引き抜き、私の横から離れていった。


 瞬間的に膨れ上がる威圧感。殺気とか闘気とか、言ってしまえばただの魔力の本流なんだけれど、ハーヴィー様は抑え込んでいた魔力を解放したらしく、全身にオーラを纏っているようにも見える。

 きっとハーヴィー様は剣と魔法両方を使える魔法剣士タイプの騎士なのだろう。

 これは、流石のケンヤも厳しいかな?


 「君はケンヤと言ったかい?僕も全力を出させてもらうよ。田舎の騎士に、騎士の名門のハーヴィー家が舐められるわけにもいかない」

「別に舐めてないっスよ?俺は」

「それでも、だ」

「…………俺にはそういうのわかんねぇけど、貴方が男として、騎士の矜持を持って戦おうとしていることくらいはわかるっス。だから、俺もそれには応えたいと思います」


 ケンヤは刀を鞘に納めたまま、ただ、さっきとは違いしっかりと正眼に構え、正面にハーヴィー様を見据える。


 「良いな、若さがあるというのは。こういった将来有望な若人達には何か報いるべきだとは思うが―――」

二人を見ている侯爵様は、あごに右手を当てて少し考え、そして言った。

「そうだ。これに勝った方がステラ嬢と婚約―――」


 「そういうの要らないっス!」

全てを言い切る前にケンヤが強い口調で言い切った!

「本人の意思不在のままなんで私がすでに振られたみたいな感じになってんのよ、ケンヤ!!」

「いや、そうじゃなくって、うわぁ、お嬢様なんかめんどくせぇ」

「護衛騎士が護衛対象に吐くセリフじゃないでしょそれ!」

本当に、お父様も彼を私の護衛騎士に任命するなら多少の教育は必要だったんじゃない?こう……礼儀作法とか?


 「君はよっぽどの礼儀知らずか、それか主人に対する敬意が無いとかかい?そんなことでよく護衛騎士が務まるな。それとも、君の主人である彼女は、表では明朗快活な仮面を被っていて、裏では君に対して酷い仕打ちをしているとかかい?」


 なっ!?

 ハーヴィー様の言葉に私は何かを言い返したいと思ってしまった。

 ケンヤが私に敬意を払っていないのは別にどうでもいいし今更だけど、そんな裏表ある人間に見える!?


 「ハーヴィーさ……」

「発言を撤回して欲しいっス。確かに普段は魔物討伐ばかりしてる俺に礼儀とかはねぇし、お嬢様に敬意は持ってねぇっスけど、捨て子だった俺や妹を助けて村に迎えてくれた男爵家や村の皆に恩はあるし、身分関係なく妹を大切にしてくれて、俺ともバカやってくれるお嬢様を、冗談でもそう言うのはやめて欲しいっス」


 敬意持ってないんかい!

 いや、知ってたけど、知ってたけどさ!!そこは嘘でも立てようよ!主人を!!


 でも、私の言葉を遮って話すケンヤが、なんか普段と違ってちょっと怖い気がする…………。


 「…………お嬢様、俺がなんかやらかしちまったら、尻拭いたのむっス」

「あ、うん。……できるだけやらかさないでね?一応」


 「それでは、始め!」


 審判の声に合わせて、二人が同時に地面を蹴り剣を交わす。

 ハーヴィー様がケンヤの初撃を防いだことに驚いてしまうが、それもそのはず。多分魔力で相当に身体能力を強化しているだろうし、それに合わせて動体視力も良くなっているだろう。


 ただ、それだけだ。

 何度も撃ち込まれて止まることのないケンヤの攻撃に、ハーヴィー様は捌くので精一杯だ。

 ケンヤは鋭い目つきで彼を睨み、疲れも一切見せずに手も抜かない。


 一方、ハーヴィー様は徐々に魔力に揺らぎが見え始める。

 彼の戦い方は短期決戦タイプなんだろう。強化した身体能力で一気に攻め落とす。そんな感じに。

 が、違った。

 魔力が揺らぎ始めたのは、違う魔法を発動させるためだ。

 サーベルを持っていない左手に光球が生まれ、剣を振り上げた一瞬の隙を突いてケンヤの胴体に投げ放つ。


 「ダメ―ッッ!!」

見た感じ、中級以上の魔法使いが使えるファイヤーボールだ。

 直撃したら良くて大火傷、悪くて致命傷だ。そんなもの、騎士の決闘で使うようなものじゃない。

 叫んで止めようとしたが、二人の間で火球が炸裂して爆発音が響く。魔力でガードされているハーヴィー様は無傷に見えたが、炎と黒い煙に包まれて、ケンヤの姿が見えない。


 私があんなことを言わなければ、ケンヤを危険な目に合わせなくてよかった。

 今更ながら、私は自分の考えのなさを悔やんだ。

 そして全身から力が抜けて、その場にへたり込んでしまう。


 「大丈夫」


 が、聞こえたケンヤの声に顔を上げれば、サーベルを手から弾かれて、喉元に鞘の先端が突きつけられているハーヴィー様と、煤けたドレスシャツ姿で彼の足元からしゃがんだ姿勢で刀を構えていた。


 「勝者、ケンヤ!!」


 審判の宣言にケンヤは刀を下ろし、私のところまで歩いて寄ってくる。


 「すみません、お嬢様。せっかく今日の為に用意してもらったスーツ、ダメにしちまいました……」


 そこかぁ。

 気になるのそこかぁ!

 別にいいよスーツの一着くらい!!


 無事だったことを喜ぶべきか、スーツをダメにしたことを叱るべきか、頑張ったことを称えるべきか。

 いろいろ考え過ぎて表情が決まらなくって、ごちゃごちゃだ。


 「え?お嬢様、えっと、その、泣かないで下さいよ……。俺、お嬢様を泣かしたいわけじゃあ……」


 慌てるケンヤの言葉で自分が泣いていることに気付かされた。

 ドレスの袖で目元の涙を拭い、私に差し出されたごつごつした手を掴んで立ち上がる。


 「…………無事でよかった…………。でも、どうやったの?あんな距離で」

「光の玉が見えたから、咄嗟にジャケット脱いでぶつけて、軽く後ろに下がって、煙に隠れて、油断している隙に剣を巻き上げて飛ばして、鞘を喉元に当てただけですよ」

「相変わらずよくわからない反射神経ね…………。心配して損したぁ…………」

「え?お嬢様、俺のこと心配してくれたんっスか!?」


 我が護衛騎士よ。なんでちょっと嬉しそうなのよ。


 「そ、そりゃあ……決闘に巻き込んじゃったのは私だし、攻撃魔法使ってくるとも思ってなかったし……。……あと、…………こんなことで怪我したり、命にかかわることになったらいやだなぁって…………」

「あはは…………ヤバいっスね……」

「何が?」

「ちょっと泣いてたお嬢様も可愛かったし、心配してくれるお嬢様も可愛かったっス。…………お嬢様も女性だったって、今更思い出したっス」


 …………はい?


 なんかちょっとだけ空気が違う気がする。

 なんというか、ちょっとだけ照れてるというか、甘いというか。


 「盛り上がってるところすまんが、とりあえず婚約の話をしたいのだが、よいか?」

半分思考停止しそうになっていたところを、侯爵様の言葉で引き戻される。

「あ、はい。申し訳ございません」




+-+-+-+-+




 あの部屋に戻り、再び私と侯爵様とハーヴィー様がソファーに座り、メイドと護衛騎士はそれぞれの主人の後ろで立っている。


 「貴女の護衛騎士のように、世の中には強い人が沢山いるということを思い知らされました。デファンス男爵令嬢。私は騎士として未熟。自分の不利を自覚して攻撃魔法を使ってまで貴女の護衛騎士を害そうとしてしまい、そのうえで剣を弾かれ敗北しました。こんなことでは、守るべき王も民も守れない。色恋に現を抜かさず、騎士としての鍛錬を積んでいこうと思います」

神妙な面持ちでハーヴィー様は私に言ってくる。

 つまりは、今回の婚約話は無しということでいいんだと思う。


 「わかりました。ハーヴィー様のこれからの成長と、騎士としての活躍を、心よりお祈り申し上げます」

私は静かにそう告げ、侯爵様の顔を見る。

 侯爵様は頷くとハーヴィー様達に退室を促し、メイドに案内されたハーヴィー様一行は部屋から出ていく。


 侯爵様とその護衛騎士、私にケンヤにウィロウの五人だけになった部屋で、侯爵様はさっきまでハーヴィー様が座っていたソファーに掛けなおし、私の正面から話しかけてきた。


 「はぁ……。忙しい中私が仲を取り持った縁談がご破算になってしまった。これでは侯爵家の面目丸潰れだよ。ステラ嬢」

「はぁ……」

「君は昔からじゃじゃ馬というかお転婆だと思っていたが、ここまで自由に成長するとも思っていなかったよ。男爵も婚約すれば少しは落ち着くと思って私に頼ってきたのに」

「なんか、申し訳ございません。侯爵様」

「いや、良い。男爵の娘といえば、私の孫同然だ。孫のワガママくらいどうにでもしてくれるさ」


 確かに侯爵様は、毎年夏祭りの季節には必ず男爵領に来て私やお兄様達を可愛がってくれていたし、その時は親戚のおじいちゃんって感じはしてた。肩車をせがむとしてくれたくらいには、身分差関係なくワガママを聞いてくれた。


 「だが先程も言ったが、婚約の話が全く無かったというのも問題だ。そこでどうだ?ケンヤと婚約をしないか?ステラ嬢」

「はい?えっと、ちょっと何言ってるかわからなかったんですけど……」

「ケンヤと婚約しろ。結婚しろ。これは侯爵として、寄子である男爵家の令嬢への命令だ。拒否は許さん」


 侯爵様の言葉をしらばっくれることなどできず、流されるまま、気が付けば私とケンヤだけが部屋に残されることになった。


 「えっとケンヤ、どう思う?」

「どう思うって、そりゃあ驚くだろ、普通」

「だよねぇ…………。どうしよう…………」

「まぁ、侯爵様のあの感じだと、断ることなんてできそうに無いっスからね。…………お嬢様は、イヤか?俺のこと…………」


 イヤとかそういう問題ではないんだけど……。

 昔馴染みの幼馴染みすぎて、結婚とかそういう対象として見たことが一切無かった。


 初めて会ったケンヤは、魔の森からお兄様に連れられてきたばかりで、ひどく人間を警戒しているように見えた。

「似たような年頃だと思うから、ステラは仲良くね?」

お母様からそう言われ、私はケンヤとマモリちゃんの前に出て、軽い挨拶をする。

「ステラ・デファンスよ、よろしくね!」

まずはしゃがんでマモリちゃんの視線の高さに合わせてから、握手を求めた。

 自分より小さい手が恐る恐ると伸ばされ、手を柔らかくキュッと握られる。

 すっごい可愛かった。


 で、肝心のケンヤだけど、こっちが手を伸ばして握手を求めても、私の顔を睨むばかりで返事も何もしてくれない。

「えっと、ステラ・デファンスよ」

「……聞こえてるよ、うっせぇな」


 あ、なんかすごく無礼な態度を取られていたような気がする!


 「じゃあ握手しよ?」

「やだよ。バカじゃねぇの?」


 続く言葉も大分無礼だったことを思い出した。

 で、私がとった行動が―――。


 「うわっ!急になにすんだよ、放せよ!放せってば!!」

握手してくれないならと、汚れたケンヤの体ごとガッツリ抱きしめた。彼はすごく抵抗して私を振りほどこうとするけれど、こう見えても幼少期から私の腕力とかはそれなりにあったから、簡単には放してあげない。


 「がんばったね。たいへんだったね。……でも、大丈夫だよ。この村が、男爵家が、私がこれからずっといっしょだから。だから、んっと……」

なんて言えばいいのか一生懸命考えて、そして出てきた言葉は。

「おかえり!今日からここが君と、妹ちゃんのお家だから!!」


 あのときのケンヤの慌てっぷり、今思うとなかなかピュアで可愛かったわ。


 「とりあえず、出会ったときにうっせぇとかバカとか言われたのは思い出した」

私はいたって真剣な視線を彼に送り、あのときの恨みを少しだけぶつける。

「仕方ねぇだろ。急にあんな、森から助けられて、仲良くしろって言われても」

「そうねぇ。でもまぁ、昔のケンヤはかわいらしかったなぁって思うよ?私が抱きしめただけで慌ててたくらいだから」

「くっ……」


 あ、ちょっと恥ずかしそう。で、悔しそう。


 「俺、婚約とか結婚とか、そういうのは侯爵様に言われたから絶対しないといけないとは思ったけど、それとは別に、思ったことはある」

「そうだった。話の本筋はそれなのよねぇ……。ケンヤと婚約って言われても実感が無いなぁ」

「俺はあるっス。……俺が帰る場所にお嬢様がいて、俺におかえりって言ってくれたら、俺はそれだけで嬉しいと思うっス。いや、……思います」


 真面目な目で、彼は私の目をじっと見てくる。


 「でも最初、私のことは攫えないって言ったじゃない」

「そりゃあ攫えないっスよ。伯爵家に嫁ぐお嬢様を攫ったら、ただの罪人じゃないっスか」

「じゃあ順序立てて合法的だったらオッケーってこと?」

「そう……なるっスね…………」

「ってことは…………」


 「好きっス。お嬢様のこと」


 幼馴染みでバカやる関係だと思っていた男子が、やけに大人びた顔で告白してきた。

 なんか急に違う彼に見えて、少しだけ戸惑っている自分がいる。


 「お嬢様、顔めっちゃ赤いっスよ」

「えっと、その、そりゃあ赤くもなるわよ!なんとなく会話の流れから察することはできてても急過ぎるし、急に真剣な顔して、…………ずるいっ!」

「ずるいって、どういう言い訳っスか……」

「ずるいもんはずるいの!よくわかんないけど!!」


 逆ギレもいいところだ。

 こんなの、貴族令嬢らしくない言動だってわかっている。

 仮にこの様子をハーヴィー様が見ていたら、軽く幻滅されるかもしれない。


 「何度でも言ってあげるっスよ。好きっス、お嬢様。不意打ちじゃなければずるくないっスからね。好きっスよ、お嬢様」


 いたずらっ子のような笑顔を私に向けて、また好きって言ってくるケンヤ。

 一回くらい殴っても許されるかな?これ。


 「で、お嬢様はどうなんっスか?俺は自分の気持ちをちゃんと伝えたっスよ?」


 やっぱずるい。

 そうやって言われると、自分の気持ちを言うしかない。


 ただ、自分の気持ちがよくわからない。

 ケンヤのことを好きかと問われたら、好きだと返すことは問題なくできる。

 だから多分、私はケンヤのことが好きだ。


 だけど、結婚となると、『好き』より『愛している』ことの方が大切なんじゃないかと思ってしまう。甘い考えかもしれないけれど。

 一般的な貴族であれば、特に家を背負う立場であれば政略結婚も致し方ないとは思う。そこに感情が入る余地があるかどうかもわからない。

 だから、今回ハーヴィー様にあんなことを言ってしまっていたとはいえ、もし本当に必要な結婚であれば私は私の心を無視して婚約を選んでいただろう。

 幸いだったのは、彼との婚約自体は『強制』ではなかったことだ。


 だからこその問題である。

 ケンヤとの婚約は、侯爵様からの『強制』なのだ。

 好きな人と婚約できること自体は良いことなんだろう。


 でも、今まで結婚相手として見ていなかった人との結婚は、いろいろと困惑してしまう。


 「そういえば、最近騎士として名が上がっているヒリング子爵の一人娘が婿入りしてくれる者を探していたなぁ。もしステラ嬢がケンヤとの婚約を断るなら、ケンヤを私の養子にして婿入りさせてやろうと思う。ケンヤは騎士としても通用する強さを持っているからな」


 こっそりと少しだけ空けられたドアの向こうから、侯爵様が追加情報を弾むような声で伝えてくる。

 そして、言いたいことだけ言ってドアを閉める。


 「ケンヤ!私と結婚して!!」


 侯爵様の言葉で焦った私は両手を机にたたきつけて身を乗り出し、叫ぶように言った。


 「お嬢様、…………また泣いてるんっスか?」

「…………わかんないけど、泣いてるように見えてるなら、多分泣いてる…………」

「………………大丈夫っスよ。俺、お嬢様以外の人のところなんて、行く気は無いっスから」

「でも、侯爵様がしろって言ったら…………」

「…………だったら、そのときはちゃんとお嬢様を攫って逃げるっス。男爵領に軍が来るなら、そいつら全員、俺が返り討ちにしてやるっスよ。お嬢様を泣かす奴らに容赦なんてしねぇっス」


 ケンヤは立ち上がって、机に突いた私の手の上に手を乗せてきて、私の目を見て言ってくる。


 「改めて訊くっス。お嬢様は俺のこと、どう思ってますか?」


 ずるいなぁ……。

 そんな真剣な目で、あんなこと言われたら、答えられる言葉なんて決まってるじゃない。


 「私はケンヤのこと…………好き、……です…………」




+-+-+-+-+




 「婚約はしたけど、私もあと一年学園での生活があるし、正式な結婚については来年以降になるのねぇ。はぁ……ハーヴィー様と顔合わせるのが気まずい…………」

「大丈夫っスよ。あの人はあの人で、なんか大丈夫な気がするっス。お嬢様に手なんて出さないと思うっスよ」

デファンス男爵領の村で、私とケンヤは湖のほとりで一緒に釣りをしながら話していた。


 結局、侯爵様立会いの下で婚約の誓約書にサインをし、その日のうちに早馬でお父様達の元へ連絡もされた。


 男爵領に戻ると村の人達が総出で私達の婚約を祝い、一晩中お祭り騒ぎだった。

 ケンヤの妹のマモリちゃんも手作りの花の冠を私の頭にのせてくれて、「ステラお姉ちゃん、お兄ちゃんをよろしくお願いします」と言って照れた笑顔を私に見せてくれた。

 マモリちゃんかわいい!

 ケンヤと結婚したらマモリちゃんが義妹になるってことだから、マモリちゃんが幸せになれるように、私も今まで以上に頑張ろうって心に誓った。


 「ねぇケンヤ」

「ん?」

「いつからその……、私のこと、好きだった?」


 視線は変えず、釣り糸の先に向けたまま。


 「んー……。割と最初から」

「マジ?」

「ん、マジ」


 ケンヤも自分の釣り竿の先を見たまま、私に視線は向けない。


 「言ってくれただろ?最初に」

いつもの気軽な声ではなく、落ち着いた声でそう言って。

「ずっと一緒だって。ここが俺と妹の家だって。抱きしめて言ってくれたあのときから好きだ」


春のあたたかな風が、二人の間を通り抜けて肌を撫でていき湖面を揺らす。


 「お嬢様は―――」

「ステラでいいよ、ケンヤ」


 「ステラは、いつからっスか?」


 彼の言葉は今吹いたばかりの風のように暖かく、柔らかい声だった。


 「いつからだろう……。考えたことないや」

それは本心。

 紛れもない事実で、訊かれても答えきれないことでもある。


 「でもね?一緒にいることが当たり前だったから、学園に行って会えない日が続いたら、ちょっと寂しくて、夏や冬の休みに領地に帰ってきて会えたときには安心して、あー、なんかこういうのいいなぁ、好きだなぁって思って」

当たり前は当たり前だから特別だと思えない。


 「だから、知らないうちに好きになっていて、自覚できていなかったんだと思う。……だからね?侯爵様がケンヤを他の令嬢のって話をしたときに、初めてしっかり自覚した」

結局、当たり前の前提が崩れないと、何も意識することができないんだ。


 「素直に言うね?」

「おう」


 「ずっと好きだった。多分これからも、ケンヤがいない生活なんて考えられない。だから、これからもずっとケンヤが好きだと思う。…………だから、ずっとずっと、一緒にいて……下さい……」


 愛しているっていうことがどういうことかはわからないけれど、好きだということには間違いがないのだから、それを自信につなげてもいいと思った。

 だから、自分なりの言葉で、ちゃんと好意を伝えられたと思っている。


 「俺って戦うことしか能がねぇからさ、恋愛とかそういったのも全然わかんなくて、どうすればいいかなんての、よくわかんねぇっスけど。…………泣いてるステラを見るのは嫌だから、少なくともステラが泣かないでいられるようにはしてぇっス。そんで、毎日ステラにおかえりって言ってもらって、一緒に飯食って、一緒に笑って過ごしたい。……そう思ってるっス」


 そっと肩に手を置かれたと思うと、少しだけ強引に体を抱き寄せられ、私の左腕とケンヤの右腕が触れ合い、服越しにほのかな温もりが伝わってきた。

 ちょっとだけ強引になっている彼に、嫌ではなく、むしろ心地良ささえ感じる。


 「私をずっと攫い続けてくれる?」

 「あははっ。今更っスね。攫うわけねぇじゃないっスか。だって―――」


 釣り竿を手放した彼は、私を強く抱き寄せて、自分の胸に埋もれさせるように抱きしめて包み込みながら、優しく、でも、強く言った。


 「―――攫わなくても、もうずっと、これからもずっと、夫婦として一緒にいれるっスから」

短編ですが、最後まで読んでいただきありがとうございました!


ド田舎貧乏男爵家令嬢と王都在住伯爵家令息の婚姻を巡る、侯爵家を巻き込んだ大(?)騒動を楽しんでいただけれていれば幸いです!


※評価や感想やレビュー、いいねなどを貰えると、作者はとても喜んじゃいます!※


軽い人物紹介ですが、人物紹介というよりか主人公のステラが住む男爵領の特殊性だけ補足しておきます。

男爵領は魔の森という常に危険と隣り合わせな場所にある所為か、この世界の女神からの贈り物を受け取る人間が多い土地です。

なので、本人たちは無自覚ですが、

・ステラ『開拓』(農耕や伐採などの土地の開拓・開発に関わる技能。だから畑を耕したり木を切る速度が異常に早い)

・ケンヤ『戦神』(戦闘に関する技能。身体能力が異常に高く、どんな戦闘も直感的に対処できる)

・マモリ『祝福』(祈りの技能。好意を寄せる人達に幸運をもたらす、ケガの治りなども早くなる)

といった贈り物を受け取っています。

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