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君と。終末にて、、

作者: 紀希



目がチカチカして、


頭がぼーっとする。



揺らぐ視野。



「気が付いたか、、?」


目の前には、緑の綺麗な髪をした。


女の人が僕を見ていた。



、、、、。



首を傾げる様にして、


彼女は僕を見つめている。



目は、ギョロギョロと。


まるで。眼球が泳いでいるかの様に動く。



女の人「そんなに、見つめられると、、


照れるんじゃがぁ、、、」



一体。


ここは何処なのだろうか、、



僕は、、



"誰なのだろうか、、"



しばらく。頭が落ち着くまで、、。


僕は再び、横になった。



女の人「なんじゃ、、。


また。寝てしまうのか??」


「ちょっと、頭が痛くて、、


それに。視線が定まらなくて、、」



女の人「そうか、、。じゃあ。」


そう言うと。僕の頭の上の方に腰を下ろし、


僕の頭を鷲掴みにすると、彼女の膝へと乗っけた。


「いてて、ててて、、。」



彼女の優しさだろうか。


でも、不器用なそれは、


何だか愛おしく。懐かしいものだった。



大きな音。


爆発音。


「あっ、、熱い、、、。



だっ、、誰か、、。水を、、。」



炎が激しく燃える上がる。


嫌な臭いが、鼻を突く。



「大丈夫か?魘されてたぞぃ。」


僕はこのアングルが好きかもしれない、、。


女の人「流石に、、。


足が痺れたのぉ、、」


ゆっくりと脚を伸ばし、横になる。



「ごめんね、、?」


女の人「良いのじゃ。ワラワが、ただ。


ソナタと、そうしたかっただけなのじゃ。」


明るくも無ければ、暗くもない。



夕暮れが。ずっと、続く世界。



温度も、臭いも。僕は感じない。



遥か先まで、見渡せる世界。


かつては、何かがあったであろう場所。



その虚無感に。


いや、、。違う。


そう言った、、何かに。


急に心を襲われ。



気付いたら手を握っていた。



女の人「なんじゃ、、?


積極的じゃのう。。」


彼女の手の感触が、


僕を安心させてくれていた。



女の人「で。この後はどうするのじゃ?」


何故かその問いに。僕は答える事が出来なかった。



それから。ただ。ぼーっと。


彼女と同じ方向を見つめていた。



綺麗で異様な景色は、、今にも。


僕達を飲み込もうとしている。



女の人「どうじゃ?身体は。。」


「うん、、。


まだ、本調子ではないかな。」



女の人「そうか、、。」


何だか寂しそうな表情は、


申し訳なささを僕に与えた。



ぎゅっ、、。


「でも。こうしてると。


落ち着くよ?」


女の人「バカタレ。」


そう良い。彼女は視線を反らした。



何時間。


何日。


何週間。


何ヵ月と経ったのだろうか、、。



お腹も空かなければ、


排泄すらも無い。



あれから、。


彼女はずっと。側に居てくれた。



飽きないのだろうか。



僕が寝てる間も。


彼女はずっと起きていて、


側に居てくれている。



一度だけ寝ているフリをして、


彼女を見ていた事もあった。



だが。何処へも行かず。


ずっと、側に居てくれた。



彼女は、ただただ。寂しそうに。


静かに。空を、眺めていた。



そうして、そんなある日。 



『彼女は僕の前から居なくなった。』



どれくらいが。経過したのだろうか、、


思考は全く働かず、


彼女が居そうな場所すらも、


検討は付かない、、。



僕は彼女の事を、"何も知らなかった"



あぁ。


また。逢いたい。



君の側に居られた事が、


僕にとって。 


どれだけ。大切だったか、、。



それは、離れていて。


ようやく、気が付いた事。



君を愛していた。 



大切に。


家族の様に、、。慕っていた。



今の僕には、もう。何もない。



何処かも分からないこの場所を。


ただ。ひたすら。



君を想いながらに。


ひたすら歩き続ける。



大丈夫。


どんなに遠くても。


どんなに離れていても。



"必ず、君を。見付け出すよ"



例え、それが、叶わなくとも、、。



僕は君を探し続ける。



君と会えるその日まで。 



















そうして、やっと逢えたら、、 



こう言ってやろう。



















「バカタレ。」






























































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