エピソード6 絶望した少年はより憂鬱になる
「君が好きです。だから、付き合ってください。」
僕は保健室で今壁ドンされ告白されている。・・・・・男に...
「...先ず誰?」
「あれ?僕のこと知らない?この学校だと有名だと思うんだけど。」
知らないものは知らない。先ずこの学校に興味がないから、先生の名前も覚えてない僕に、何を期待しているのやら。
「・・・」
「あ〜...その反応ほんとに知らないみたいだね...」
「なら、名乗らせてもらうよ。僕の名前は有栖川京舞。この学校の生徒会長だよ。」
僕はその場から逃走した。
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「はぁはぁ...何で生徒会長に遭遇するかな。それに、名前も知らなかった生徒会長になんで初対面で告白された?」
「それはね〜僕が君に一目惚れしたからだよ。」
後ろから声がする。嫌な予感。僕はそっと後ろを見た。
「やぁ。追いかけっこはもうおしまいかい?」
「うわぁぁぁ。な、なんでいるの!」
案の定、生徒会長がいた。
「まぁ告白した理由を言うとね、今日廊下で友達と話してる姿を見かけたんだよ。そこで君の容姿に一目惚れしてね。それで、君たちの話を聞いてたら体調が悪くて保健室行くって言うから、そこで待ち伏せしてたんだ。」
「男にですか?」
「恋に性別は関係ないじゃないかな?」
法律的には間違ってるけど、理論的には正論だから言い返せない。
「そうですか…なら諦めてください。僕は他人に興味がない、いや他人を信じられない。特に初対面で会った人なんてね。」
僕は拒絶した。それなのに…
「そっか〜。なら、交流深めていったらいいんだよね!これからどんどん君にアタックして行くよ。あ、そろそろ授業終わるからこの辺でお別れだね。」
「じゃあ、また後で〜」
全然人の話を聞かない。あー、これからの日々がより憂鬱になったよ...
僕の気持ちに共鳴するかのように緋色の十字架が光っているように見えてけど、気のせいだよね?
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校舎裏
先程まで柊と一緒にいた生徒会長が陽の当たらない場所で誰かと喋っている。
「ご命令道理接触しましたよ?四宮柊君と。」
『そうか。お前から見て彼は契約者だと感じたか?』
「いいえ〜。未だ感じませんでしたよ。でも、候補者として観察してもいいと思いますよ?」
『そうか。それでは、お前が観察し報告しろ。』
「了解しました〜。」
誰かの気配が遠ざかる。
「ふぅ〜。言われなくても分かってますよ。彼は契約者になる条件を満たしてますし、それに彼は面白いですしね。」
有栖川京舞は妖しく嗤う。
「彼には手を出さないでくださいよ?彼はもう僕の獲物ですからね。」