エピソード5 絶望した少年は授業をサボる
僕は学校の机に突っ伏していた。緋色のペンダントを調べた日から既に4日経った。未だ情報は掴めていない。
「はぁ〜...どれだけ調べても情報1つ出てこない。そろそろ諦めるべきなのかな...」
「何をそろそろ諦めるべきなんだ?柊。」
後ろから唐突に声が掛かった。
「ん。なんでもない。蓮。」
「そうか?なら、いいけどよ。なんか考え事とか思い詰める事があるなら言えよ?お前は一人で抱え込む傾向が強いからな。」
「そう?別にそんな事無いと思うけど...」
「い〜や、あるね。実際におばさんの時がそうだったからな。」
...蓮の癖に的確な。
「わかった。気をつけるよ。でも、今回は本当に何でもないから。」
「そうか。ならいいけどよ。あ、次は体育だから早く着替えに行こうぜ。」
...次は体育か......忘れてた...
「あ〜、ちょっと風邪気味だから今日は休むよ。」
「マジか。了解。先生に伝えとくな。」
そう言って蓮は教室から出て行った。
「ふぅ〜、疲れたし保健室行こ。」
この時の僕は甘かった。いつもなら周りに注意を払っている筈なのに、この時ばかりは疲れているのもあって注意を怠ってしまった。この時注意を払ってなかった事を僕は数分後に後悔することになる。