エピソード1 絶望した少年は偽りを取り繕う
母さんと歩きながら買い物に向かう。母さんと一緒にご飯を食べる。母さんとたわいもない話をする。そんな毎日が当たり前なんだとあの頃は思っていた。
でも、そんな日々は突然終わりを告げ、僕の幸せは消え去った。
「...ろ、ぉきろ、起きろ柊!」
「ぅん?...何?...蓮」
「何じゃねぇーよ!授業終わったぞ!」
どうやら僕は授業中に寝ていたらしい。まぁ、正直一生目が覚めなくても良かったのだが。
「...余計なことを(ボソ」
「聞こえてるぞ、柊!」
「はぁ...」
僕にうざいテンションで喋りかけているのが僕の幼馴染である時崎 蓮。僕の唯一の友達。正直、友達なんて要らないんだけど...
「...それで何の様?...蓮」
「ん?ああ、そうそう。お前又おばさんが殺された時のこと夢見ただろ。」
「...何でわかるんだよ。」
「だって最近その夢しか見ないんだろ。」
「...そうだけどさ。」
「何でだろ〜な?最近まで見てなかったんだろ?」
「...うん」
「もしかしておばさんが殺されたことに関係することが近々起こったりするんじゃねぇ〜の?なんてな」
この蓮の言葉が直ぐに実現するのをこの時の僕は未だ知らなかった。