7.妹の誕生日
今日はいよいよ優梨の誕生日。
学校を休みたそうにする優梨とどうにかこうにか学校に登校して、現在は放課後。俺は優梨を置いて一足先に帰宅していた。
優梨はというとシルヴィーと奈々さんに頼んで足止めをしてもらっている。これで心置きなく、誕生日パーティーの準備ができる。
とは言いつつも、飾り付けの製作とパーティー料理の注文は既に済ませており、ケーキも下校途中に取りに行ってきた。
あとはリビングを綺麗に飾り付けをして。届いたパーティー料理をテーブルに並べれば――よし、これで完了だ。
優梨にはSNSアプリで『急いで帰ってこーい』と送信する。
もうすぐ。もうすぐで、優梨の一生に一度しかない17歳の誕生日を祝える。
優梨を無理矢理学校に連れ出しはしたが、本当であれば俺だって学校をズル休みして一日中優梨の誕生日を祝ってやりたかった。
でも、俺は平凡で平和な、けど、ものすごく楽しかった日常を望んでいる。だから、変わらない日常と少しの特別さえあれば、俺は幸せだ。
少しの特別をいまかいまかと胸を踊らされながら待っていると――家のチャイムが弱々しく鳴った。
優梨に送信してから体感では何秒も経過していないはずなのに、時計の針は十数分も進んでいた。楽しみなことがあると待つ時間が長く感じられることはあるけれど、優梨のことを考えると時間はあっという間に過ぎていく。
優梨の17歳の誕生日会。俺と優梨の2人で過ごす、平凡で平和な日常から外れた、少しだけ特別なひととき。優梨はきっと喜んでくれる。
そう確信して優梨を迎え入れた――。




