プロローグ
今、大いなる旅の幕が、
開けるかもしれない。
天才音楽家、ベートーヴェンは耳が聞こえない難聴でありながら素晴らしき曲を残し56歳、1872年に亡くなった······が!
ベートーヴェンは今、
現実とはちょっと違う黄泉の世界で、音楽家兼旅人として生きていた(死んだけど)。
ジャジャジャジャーン、グランドピアノからベートーヴェン交響曲第5番 運命が鳴り響く。
パチパチパチパチ
ベートーヴェンの出る音楽会は毎回大きな拍手と歓声が聞こえる
黄泉の世界でもベートーヴェンは人気だ、大晦日なんて第九が流れている、現実も。
「本日ご来場して下さった、皆様、誠にありがとうございます」
この世界では難聴なんて無く、病気すらしない、死にもしない。
「いやーベートーヴェンの曲が聴けて本当に良かったよ。」
「何度聞いてもいいですよ。」
この言葉もベートーヴェンの耳に入っていく。
「音が聞こえるのは本当に素晴らしい、旅をして各地を回ったがこの世界はなんとも興味深い。」
そらそうだなんたってモンスターがいるわ妖怪は出るわ、
奇妙な世界でょうね。すると
「いやー今回の公演も大成功ですね!」
弟子のカール·ツェルニーに話しかけてきた。
ツェルニーはベートーヴェンの旅の仲間だ。
「ああ、いつもありがとう。」
ツェルニーは笑みを浮かべた。
「さあ今日はこの町に泊まろう明日から旅の続きだ。」
「はい、師匠。」
ベートーヴェンはとても慕われている。
「おい、朝だぞツェルニー、早く準備しろ、馬車はもう用意してある。」
「おはようございます、もう朝ですか。」
「とぼけるんじゃない、先行っちまうぞ。」
「ああ、待ってー。」
そう言いながらも準備を始めた。
今ベートーヴェンたちがいるのは今の地球に当てはめるとー
ほら、あれだよ、だいたいヨーロッパあたりです。
「ほらーはよ乗れー」 約250年前の偉人も現代人口調·····悲い
「はーい」 少し慌て気味だ。
ガタゴトと小刻みに揺れる馬車に揺られベートーヴェンたちは旅を続ける。
もう夕方だ、夕日がきれい。
「よーし今日はこの町に泊まるぞ。」
「はい、師匠。」
今日も穏やかな日だった、さあ、これからベートーヴェンたちの
自由な旅が幕を開けます、おしまい。
さて、今度はなにが起こるかな?