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異世界の弱小クランを最強にしたい  作者: ピザチュウ
幼少期
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パラダイムシフト



 教会での成人の儀を終えてスキルを獲得したレイリー達が家に帰ると両家を交えた家族会議が行われた。


 内容はこれからどうしたいかというものだった。


 成人すると個人の能力を活かせる仕事に就くのが一般的で、薬学や回復魔法を、人並み以上に習熟させている者は教会に。


 算術を収め、体力が人並み以上にある者は商会から商店の経理など様々な就職先を斡旋して貰えたりする。


 歴史と医学薬学に一定以上の理解と興味を持つ者は王国の研究機関の試験を受けて合格すれば就職出来る。


 因みに他にも色々とあるが、レイリー達が働ける仕事と言ったら、先述の職業と冒険者になりクランに入って、ダンジョンの攻略をするかだ。


 レイリーは冒険者になると決めているしセシリアも冒険者になる気なので両親への返答は決まっている。



「レイリー、セシリア、君達はもうこんな職業に就きたいなーとか、そういうのは決まっているかい?」



 まぁレイリーには愚問かな、とダイスが両肩を上げ笑う。勿論だとレイリーが笑顔で頷く。



「セシリアはどうしたいの?やっぱり教会で人を癒すお仕事が良いんじゃない?」


「おいおい、セシリアはウチのクランに入ってくれれば即戦力になるんだぞ!?」


「貴方はこの子の気持ちを考えてあげて!この子は女の子よ!?アホタス!」


 セシリアの両親であるオルタスとセリスが子供の将来について口論を始める。お互い本気で怒っている訳ではなくあくまで微笑ましい家族団欒の一幕だ。


「あははは…パパ、ママ、私ね…冒険者になろうと思ってる。」


 その言葉にセリスは「本当にそれでいいの?」と心配そうに聞き、オルタスは「そうかそうか!」と嬉しそうに笑っている。


 クランに入るのならば必要最低限の知識とルールを身に付けてもらう必要がある、とダイスが奥の部屋から書類を持ってきた。


 書斎には立ち入りを禁止されていたので、こうゆう書類を置いてたのかとレイリーは納得した。


 紙を手渡されて軽く目を通しながらクランのルールなどを説明された。母二人は食事の準備をする為に退席しキッチンに向かった。


「まずは、冒険者の心得とかはギルドに登録する時に説明を受けるから割愛するとして…クランメンバー同士での揉め事は禁止だ。軽い口論位ならいいが、各々の得物を使っての闘争や、モラルに反する暴言とかは論外だから皆と仲良くね」


 クランメンバーは今の所父達しか知らないので仲良くやれるか心配だけど、こちらから何か吹っ掛ける気はないとレイリーは思った。

 セシリアもダイスの言葉を受け真剣な表情で頷く。


「あとはクランを抜けたり長期の休暇が欲しい場合には事前に…そうだなぁ、最低三日前を目処に教えて貰うと嬉しい。けど急遽家族や友人に不幸があった場合や病気の発作、急な怪我などは後から教えて貰えればそれでいい。と言ってもその時は分かるか、ははは」


 追記事項を読みながらダイスが乾いた笑みを浮かべる。

 そんな事はない方がいいに決まっているが母やこの中の誰かの身に何かあった場合には全員で休暇することになる。


 せめて手の届く範囲は守ろうと決意を更に固くする。横に座るセシリアは顔を曇らせて頷く。ホーネル先生の死を思い出したのだろうか、二度とあんな思いはしたくないといった雰囲気だった。


「それと基本的にメンバー全員でダンジョンに潜る事になるけど、パーティーごとに別れて隊列を組んでもらう。基本的な指示は僕が行い、細かい指示はパーティーリーダーに任せる形になってるからリーダーの言う事はよく聞くようにね」


「え?パパと一緒に行動するんじゃないの?」


「セシリア、俺もそうしたいんだがいかんせんウチのギルドには問題児が多くてな…そっちの世話が忙しくてセシリアについてやれないんだ」


 オルタスの言葉に肩を落とすセシリア。知らない人とパーティーを組む事になりそうだから不安を感じているのかもしれないし、単純に父であるオルタスさんの事を信頼してるが故だろう。


「まぁ最初は浅い層で探索やパーティー行動に慣れてもらうから安心して。それに最初はバランスを考えてレイルと一緒のパーティーで潜って貰うから」


 そう言ってレイルにウインクを飛ばすダイス、それを見て余計な御世話だよと頬を膨らませるレイリー、セシリアは「えへへ…」と少し照れた表情で頬を緩ませ、それを見たオルタスがギロリと鋭い目線をレイリーに向ける。


 その後も色々とメンバーについて聞かされたり、酒を煽りながらダンジョンでの冒険譚を肴にオルタスとダイスが運ばれてきた夕食を摘みながら語っていた。騒々しい会議になったけどこれから楽しくなりそうだとレイリーは胸を躍らせた。


「ようこそ、クラン【パラダイムシフト】へ!」



 そう言って両手を広げる父とオルタス、それを見つめる母とセリスは幸せそうに笑っていた。


 それを見たレイリーとセシリアは顔を見合わせ同じように笑った。

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