表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界の弱小クランを最強にしたい  作者: ピザチュウ
転生編
32/53

タコVSレイリー



 レイリーは夜中にこっそり宿屋から抜け出したカエデの跡をつけると、港町に迫っていた危険に、一人で対処しようとしている場面に遭遇する。


 カエデを自分の後ろに退がらせると、海から現れた巨大なタコの魔物に挨拶代わりの極大魔法を放つ。


「【海面を 尽く 凍らせろ 絶対零度の 突風】!」


 レイリーの詠唱に合わせて、タコの周囲の空気がキラキラと輝き始める。

 海面が音を立て一気に凍結すると、広範囲にわたって分厚い氷のリングが出来る。

 朧を発動し、周囲の風景に溶けて消えたレイリーが巨大なタコ目掛けて一気に駆け出す。


 周囲の海水が分厚い氷の牢獄になるのを見て、タコは八つの足を暴れさせて脱出を試みる。

 轟音と共に破壊された氷山から巨大なタコが這い出て街へ向かって直進を始める。


 迫っていた危険の、予想以上のサイズに、カエデは足が竦んで反応出来ずにいた。

 刻一刻と迫る巨大な魔物に、自分に出来ることは何だろう、とカエデが必死に思考を巡らせてる間に、レイリーが事前に仕掛けておいた罠が炸裂する。


パァン!


 タコの進路に置いてあった、泡沫による気絶効果付きの水泡を踏み抜いた巨大タコは、そのまま意識を刈り取られ、慣性の法則に従い氷の海面を滑り、大型船の隙間を縫って街に到達しようとしていた。


 それを好機と巨大タコに迫っていたレイリーが、跳躍しながら自身の持つスキルの唯一の攻撃技を発動する。


「死神の鋼線!」


 瞬間、レイリーの指から放たれた極細の糸が、大型船と大型船の間、レイリーと凍った海面の間にピンと張り固定される。

 魔力由来の高硬度鋼線がいくつも張り巡らされると、港に向かって直進していた巨大タコは、そのまま体を無防備に衝突させ、縦横幾つかのブロックに分けながら街に到達する。


 まるでそのまま港に仕入れられたかの様に、綺麗に切り分けられたタコは、夥しい青色の血液と墨を撒き散らしながら絶命した。


 カエデは直進してくる巨大タコの残骸を土魔法で堰き止め、風魔法をクッションにしてフワリと着地するレイリーを目にする。


 胸が高鳴るのを感じた。


 圧倒的な力に、頭抜けた戦闘のセンス。

 まるで一枚の絵画を完成させていく様に、流れを構築していくレイリーを見て、王城を抜け出した自分の判断は、間違ってなかったと確信した。


「よし、明日から暫くタコパーティーだね。」


 夜の月に浮かぶ幻想的なレイリーの笑顔に、カエデは暫く魅入っていた。

 




▶︎▶︎





 巨大タコとの一戦の後、港に散乱したタコのパーツを収集していたら、流石に大き過ぎた戦闘音を聴いて駆け付けた街の人々に目撃される。


 レイリーが細切れにした巨大タコは、長年ここら辺の海を荒らしていた魔物だったらしく、漁師たちは大喜びしてレイリー達に賛辞の言葉を贈り、翌日、街中の漁師が、処理できない量に達したタコの残骸を買い取ってくれた。


 思わぬ所で大量の報酬を得たレイリー達は、ホクホク顔で、海の幸をお腹いっぱい堪能した。


「そういえばアイリスは、もしかしてコレも見越してこの街に…?」


「はい。出現する時間の詳細までは不明でしたので、カエデさんに一役買っていただきました。」


「拙者のスキルも織り込み済みでござるか…」



 レイリーを教え導くスキルは、もしかしたら(ゴッド)スキルかも知れない、とレイリーは思った。





▶︎▶︎





胃袋を満たし、宿屋に帰ってきたレイリー達は会議を行った。


「よし、それじゃあ次の目的地を確認しておこうか。」


 レイリー達は最終目的地をロズヴィレアル大陸のアリアンテス国、ダンジョン都市ウィールズに設定して、次の目的地をアイリスに聞いた。


 アイリスはお手製の地図を広げて次々に丸印を書き込んでいく。


「今私達が居るのは南西のエルカルト大陸の東部ミリムアージュです。此処から中央大陸ロズヴィレアルへと渡航し、アインツェクルという港町に向かいます。到着後二日ほど滞在して、大陸中央部に位置するウィールズを目指すのですが、道中にある大樹の街サルマトリアを経由します。」


 地図を見ると、少し迂回するルートになる。


 明らかに乱数調整の匂いがするルート取りを不思議に思ったレイリーは、こっちの方が早いのでは?と鎌をかけてみる。


「未来が変わる可能性があるので、詳細は言えません。レイリー様にとって良い結果になります。」


 真っ直ぐレイリーの目を見て断言するアイリスの頭を撫で、信じてるよ、と一言。

 アイリスは嬉しそうに目を細め微笑む。


「よし、それじゃあ大海原に出航(ヴォヤージュ)するか!」


「「おー!」」


 一致団結した三人は掛け声を上げ、決意を新たに船着場に向かった。


 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ