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逆鱗のハルト  作者:
逆鱗のハルトⅠ

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214/847

有名になるので。④

ファルーアは、アドラノードにとどめを刺した。

だから、最後だろうな。


そうすると、俺かフェンだ。

俺までは王様からの紹介でフェンは俺達が紹介、ファルーアは爆炎のガルフかな?なんて予想して、俺はマルベルを見た。


マルベルは俺と眼が合うと……うん?


顔の前で両手を合わせ、ぺこぺこと頭を下げる。


……え?どういうことだ?


その瞬間、庭園の歓声がわあっと明るみを帯びた。


「皆も、きっと思っていることだろう!彼はまだか?とね」


……!!


俺は、響いた声とぶちまけられた爽やかな空気に、思わずグランを見た。

(ご愁傷様)

グランは、哀れな者を見る顔で俺を見ている。

(すごいわね、次期騎士団長は王に交ざっても堂々と出来るって、やっぱり才能なんでしょうね)

ファルーアが笑うと、

(わー……やっぱりハルト、ハルトだよねぇ)

ボーザックがよしよし、と肩を叩いた。

(ハルト君……お、応援、してるね?)

ディティアも、可哀想と言わんばかりの顔だ。


「彼の飛龍タイラントにとどめを刺した、類い稀なる才能の持ち主。……彼はバフを自由自在に操り、重ねて強化することも可能だ。では、その名、語ってもらおう!」


は、はあーー!?

俺はふざけるなと叫びたいのを堪え、アイザックに背中を押されてバルコニーの前面へ歩み寄った。


わああーーー!!


高まる歓声。

俺を見る、たくさんの人達。


「さあ、僕の付けた名前だ。存分に名乗るといいよ」

にこやかに言い放つシュヴァリエに、絶句する。

自分で名乗るとか…しかも、こいつの前で。


「……覚えてろよ……」

小声で悪態をついてやる。

…ともすればただの負け惜しみなんだけどな!


もうヤケクソだった。


「先に言わせてもらうからな!敵も出来そうだけど!……俺は、シュヴァリエに名前を付けられたのは思いっきり不本意だったし、事故だと思ってる!」

「完全に、照れ隠しに聞こえるわね」

ラムアルの嘲笑が合いの手のように入る。


庭園からは笑い声が上がった。


「ラムアルは黙ってろよ!もう、締まらないなあ!」

思わず突っ込む。


「……ごほん。……ええと、俺は、逆鱗……。逆鱗の、ハルト。バッファーだ!」


「げきりーん!頑張れー!はははっ」

「うるさーい!茶化すな!!」

庭園の観客にも突っ込んで、大きな笑いが収まってから、俺は息を吐いた。


「……不本意だったし、事故だけど……2つ名は、有名になるために必要だったと思ってる。俺達白薔薇は、疾風のディティアと肩を並べていけるように有名にならなきゃいけなかったんだ。……バッファーだって、こんな場所に立てることがある。正直、バッファーを名乗る冒険者に会ったことなんて数えるほどだけど、そのバフが仲間を助けることもあるぞ。使える奴は、どんどん使え!言っておくけど、バッファー、めちゃくちゃ格好良いんだからな!!」


「あははっ、格好良いぞー逆鱗!」

またも庭園から笑われるけど、言いたいことは言った。

シュヴァリエを見ると、何ともムカつく程の爽やかな笑顔を向けられる。


「ふん」

俺は盛大に鼻を鳴らして、下がったのだった。




本日分の投稿です。

逆鱗のハルトのターン!


せっかくなので、ハルト君部分だけで更新しました。

少し短め構成です。

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