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逆鱗のハルト  作者:
逆鱗のハルトⅠ

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182/847

昔話は好きですか。①

伝達龍によって、1週間程で各地の伝承が揃う。


ハイルデンには無事フォルターが到着していて、彼はそこで北のノクティア王都いちのお菓子屋、ナンデスカットのナンデストと会ったらしい。


そういえば見かけないと思ったら、ナンデストはハイルデンにも菓子白薔薇を持ち込んでいるそうな。

商人魂の塊みたいな奴である。


ちなみに、伝達龍は数頭導入されたらしいので、お互いのやり取りはかなり便利になった。


ラナンクロストとヴァイス帝国の国境を警護する騎馬隊……シュヴァリエの従兄にあたるカルヴィエが、災厄の黒龍アドラノードの状況を随時報告していることもそれでわかった。


どうやら、まだ山脈から出られていないらしい。

動きが緩慢で、夜はじっとしているのだとか。


原因は、恐らく魔力の不足。


それから、身体の左側に複数の魔力結晶が埋め込まれているのが確認されたようだ。


「……身体の左側……ってことは、ドリアドが毎日通っていた通路の奥じゃねぇか?」

グランが鬚を擦る。

「なるほど。もしかしたら、魔力結晶を埋め込んでいたのかもしれないわね」

「えー、でも何のために?」

ファルーアにボーザックが聞く。

「ゾンビ化させたかったとかかな?」

ディティアが答えた。

「それはあるかもしれないな。死んでも動けるようにするためかも」

俺は同意して、黒龍に喰われたドリアドのことを考えた。


……あの黒龍がドリアドだとしたら、身体の衰えは想定内だったかもしれない。

だから、魔力結晶を埋め込んで、万が一死んだとしても生き返れるようにしていたんじゃないか?


「でも、これで決まりね」

「あぁ。埋まってる間に叩くしかねぇな」


「とりあえず、他の国の伝承をあらってしまいましょう」

聞いていたジャスティが苦笑する。


「お、おう、そうだな」

グランが鬚を擦る。


俺達は顔を突き合わせて、爆炎のガルフがまとめてくれた伝承を確認した。


******


ノクティア伝承


魔力を身体に宿した者達は、やがて紅く脈打つ結晶を造り始めた。

それを元にして都市は発展し、巨大な国家を築き上げる。

いつしか魔力を持たぬ者達と争いになり、災厄と呼ばれた者達の化身は大陸を蹂躙した。


しかし、体内の魔力が潰える病が広がる。

災厄の化身達は己を保てなくなった。


立ち上がった者達が贄となり、災厄の化身は駆逐された。


同時に、魔力を体内に宿した者達は、魔力を持たぬ者達との道を歩み始めた。


******


ハイルデン伝承


山脈を怒らせるな。

災厄が人々を襲う。


ただひとつ残った災厄は、山脈の奥深く、眠りについている。

生贄はその身を捧げ、災厄を彼の地へおとしめた。



******


「何となく繋がったわね」

ファルーアが言った。


ボーザックはきょとんとしていたけど、グランは多少認識出来たらしい。


「つまり……魔法都市は魔力結晶を造り発展して、古代都市と争いになった。

その過程で災厄の魔物が誕生したけど、病気が流行って動けなくなった。

そこを生贄を使って駆逐……魔法都市は古代都市とひとつになる…ってところか?」

簡単にまとめてみると、ディティアが頷く。


俺達に血結晶のことを教えたザラス。

あいつが、話していたような気がする。


病気が流行って、結晶が造れなくなった、と。  



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