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逆鱗のハルト  作者:
逆鱗のハルトⅠ

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163/847

依頼をこなすので。①

体調がほぼ戻りました。

更新ペースも出来る限り戻します!

ギルドでは、ざわざわとさざ波が立っていた。

冒険者達はカウンターにいるパーティーを盗み見ては、さらに波を立てる。


(あれが白薔薇?)

(見たことある、あれ不屈のボーザックだ)

(その隣、疾風だろう?)

(凱旋、見たよな?あれ、逆鱗だ)


ざわざわ……。


……そんな視線と囁きを背中に受けながら…。


「久しぶりだなこの感じ」

グランが、ちょっとにやつきながら髭を擦った。


今日もごつい巨躯の男の髭は、綺麗に整っている。


「ボーザックの名前も聞こえるね」

ディティアがにこにこしてるから、俺は笑った。

「いつも通り、疾風も呼ばれてるけどな」

「なんか、俺まだそわそわするよ-。ティアは慣れたもんだね」

ボーザックが、頬をかきながら照れたように視線を泳がせる。

「確かに、最初の頃よりは慣れたかもしれないなぁ」

対するディティアは、落ち着いていた。


とりあえず、伝達龍が到着するまでは、依頼をこなすことにした俺達。

今日は、まずルクア姫からの依頼の報酬を受け取るところからだ。


カウンターで少し待っていると、手の空いたギルド員がぱたぱたと走ってくる。

「お待たせしまし……って、白薔薇の皆さん!?」

女性のギルド員は、本当に、見ても分かるほどに後退った。


あれ、この人。


「よお姉ちゃん。『伝言』は今日は無さそうか?」

グランが手を上げて笑う。


そう。

王都で遺跡調査依頼を受けた時、シュヴァリエからの伝言とやらを朗読させられたあの女性だった。


「うう、その節は本当にどうも……今日は伝言は無いのですが…その、豪傑のグランさんの名誉勲章をお預かりせねばならず……」

おずおずと話す女性は、既に冷や汗をかいていて。

すんごく可哀想である。


「名誉勲章を?……そうか、2つ名…」

「え?あ、はい。……しかも、必ず1時間で加工を終わらせるように閃光のシュヴァリエ様が」

心なしか、周りのギルド員を窺う彼女。

周りも、興味津々といった様子で、ちらちら見ている。

彼女は、唇を引き結んで、ゆっくりと頷いた。


「どうしたんだ?何かえらく視線を感じるんだけど……」

思わず聞いたら、ギルド員は、ばしっと姿勢を正した。

「あっ、あ、はい!」

「?」

「豪傑のグラン様、不屈のボーザック様、そして逆鱗のハルト様……」

「なになに、俺達何かした?」

ボーザックが不安そうな声をあげる。

ギルド員は首を振って、半泣きで言葉を紡いだ。


「お付き合いされている方は、いらっしゃるのでしょうか」


……。

…………。


「はあ?」

グランが、心底呆れたような声を出す。


「も、申し訳ありません!こ、これはギルド員の女子と、冒険者の皆様……特に女子……からの正式な依頼でして」

彼女は半泣きで手を振る。

俺は呆れを通り越して、感心してしまった。

「つくづく運がないんだな」

言ってあげると、彼女はますます肩を落とした。

「何だか貧乏くじばっかりでして……はあ」


******


結局、颯爽と現れたギルド長ムルジャの「何をなさっているのですかな?」というひと言に、ギルド員も、聞き耳を立てていた冒険者達も、さあーーーっと散っていった。


残された目の前のギルド員は、可哀想に、恨めしそうだったけど。


とにかく、ムルジャの指示で個室に移動。

そこでお茶をすすっていると、グランがため息交じりにファルーアに言った。

「冒険者なんてしてたら、相手なんて……なあ?」

すると、ファルーアがしっしっと手を振る。

「ちょっと。どうして私に言うのよ?……別に見付けようと思えば見付けられるわよ?私」

「ええ-、そんなに簡単じゃないよねー。ファルーアだもん」

「あら、消し炭になりたいのかしら?ボーザック」

ボーザックは眼を見開いて首を振る。

「うぇ!?いやいやいや!褒め言葉だってば!ねえ、ハルト?」

「巻き込むなよ……」

肩を竦めると、隣にいたディティアと眼が合った。

彼女はにっこりすると、首を傾げる。

「ファルーアなら、すぐだと思うなあ?ね、ハルト君」

「いや、だから俺に振らないで……というか、ほんと…動きが小動物だよなあ」

手を伸ばし、よしよしーと愛でようとすると、ファルーアに殴られた。

ぼごっ、と音がして、背中が痛む。

「うぐっ、い、いってぇ……」

「馬鹿。……この話題でそれをやるあんたの神経、疑うわよハルト」

「あははっ、ハルトらしいねー」

「本当にね」

ディティアも笑い出す。


そこに、ムルジャが戻ってきた。


その手には……書状?

それから、見たことない速さで回されるペン。


「早速ですが、よろしいですかな?今回の報酬ですが、大半はジールとなります」

すっ……

出された書状に、皆で頭をつき合わせて視線を落とす。


いち、じゅう、ひゃく……………


「うわ!?何だよこの金額……!」

やばい。

見たことない額だった。


グランが、ごくりと息を呑む。


「ジール以外ですと、豪傑のグラン、貴方の2つ名も報酬となっております。そして僭越ながら、当ギルドでの宿屋宿泊費の免除を」

さらに言ってくるムルジャに、俺達は顔を見合わせた。


「その代わり、依頼はバシバシこなして頂きますので、よろしくお願い致しますぞ」


いつもありがとうございます。

体調崩してるのに仕事はあるしでてんやわんやでした。


毎日更新を続けますが、投稿出来ない日ってもっと簡単に記載できないのかなぁ…と考えています。


ブックマークが増えてきて、

みなさまのおかげでテンションだだあがりです!

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