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胸騒ぎ

胸騒ぎ。


それが何に対してのものなのかなど、分からない。


ただ、なぜか脳裏に浮かんだのは、アイツの儚くて悲しげな微笑み。



リンは城内を全速力で駆けた。

何人か人を突き飛ばした。

衛兵の制止を振り切り、ドアを勢いよく開け放つ。


目に飛び込んできたのは、

窓から外へ、今まさに落ちようとしている、アイツの後ろ姿。


「カノン!」

意味がないと分かっているはずなのに、気付くとそう叫んでいた。


アイツの身体が、窓の外へと消えてゆく。


リンは鞘に入った剣を左手から投げ捨て、地面を蹴った。

窓へと一直線に飛び、外へ出ると急降下する。



間に合ってくれ…!


リンは無我夢中で、手をのばした―――



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