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悪魔な魔女と悪魔な悪魔のある日

作者:

は!つ!と!う!こ!う!(初投稿)

未熟ですががんばりました。


悪魔とは、残虐非道である。


悪魔とは、災いである。


悪魔とは、悪である。


………そのはずだ!絶対そうだ!!

…なのに、この扱いは……。



「朝だ。起きろ。」

「……むにゃ…」



「…起きろと言ってる。」

「……すぅ…」


……


「おっ!きっ!ろ!!」

「……………ニャハッ♪……すぅすぅ…」


………ぴきっ…

黒髪、黒い瞳、黒いマントで身を包む青年。

整った顔つきだが、その彼も今は怒りにその顔を歪ませる。彼は部屋を出て、ドアを開けたまま部屋の前で自分の周りに結界を張り、振り返る。


「………」

「……くぅ…」


壁全体がピンク色の部屋の中は動物のヌイグルミで埋めつくされており、その中心に大人5人は横になれるであろうな豪華なベッド。

そこで寝ているのは今年で16歳になる少女。

肩口で切り揃えられたオレンジ色の髪。

今は目を閉じているのでわからないが瞳の色は海を連想させる蒼。

黄色のパジャマを着て、気持ちよさそうに寝ている。

その少女に彼は……


「『我が呼び声に答えし蝿の王の眷属共。ベルゼブブとの盟約に従い、愚者を飲み込め!』」


青年の1m先に丸い影が浮かびあがり、そこから這い上がってくるのはクモ、ムカデ、芋虫、サソリ……。

影から召喚された虫の大群はあたかも影が伸びるようにベッドに…、少女のもとへと向かう。

その足音に、気配に、もしくは、長年の勘か。

少女が目をうっすらと開く。


「………」


横に寝返りをうつと部屋のドア付近からこちらに虫の大群が押し寄せてくる。


「………ギニャーーー!!!!!」


少女が飛び起き、虫の居る方向に炎の玉、それも、部屋を埋め尽くすほど大きな火球を放つ。

炎は虫の大群を蒸発させ、部屋のヌイグルミをもまき込み、直線上にいた青年をのみ込む。

あらかじめ結界を張っている所を見るとこのような事は慣れているらしい。

炎が止むと青年は火球により出来た、先ほどまでドアのあった大穴から平然と部屋に入る。

少女は汗だくで息をきらし、胸を押さえる。

青年はベッドから少し離れた所から少女に声を掛ける。

なお、結界はまだ解いていない。


「朝だ。飯をさっさと食いに来い。」

「あほかぁぁーーーー!!!!」


右手を青年に向け、握りこぶし程の大量の氷の塊を放つ。


「マカ。部屋で魔法を使うのは片付けが大変だからやめろと言ってるだろう。」

「誰のせいよ、誰のっっ!!」

「毎朝なかなか起きないお前を起こす俺も身にもなってみろ。」

「毎朝魔法で虫や泥水!電撃!火あぶり!吹雪で起こされる私の身はっ!!!!」

「大丈夫だ。手を抜いているから。」

「だからって!やっていいことと悪いことがあるでしょう!!」

「ふむ。俺の腕を信用しろ。ちゃんと死ぬ瀬戸際を見極めているから。最近、少しずつそのまぎわでやめれるようになってきたところだ。」

「なお悪いわぁぁぁぁっっ!!!!!!!!!」


さきほどから俺の言葉にツッコミつつも魔法をとめようとしない少女。

名を『マカ=フランシス』。魔力がずば抜けて高いが魔法の勉強が嫌いでインドア派の魔女。

一般の魔法使いでも10種ぐらいの魔法を使えるのが普通だがこいつは3種のみ。

しかし、魔法使いが使える魔法の属性は1人1種。

火の属性をつかさどる魔法使いであれば、【火】の呪文しかできない。

しかし、こいつが使える3種全ての魔法が別々の属性を持つ。

あいつが使える魔法の属性。

それは、

【火】、【水】、そして【古】。

【火】、【水】は先ほどのとおりである。

そして【古】。こいつの持つ【古】の属性の魔法は[召喚術]である。

【古】は特殊で他の属性に分類できない魔法の大半がこれにあたる。

その中でもこの[召喚術]。俺のような異世界のモノを呼び出す魔法である。

…そう、この俺も異世界より来たりしモノ。

人は俺のことをこう呼ぶ。その名は……


「あーちゃん。着替えるから部屋から出てって。」

「あーちゃんじゃない!アモンだ!!」

「いいから、さっさと出てけ!!」


…こほんっ。人は俺のことを『悪魔:アモン』と呼ぶ。

さて、ソロモン72柱の魔神の1柱で、序列7番。40のデーモンの軍団を配下に置き、貴公子の称号を有する俺がなぜ、この女の家に居候をしているかというと、この馬鹿が古代魔術書を片手に暇だったからという理由で適当に呪文を唱え、そのでたらめな魔力で俺を召喚し、契約を結んでしまったからである。

なお、悪魔は召喚した者と契約を結ぶ。

召喚した者の願いを叶える代わりに対価をもらう。

対価は願いの内容に関わらずに悪魔のほしい物【命】を差し出さなければならない。

なお、拒否した場合でも召喚された代価として召喚した者の命を奪う。

これは、悪魔契約の決まりである。

さて、この俺もこの女と契約を結んだのだが契約内容が7800年生きた俺も、…いや、魔界にとっても前代未聞である。

この女と結んだ契約内容。

それは…


ー数ヶ月前ー


「汝、願いを言え。汝の魂を我に捧げるならば、いかなる願いも叶えよう。」

「………」

「汝の願いはなんだ?富か、名声か、若さか、力か?」

「………」

「……おい、娘。なにを赤くなっておる。さっさと願いを言え。」

「ひゃうぅぅっっ!あっ…!あぁー、はいはい。願いね、願い。」

「そうだ。さっさと言え。」

「んーと、えーと、……。」

「…貴様、私を馬鹿にしているのか!まさか、願いもなく私を召喚したのではあるまいな。」

「えっ!?…あっ、あはははは!そ、ソンナワケゴザイマセンデショウョ。」

「…さっさとしろっっ!!!」

「ひゃっ!はいいぃぃぃぃっっ!!!(まいったわね。暇つぶしで呼んだなんていえないわよ!かといって、この若さで死にたくないし。…にしても、この悪魔ってかっこいいわね。服装はいまいちだけどこれほどの男なんてそんじょそこらにいないわね。ちょっと見とれたじゃない。…っっじゃなくて、何考えてるのよ私はっっ!!だめよ!こいつは悪魔。人じゃないのよ。…でも……)」

「まだか!」

「…よしっ、決めた!!」

「とっとと言え。」

「貴方が欲しいっ!!」

「………」

「………」

「………はぁっ?」

「貴方が欲しいのっ!!」

「…なにを言ってる?」

「貴方。名前は?」

「…アモンだ。」

「よしっ!じゃあ、契約内容は【召喚者『マカ=フランシス』の命尽きるまで『悪魔:アモン』は共に暮らすこと。】で決まり!」

「………」

「………」

「却下じゃあぁぁぁ!ぼけぇぇぇっっ!!!!!!」

「ふぅぅん。悪魔契約って悪魔側に契約に対する反論の権利ってないわよね?」

「うぐっ!」

「ってことで、今日からよろしくね、あーちゃん。」

「よろしくじゃねえぇぇっっ!!!!ってか、あーちゃんはやめろ!!」

「あーちゃん、あーたん、あーりんのどれがいい。」

「他にないのかよ!!」

「さっさとする!」

「…その中…だったら…あーちゃん……。」

「これからもよろしくね、あーちゃん♪」

「…くそっ。」

「そういえばさぁ…。」

「…なんだ。」

「しゃべり方、素になってるわよ。」

「………」

「………」


ー現在ー


ということで不本意ながらもこの女と暮らすことになってしまった。

ちなみに、食事は俺が作ることになっている。

ソロモン72柱の魔神の1柱で…(中略)…を有する俺がなぜおとなしく食事を作っているかというと…命が危ういからだ。

けっして、マカが恐ろしいわけじゃない。ソロモン72柱の魔神の1柱で…(中略)…を有する俺が人間ごときに負けるはずがない。

恐ろしいのは…あいつの作った………料理………いや……カオス……。

悪魔は人間とは比べ物にならないほどの身体能力と生命力をもつ。

その悪魔の上位種である俺を殺しかけるカオス(料理?)を錬金(料理?)するあいつこそ悪魔ではないのか…?

なんなんだ?あのオムレツは……。かかっているソースはピンク色で玉子の部分が銀色。

しかも、中は…………

……

………やめよう。この世のものでは決してない。

だが、あいつは「きれいなオムレツでしょう♪がんばっちゃた!」と笑いながら普通に食う。

俺は怪しいのでこっそり地獄の餓鬼を召喚し、毒見をさしたら………

………破裂した。

どういう仕組みかはわからないが餓鬼が木っ端微塵に破裂した。

俺はしばらく固まり、カオス(料理?)を異次元のはるか彼方に封印した。

そして、あいつの錬金(料理?)も全力で封印した(脅した)。

錬金(料理?)に使った道具、キッチンは魔法で破壊し、新しいのを魔法で作った。

それから、料理は俺が作らざるおえなかった。

貴公子のたしなみとしてありとあらゆる事は人に自慢できるほどの腕をもつ。

その俺が作った料理を前にマカは不機嫌そうに目玉焼きをフォークで突っついている。


「…何ふてくされている?」

「虫の大群で起こされれば誰だってそうなるわよ…。」

「他にどう起こせと?」

「そーねぇ、たとえばぁー。」


マカは右手の人差し指をあごにつけ、かるく首をかしげて上をみる。


「朝、ベッドの横で《朝だよ。起きてよマカ。》ってやさしく声をかけて、それでも起きないわたしに《もう、しょうがないな。このお寝坊さん♪》っていいながらわたしに顔を近づけて、《おはよう、僕のマイ・ハニー♪》っていいながらわたしの唇に…。」


顔を真っ赤にそめ、両手で顔を隠し、イヤンイヤンと体をくねらせる。

こいつの奇妙な行動になれてしまった自分が1番恐ろしいかもしれない。


「きもい。下等種が、身の程を知れ。うじ虫から尺取虫に進化してから言葉をしゃべろ。いや、おまえの場合は性根を便所コオロギからカマドウマなみの清潔感にしてから存在しろ。あと、料理を人並みにしてから1人暮らしをしろ。おまえのは料理とは言わない。カオスだ。

どうせ、練習しても無駄だから二度とキッチンには近づくな。お前のカオスは世界を滅ぼす。あと、あーちゃんって呼ぶな、なれなれしい。」

「うわぁーん!あーちゃんがいじめるよー!」

「あーちゃんと呼ぶな!アモンだ!その年で幽霊がこわくて夜中トイレにいけなくて漏らした分際で!!」

「漏らしてないもん!あーちゃんのばか、変態!」

「あーちゃんじゃない!アモンだ!」

「……ちゃんの……。」

「やばっ!」


俺は急いで結界を張る。


「あーちゃんのばかー!!!!」


マカの右手が炎につつまれ、結界を張っている俺に向かい右ストレートを放った。

くっ!マカを起こすのに魔力を使いすぎた。マカの部屋の修復を魔法でしたのが失敗だったか。


「あーちゃんなんか…」


マカの左手が氷につつまれ、人間5人分の重さのありそうな禍々しい腕に変貌する。

たとえるなら、地獄の大鬼が憑依しているような。腕だけではない。マカから発する殺気は地獄の大鬼をもしのぐ。


「ふっとベーーーーー!!!!!!!!!!!!!!」

「ぎゃあああぁぁぁっっっーーーーー!!!!!!!」


結界は粉々に砕かれ、アモンは壁を突きぬけてとんで行った。


「まったく…。」


少し顔を赤くし、ため息をつく。


「……漏らしてないもん…。」


羞恥心で顔を赤くする。


「まぁ、あーちゃんに責任とってもらうからいいんだけどね♪」


さらに顔を赤くし、うれしそうに朝食の残りを食べ始めた。




「…やっぱ…り、あいつ……悪魔なんじゃ…ないか…?」


マントはボロボロ。頭には葉っぱををのせ、木の枝を杖にして歩くアモンはそう悪態をつく。


「こんな姿は魔界の連中には見せれんな。」


そう言いながらもすでに回復しているのは悪魔だからか、それとも、彼が慣れたからか。


「…ふぅ。」


アモンは近くにあった岩に腰掛け、ため息をつく。

アモンは気づいている。今すぐ魔界に帰る方法を…。

契約内容は【召喚者『マカ=フランシス』の命尽きるまで『悪魔:アモン』は共に暮らすこと。】。

『マカ=フランシス』の命尽きるまで共に暮らす。裏を返せば、マカの命が尽きれば魔界に帰れる。

契約内容には死亡原因は決めていない。つまり、どのような方法、たとえ殺されてもマカが死ねば契約は廃棄される。

そう、アモンがマカの命を…。


「…ふぅ。」


しかし、彼はしない。人間の命を奪うことに抵抗などない。

むしろ、それを楽しむ悪魔の方が魔界には多い。

だが、彼はマカの命を奪うことはしない。

なぜかは誰もわからない。理由は彼の心の中にあればよい。


「さて、行くか。」


彼は歩きだす。今頃は暇になり、アモンの帰りを待っているであろうマカのもとへ。

そんな彼女のことを…


「帰ったら蛇でも召喚するか♪」


彼女へのお仕置きを考えながら足を進ませる。




ー30分後ー

「昼飯だ。腹いっぱい食え。」

「蛇はイヤーーーー!!!!」



こんな小説を最後までお読みになりお疲れ様でした。

少しでも笑っていただければ幸いです。

本当にありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 書き方や内容は良かったけど甘すぎで私好みじゃなかったです。けどこういうのが好きな人も多いと思うんで頑張って下さい。
[一言] 文章が短すぎると・・・←(キツッ!
[一言] では、評価します。 まずドタバタコメディーを目指したのでしょうが、ドタバタしすぎです。読む方が置いていかれました。 とりあえずサド的思考がある魔法使いに酷いことされるのですが、まずその酷いこ…
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