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元管理職、経済力で異世界を支配する  作者: わた
一章

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第三十一話 一夜

叫び声を聞いたガルドさんがすぐにやってきた。


「おい!どうしたんだ!」


俺の血を見たのかそういった。

「あの!この街の医者を読んでください!急いで!」

「落ち着けって!医者なんて大都市にしかいないって!」

「は?医者とかどんな街でもいるだろ!」


ついつい口調が強くなってしまう。


「おいおい?何が起きたんだ?お前らしくないな。」

「実は…」

インベントリのこともこの際だったので、話してしまった。


「そんなことがあったのか。医者は前に言ったグランマルクならあるはずだ。」


今すぐにでも行きたいところだが今日はもう暗い。行くとしても明日出発だ。


夜は、やけに長く感じた。


椅子に座っているはずなのに、落ち着かない。

何度も立ち上がり、また座る。


「きっと大丈夫ですよ」


レナが静かに言った。

だが、その声も震えている。


大丈夫なわけがない。

インベントリの中にいるソラは、時間が止まっている。

つまり、助かってもいないし、悪化もしていない。

ただ止まっているだけだ。


「……今すぐ行くべきか」


思わず呟く。

夜でも走れば、いや、無理だ。

この街からグランマルクまでは距離があるらしい。

それに、さっきの連中がまた来る可能性もある。


「焦っても、意味ないですよ」


レナがこちらを見る。


「……分かってる」


分かっている。だが、絶対に止まれない。

そのとき、ガルドが腕を組んで口を開いた。


「その紋章、見せてみろ」


倒した男の装備から外した印を渡す。

ガルドの顔色が変わった。


「……やっぱりか」

「知ってるのか?」

「ああ。あまり関わらないほうがいい連中だ」

「どんな奴らだ?」


少しの沈黙のあと、ガルドは低く言った。


「裏の連中だ。この国の裏側を仕切ってる」


やはり、ただの強盗じゃない。


「金の流れ、物資、人、全部に噛んでる」

「……つまり?」

「目をつけられたら、終わりだ」


レナが息を呑む。

だが、俺は逆に冷静になっていた。


「なら、なおさらだ」

「……何?」

「こいつら、潰す」


ガルドが目を細める。


「簡単に言うな。相手は国と繋がってる可能性すらある」

「だからだよ。こんなのを放っておいたら、また同じことが起きる」


ソラみたいに。

また傷つく。


「……行くのか」

「ああ」


迷いはない。


「グランマルクでソラを治す。そして、」


拳を握る。


「必要なら、国ごと潰す」


空気が張り詰めた。

ガルドは何も言わなかった。

ただ一度だけ、こちらを見て、小さく息を吐いた。


それ以上の言葉はなかった。

ガルドは今日のところは帰ると言って去っていった。


レナは壁にもたれ、いつの間にか眠っていた。

無理もない。あれだけのことがあったのだ。


俺は眠れなかった。


目を閉じても、さっきの光景が何度も浮かぶ。

血。叫び声。倒れるソラ。

守れなかった。


「……なにか、足りない」


自動解析があれば、どうにでもなると思っていた。

だが違った。

対応できる力がなければ意味がない。


「なら、やるしかないか」


静かに立ち上がる。

インベントリを開く。

中には、時間が止まったままのソラ。

その隣に、いくつかの素材を並べる。


蓄熱石。鉄。木材。

さっき回収した装備の一部。


装備が粒子のように崩れ、構造が頭に流れ込んでくる。

刃の形状。重心。強度。

無駄のない設計。

ただの武器じゃない。

戦うために最適化されている。

それを再構築する。

だが、そのままじゃ足りない。


「改良する」


イメージを重ねる。


もっと軽く。

もっと速く。

もっと扱いやすく。


何度も分解し、何度も組み直す。

気づけば、外がわずかに白んでいた。

手の中には、一振りの短剣。

見た目は変わらない。

だが、中身は別物だ。


「……試すか」


外に出る。

朝の空気が冷たい。


適当な木に向かって、振る。

一閃。

音が遅れて届く。

次の瞬間、木がずれた。


「……は?」


自分でも理解が追いつかない。


「威力、上がりすぎだろ……」


次に、自分の動きを試す。

見えているのに、体が追いつかない。


これが今の限界。

俺は自動解析を、自分自身に向けた。


【提案:身体性能最適化】

現在のステータスを戦闘特化型へ再調整可能

負荷:大

成功率:高


やってくれ。

次の瞬間、身体を激痛が襲った。

一気に筋肉痛が来たような感覚だった。

でも痛みのレベルが違う。


そのまま俺は気絶してしまった。

次の日に目が覚めると痛みはなくなっていた。


特に見た目に変化は…

あるな。もともと169cmの身長だった。

が、自動解析の結果なのか180cm近くになっている気がする。


自分のステータスを確認する。


――ステータス――

レベル:50


名前:ソウマセイジ

年齢:27歳

身長:181cm(169cm)

体重70(60)kg

さらに詳細


解放スキル:

【価値支配】

【構造再編】

【空間制御】

【人材管理】

【戦術補助】

――――――――――


()の中の数字がもとの数値だろう。


身長だけでなく、体重も増えている。

もともと痩せ型だったが、70kgにまでなったのか。


これなら動けるようになったはずだ。

まだ外は暗いが早めに旅に出る準備をしよう。

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