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元管理職、経済力で異世界を支配する  作者: わた
一章

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29/40

第二十九話 こたつはブラックホール

前後のつながりが欠片もないです。

すみません。

こちらのミスで、30話が一時ネタバレになったかもしれませんが、展開を少し変えて出そうと思っています。

さて、10時になったので新台入替、ではなく新店舗開業しよう。


初日なので少しは人がやってきてほしいな。

やってきたらこたつに吸い込まれていくはずだから。


ちなみにこたつは土足で入ることを禁止した。使うつもりはあまりないが、汚れるとあまり気分が良くないからな。


…誰も来ない。一時間はたっただろう。

一応街の真ん中ではあるはずなんだが。屋台のように移動式にしたほうが良かったか?


宣伝して回ろうか。でも既に今、二人には外で宣伝をしてもらっている。店番がいないと誰も入ってこない。


ただ待っているだけなのも暇だ。昨日のコンロを改善でもさせよう。買わなくても自分で作ればいいのはありがたい。


自動解析が暴れないように自分で考えてみよう。

蓄熱石の火力を上げればコンロ的なものにはなるんじゃないか?


そんなことを考えて、コンロを作っていた。


「ようやくできた!」

サイズは一般的なものだ。火力は今から実験しよう。食材がほしいな。


そういえば、前に屋台のおじさんからもらった鶏肉があるじゃないか。

インベントリ内のものは時間が進まないからまだ腐っていないはず。


鍋もフライパンも自分で作れる。調理油がほしいが、仕方がないか。


部屋の中で匂いがつくのは嫌だから外で作ろう。


ということで始まりました。

10分クッキングの時間です。

自炊は大学、会社員の時代にやっていたから料理の腕前は悪くないはず。


色々やって焼き上がった。でも、味付けが淡白になってしまうな。塩か醤油でもあればいいんだけど。


そういえばこの国の水なんか塩辛いんだよな。

ガルドさんの家で水道水をついだら飲むのはやめとけって注意されたし。

もしかしたら塩分が多少なりとも含まれてるかも。


常設の水道から水を取ってきた。詳細鑑定を使う。


――鑑定結果――

名称:生活用水(リムベルク地下水)

塩分:微量含有

ミネラル:中程度

魔素:低濃度含有

飲用適性:低

長期摂取:非推奨

――――――――――


やはり、塩分が含まれている。でもその下の魔素ってなんだよ。今まで見たことなかった表記だ。


蓄熱石のときも思ったが、この世界は前の世界とは違う力が働いているのかも。


でも、そんなことよりも塩分だ。

鉄のバケツをまず作る。その中に水を満タンにいれる。インベントリに収納する。



【戦術補助】にたしか時間加速があったのは覚えている。さあ、インベントリ内の一部のものだけ時間を進めることはできるかな?


「おお!」

自動解析でインベントリに作用させることができた。バケツの中には塩がたくさん含まれている。


詳細鑑定にかけたが特に病原菌もなさそうだ。

焼き鳥に塩をまぶそう。これで焼き鳥が完成した!


歓声が起こった。まあまあ、それほどでも。

って、まてよ。

眼の前に長蛇の列ができていた。


一番前の人に話しかける。

「あの、これってなんの列ですか?」

「ここが、今日から開店の店じゃないんですか?」


聞くところによると町で宣伝があって、それを見てきたら、美味しそうなものを作っていたから見ていたらしい。


まさかの店の開店待ちだったようだ。

OPENの看板もないし、中に人もいないから店に入りにくかったのかもしれない。


二人が頑張って宣伝してくれていたのに俺は呑気に飯を作っていたのか。申し訳ないな。


気を取り直して店を始めよう。

俺が店に入ると後ろの列の人たちがどんどんついてきた。


これはもしかしたら期待できるかもしれない。


店に入るとまずみんなが目につくのはやはりこたつだ。


「あの、これはなんですか?」


先頭にいた女性が聞いてくる。


「これはこたつと言って内側が温かい机のようなものですね。」


女性はそのまま、ふらりと吸い寄せられるようにこたつへ向かう。ブラックホール並の吸引力だ。


「あ、靴は脱いでくださいねー」


いつの間に帰ってきていたのか、後ろからソラがすかさず声をかける。

女性は靴を脱いでこたつに足を入れた。


数秒後。


「……っはぁ……」


……うん、だめだ。もう立つ気配がない。


その様子を見て他の客がこたつに入ってきた。


「ちょ、ちょっと詰めてください……!」

「すみません、足が、動かなくて……」


こたつの周りに人が密集している。

だが、誰も不満そうではない。


むしろ、


「ここに住みたい。」

「帰りたくない。」


完全にダメになっている。


「回転率、終わったかもな。」

「ですね」


レナが苦笑しながら頷く。


「店、閉められなくなるんじゃないですか?」

「……そのときは」


俺は少し考えてから答えた。


「強制排出機能でもつけるかな。」

「絶対嫌われますよ、それ」


店の中では、また一人、こたつに足を入れて動かなくなる客が増えた。

みんなこたつ目的になっている。


「あの、こちらの商品2000クレドで販売中です。」


すこしざわついている。

それもそうだ。

2万クレドは、感覚が麻痺してしまい、30万クレドの借金を負っている身からしたら少ないが、本来はかなりの大金だ。


流石に1日で買うのを決める人は少ないか。何日かよってもらうことにしよう。

そんなことを思っていた次の瞬間、


「買います!オーダーメイドで2万クレドなら売り切れてしまうかもしれないし。」

誰かがそう叫んだ。

それを境に、


「わ、私も買います!」

「私も!」「俺も!」「俺も!」


わ〜、大量だ〜。


「はいはい、買いたい人はここに並んでくださいね〜。配送はこちらでしますので住所をご記入ください。」

「他にもオーダーメイドで作れるものは店に並んでいま〜す。」


二人とも商売上手だ。

これなら、初日から大繁盛かもしれない。

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