第十七話 姉妹と相まみえる
奴隷たちが暮らしている場所を通った。
空き部屋があったので中を覗いてみた。
ネットカフェの個室が少し広くなった空間だ。
あくまで最低限といった印象だ。場所によっては何百人も扱っているところもあるらしいので設備に回すお金が足りないのかもしれない。
奥に進んだところで商人は左に曲がった。普通は一人部屋なのだが、その部屋だけ二部屋ほどの広さになっていた。
「こちらになります。種族は人間ですね。」
「人間じゃない種族もいるんですか?」
「たまに魔王領からの捕虜や獣人が送られてきたりします。」
魔王がいるのは知っていたが、獣人もいるのか。
戦争状態の国の捕虜も時々送られてくるらしい。
商人は鍵を取り出して部屋を開けた。
部屋には女の子が二人いた。
「姉のソラ・レイアスと妹のレナ・レイアスです。」
そう商人が説明した。
特徴は黒髪ロング。振り分け髪に近いがそれよりも少し長い。
顔立ちもガルドさんたちに比べると日本人に近い気がする。
まさか俺みたいな状況じゃないだろうな。
「買うとするならば二人ともになりますか?」
「いえ、本来は別々に売ることも可能なのですが……」
するとそこで二人が
「お願いします!二人まとめて買ってください。二人で1万クレドでいいので!」
といっている。
「値段は奴隷が決められるのですか?」
「買ったときのお金は奴隷のものなります。10万クレドを自力で稼いで、自分を自分で買う奴隷もいるそうです。」
二人で1万クレドなら一人5000クレドだ。
他の奴隷の相場は一人2万クレドらしい。
所持金を考えると使うお金は1万クレドほどに抑えたい。
迷っている俺を見たのか、姉が頼み込んでくる。
「私達、唯一の肉親なんです!どうかお願いします!」
もとから従業員は増やす予定だったから買うのが少し早くなっただけだと考えればいい。
「支払いは二人でいいですか?」
姉と妹が同時に顔を上げる。
「二人とも買っていただけるのですね!ありがとうございます!」
「ありがとうございます!」
そうして俺の生活に、新しい同居人が二人増えた。




