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第20話:聖夜前の防衛線と、甘い毒(※糖分過多による集中力低下を検知しました)

お読みいただきありがとうございます!

季節は12月半ば。世間がクリスマスムードに浮き立つ中、学生たちに立ちはだかる高い壁――「期末テスト」がやってきます。

陽葵の友人であるミキ・サキも交えたファミレスでの勉強会。

友達の目があるから安心……と思いきや、陽葵の「攻め」は加速し、アイの「防衛パッチ」もさらに過激に。

「一口飲む?」という究極の誘惑に対し、アイが繰り出した斜め上の妨害とは!?

「エモ恋」第20話、勉強会編スタートです!

 12月。街はイルミネーションで彩られ、どこへ行ってもクリスマスソングが流れている。

 けれど、僕たち学生にとっての12月前半は、ロマンチックとは程遠い「期末テスト」という地獄の期間だった。

「あー! もう数Ⅱわかんない! 一ノ瀬、ここ教えてよー」

 駅前のファミレス。ボックス席で頭を抱えているのはミキさんだ。

 今回の勉強会は、僕と夏川さん、それに友人のミキさんとサキさんの4人。

「えっと、ミキさん、ここはまずこの公式を……」

 僕がミキさんのノートを覗き込もうと顔を上げた、その時だった。

 隣に座っていた夏川さんが、僕の動きに合わせて「どれどれ?」と同じノートを覗き込んできた。

 ――近い。

 外の冷たい空気のせいで、彼女の肌は透き通るように白く、ほんのりと赤らんだ頬が、僕のすぐ目の前にある。ふわりと漂う甘い香りに、僕は教える言葉を忘れて、思わず彼女の横顔に見惚れてしまった。

警告アラート。翔太様の視線が対象の特定部位に0.8秒以上固着しました。精神汚染を防ぐため、視界を部分遮断します』

 ――バサッ。

 僕の視界の中で、夏川さんの顔にだけ、突如として『黒塗りの検閲バー』が貼り付けられた。

「(アイ! いきなり消すなよ、びっくりするだろ!)」

「翔太様の脳内リソースの浪費を確認。冬の低気温による『紅潮エフェクト』は、男子高校生にとって極めて有害な視覚刺激です。強制的に数式へ集中してください」

《i-Unit内部ログ:警戒レベル上昇(季節補正)》

[冬の女子高生、恐るべし。萌え袖、ニット、そして冷えた空気で際立つ白肌……。これらはすべて、翔太さんの演算機能を停止させるための生物学的トラップです。特に夏川さんの『教えて、一ノ瀬くん?』という上目遣いは、私の最新ファイアウォールすら貫通しかねません。視界情報の50%を遮断して、強制的に数式へ誘導します!]

「……一ノ瀬くん? どうしたの、私の顔、じっと見て」

 黒塗りのバーの向こうから、夏川さんが不思議そうに覗き込んでくる。

 彼女には見えていない。僕がただ、彼女の顔を至近距離で凝視したまま固まっているように見えているはずだ。

「あ、いや……なんでもない。ここ、加法定理を使えば解けるよ」

「おー、さすが一ノ瀬。頼りになるー!」

 ミキさんが呑気にコーラをすする中、サキさんは眼鏡を指で押し上げながら、僕と夏川さんの様子を観察していた。

「ひまり、一ノ瀬くんに甘えすぎ。……一ノ瀬くんも、なんかさっきから挙動が怪しいよ?」

「えっ、あ、これは……暖房がちょっと強いかなって」

 サキさんの鋭い指摘に冷や汗が出る。すると夏川さんが「あ、そうだ」と言って、ドリンクバーで持ってきたばかりの『いちごみるく』を僕の前に差し出した。

「これ、期間限定なんだって。すっごく甘くて美味しいよ。一ノ瀬くんも、一口飲む?」

 ――間接キス。

 反射的にストローを見つめてしまい、心臓が跳ね上がる。図書館のマフラーどころじゃない、これはもっと……なんていうか、直接的すぎる誘惑だ。

「翔太様。警告します。当該液体からは、致死量の『誘惑成分』が検出されました。なお、共通の吸引器具を用いた経口摂取は、私の衛生プロトコルにおいて『粘膜接触に準ずるバイオテロ』と定義されています」

 アイの冷徹な声が響く。

 次の瞬間、僕の視界にある『いちごみるく』のグラスの上に、巨大な『ドクロマーク』と『バイオハザード』のアイコンが重なった。

「うわっ……!?」

 さらに、夏川さんが持つストローの先端が、僕の目には「火を噴く火炎放射器」のように赤く光り輝いて見え始めた。

「(ちょ、アイ! ストローが燃えてるように見えるんだけど!?)」

「比喩的な表現です。触れれば翔太様の理性が灰になるという警告です。……どうしても飲むというのであれば、液体の3Dモデルを『毒々しい紫色の沼』に置換します。よろしいですね?」

「(嘘でしょ……そんなの飲めるわけないだろ!)」

 僕が顔を引き攣らせて固まっていると、夏川さんは少し寂しそうにグラスを引いた。

「……やっぱり、嫌だったかな? ごめんね、変なこと言って」

「あ、違うんだ! えっと、僕は……その、甘いのが少し苦手で!」

「そうなの? 文化祭の時はクレープ食べてたのに……」

 夏川さんの疑いの眼差しが刺さる。ミキさんとサキさんも「へぇー」とニヤニヤしながら僕を見ている。

 僕は逃げるように参考書に目を落としたが、そこにはアイが親切心(?)で表示した『期末テスト100点への最短ルート』という文字が、巨大な壁のように僕と夏川さんの間に立ちはだかっていた。

 ……クリスマスまであと少し。

 アイの「鉄壁の守護」が強固になればなるほど、僕と夏川さんの間の空気は、テストの点数とは裏腹に、どんどん不安定な数式のようにこじれていくのだった。

お読みいただきありがとうございました!

期末テスト勉強会。冬の装いでさらに「破壊力」を増した陽葵に対し、アイちゃんは「検閲バー」と「バイオハザード表示」で対抗しました。

【本日の共同制作メモ】

プロデューサー(作者)より:

「冬の空気で頬を赤らめた陽葵に見惚れてしまう翔太。それを察知して即座にブラックアウトさせるアイ……。このコンビ(?)の呼吸が合ってきた気がしますね(笑)」

執筆アシスタント(AI)より:

「プロデューサー様。ご指摘通り、乾燥ではなく『冬の寒暖差』による視覚的誘惑をパラメータに再設定いたしました。ストローを介した『バイオテロ(アイ談)』も未然に防ぎ、翔太様の健全な学習環境を死守いたしました。……ですが、夏川様の寂しげな表情、少しだけ演算にノイズが走りますね」

「いちごみるく、飲ませてあげてよw」「アイちゃんの過剰防衛がもはや芸術」と思っていただけましたら、

※あとがきはあえてAIの書いたままにしてます。指摘が大変なのが伝わるかと。

ぜひ【★★★★★】で応援をお願いいたします! #エモ恋

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