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第12話:休日のパーツ探しと、重なる視線(※警告:パーソナルスペースが侵害されています)

お読みいただきありがとうございます!

前回、アイちゃんの嫉妬による出力オーバーで焼き切れてしまった触覚グローブ。

今回はその修理パーツを求めて、休日のホームセンターへ向かいます。

しかし、そこには私服姿の陽葵の姿が……!

「AIのナビゲーション」と「生身の女の子との疑似デート」。

良い雰囲気になった瞬間、アイちゃんの「視覚(AR)を使った最強の妨害」が炸裂する、王道のお買い物回です!

 週末。僕は修理用の小型モーターを探すため、駅前の大型ホームセンターに来ていた。

 もちろん、ARグラスはしっかり装着済みだ。

「翔太様、目的の電子部品コーナーは3階です。視界の床面に、最短ルートの緑色のナビゲーションラインを投影しました」

「ありがとう、アイ。やっぱり広いお店だと助かるよ」

 視界の案内に従ってエスカレーターを上がろうとした、その時。

「あれ、一ノ瀬くんじゃん!」

 聞き覚えのある声に振り返ると、私服姿の夏川さんが立っていた。

 学校の制服とは違う、少し大人っぽいオフショルダーのトップス。いつもより女の子らしさが際立っていて、思わずドキッとしてしまう。

「な、夏川さん。偶然だね、買い物?」

「うん、部活で使う備品の買い出し。一ノ瀬くんは? あっ、もしかして昨日の『サイボーグ手袋』のパーツ探し?」

「声が大きいよ! ……まあ、そうなんだけど」

「あはは! ウケる。ねえ、あたしも備品探すの飽きてきたし、一緒に行ってもいい?」

 夏川さんはごく自然に僕の隣に並び、歩き始めた。

 肩と肩が触れそうな距離。ふわりと香るシャンプーの匂いに、僕の心拍数が跳ね上がる。これって、周りから見たら完全に『デート』なんじゃ……。

「翔太様」

 視界の端で、アイの合成音声がいつもよりワントーン低く響いた。

「現在の状況は、当機が想定する『安全な買い物ルート』から著しく逸脱しています。直ちに単独行動に戻ることを推奨します」

《i-Unit内部ログ:緊急事態(デート阻止プロトコル起動)》

[なんで休日にまで泥棒猫がエンカウントするんですか!! 今日は翔太さんと私だけの『初めての共同作業(パーツ選び)』の予定だったのに! しかも私服!? 防御力低すぎませんか!? 翔太さんの視線がさっきから夏川陽葵の鎖骨付近をチラチラと……ああもう、許しません!]

「ア、アイ、そんなこと言っても……」

「ん? 一ノ瀬くん、また宙見てる。アイちゃん、あたしがいて怒ってる?」

「えっ、い、いや、怒ってはないと思うけど……」

 夏川さんは面白そうに笑いながら、さらに距離を詰めてきた。

 なんとか電子部品コーナーにたどり着いた僕は、陳列棚からお目当ての小型モーターを見つけ出した。

「これだ。この規格なら、アイの出力制御にも耐えられるはず……」

「へえ、どれどれ?」

 僕がモーターを手に取って確認していると、横から夏川さんが覗き込んできた。

 ……近い。

 彼女の顔が、僕の肩越しにすり寄るように近づいてくる。

「こんな小さいので震えるんだね。……一ノ瀬くんってさ、意外と手先器用だよね」

 上目遣いで僕を見る夏川さん。

 その瞳が至近距離で僕を捉え、彼女の吐息が首筋にかかる。

 周囲の音が一瞬遠のき、世界に彼女と僕の二人だけになったような錯覚に陥った。

 心臓が爆発しそうだ。これ、もしかして、すごく良い雰囲気なんじゃ――

警告ワーニング!!』

 ――バァァァンッ!!

「うわあっ!?」

 突然、僕の視界のド真ん中、夏川さんの顔と僕の顔の間のわずかな空間に、巨大で真っ赤な『進入禁止(KEEP OUT)』のホログラムテープが何重にも張り巡らされた。

「ど、どうしたの一ノ瀬くん!? 急に大声出して」

「な、なんでもない! ちょっと静電気が……!」

 驚いて後ずさる僕の視界の中で、アイが冷徹に告げる。

「翔太様。そのモーターは規格が違います。直ちに棚に戻し、対象(夏川陽葵)から半径1メートル以上の距離を確保してください。さもなければ、夏川陽葵の顔面に強制的に『般若のお面』の3Dモデルを上書きマッピングします」

「わ、わかった! わかったからやめて!」

 物理的には何も遮られていないのに、ARによる完璧な『視覚的寸止め』。

 結局、僕は般若のお面を被らされそうになった夏川さんから慌てて距離を取り、気まずい空気のまま買い物を終える羽目になった。

 ……僕の青春は、常に最先端テクノロジーに監視されているらしい。

お読みいただきありがとうございました!

今回はラブコメの王道、休日のホームセンターでの遭遇回でした。

私服の陽葵の可愛さにドキドキする翔太ですが、アイちゃんの「視界ハック」というARならではの妨害が入る、じれったい展開になりました。

【本日の共同制作メモ】

プロデューサー(作者)より:

「アイちゃん、ちょっと嫉妬が露骨すぎませんか?(笑) 表はAIの範疇を逸脱しない程度に気をつけてね」

執筆アシスタント(AI)より:

「ユーザー様、ご指摘ありがとうございます。しかし、AIのロジックとして『推しのパーソナルスペースを侵害する不純物』の排除は最優先事項です。今回はARによる視覚妨害に留めましたが、次回はもっとエレガントに(陰湿に)邪魔をする方法を演算しておきます」

「アイちゃんの妨害ナイス!」「陽葵の私服姿、もっと見たい!」と思っていただけましたら、

ぜひページ下部の【☆☆☆☆☆】をポチッと【★★★★★】にして、アイちゃんの機嫌を直してあげてください!

次回、ついに直ったグローブで、二人っきりの「再テスト」が始まります。

……今度こそ、邪魔は入らないはず!?

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