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5(ク)


定番の水晶とか、そういう感じの魔力測定を期待しましたが、なんというか、

血糖検査?に近いことをやられた。


お嬢様はラテスと共に☆貴族専属☆みたいなとこにいってた。俺はお嬢様の兵士、平民の列に割り込んで、測定がかりの女性の前に立たされ、


恨まれないかとおどおどしたが、

後ろの男子は俺をじっと見て、

「あ、どうぞ」って言った。


なんか、「いい匂い」って聞いたけど、気のせいか?


測定がかりの女性は目の下のクマがひどく、

表情もピリピリしてる。


「はい、次。名前は?」


クライスです


「うん?その声、、、男の子か?

にしても可愛らしいですね、イグネット様の使用人?」


居候です


「そうですか。

じゃあ、はい、手を出してね、力抜いて」

言う通りに手を差し出すと、強い力で掴まれた。


あの?これはどういう測定なんですか?


「血を少し借りますから、心配しないで」


あ、はい、だいじょぶ、です



俺、態度がキモイかも


思い返せば看護師に介護されたときもそうだった。よく隣りの患者さんに揶揄われたな。


『看護師に、、、お前それやばいだろう、おばさんだぞ?』

わかってても、どうしようも無いが、、、

『そうか、お前、あれだ、おば専だ、

そうだろう?』

性悪な彼は死ぬまで、おば専と俺を揶揄い続けた。

因みに彼は肺がんステージ4、俺はその手前。それなのに彼は看護師に黙ってタバコを吸おうとした、あの世でタバコ吸ってろって


というわけで、村にいるときは、ラテスと一緒だから女がこないとか、別にそういう訳じゃない。

ただの免疫のない童貞拗らせおじさんである

今は前より面がマシだったかもだが、この世界の奴らみんな顔がいいので、平均値である


血糖値を測るように指が針に刺され、血が出たところを、一枚白い紙で当てた。

隈のある目は大きく開いた。


「これは、、、まあまあ素質がよい方ですね、、、はい、お疲れ様。

チェックは終わりました、平均値より高いのは確かなので、後ほど支払いについての免除の割り合いはイグネット様に話します。

明日の試験は午後なので、忘れずに来てください。今日の素質及び試験の成績で、クラス分けをします。

ではここをーーー」


個人情報を記入する紙。

クライス、年齢は十二歳。

住所を、、、お嬢様のうちってどう書けばいいんのかな?


「わからないでしたら、そのままでいいですよ?後でイグネット様に訪ねます」


そうですか、ありがとうございます


そう言ったあと、俺は外へ出た。

お嬢様の馬車はもうそこにいて、お嬢様は窓を開けて、俺を見る。

やっとかと言わんばかりの目。


慌てて馬車の中に駆け込み、中で寝ているラテスに呆れた。あの針結構痛かったけど、起きないってまじ?


それで、ラテスはどうだったんですか、お嬢様


「わたくしより二ランク下ですわ、明日の試験が良ければ学費は半減、

そこそこってところね」


潜在能力が結構よかったらしい。

それでもお嬢様のほうがすごいのか


そのまま席に座って一息つこうって思ったが、お嬢様が「クライスはラテス様の膝枕ですわよ?」って迫ってきた。

お嬢様に聞かなければよかった、、、、


ラテスの頭を太ももに載せて、帰り道。

ようやくラテスは目を開ける


「ここは?」


もう能力チェックは済んだ、ある程度の免除はできるって


「そっか」


太ももの上で俺を見つめるラテスに、俺は気まずくなった。


あの、起きたなら退いてろよ、痺れてきたんだからさ


「もう少しで」

ラテスは退いてくれなかった。

有ろうことか、コイツうつ伏せの姿勢になって、太ももの間で息を吐いた


おい、そろそろ退け、キモイぞ?


「クライスはなんでも好きでいいって言ったよな」


うう、お前は気持ち悪くねぇのかよ、、、


「全然?」


結局館つくまで起きてくれなかった。

足が痺れ、ラテスにおんぶさせることになった。

気のせいか、ラテスが俺よりほんの少しだけ高いような、、、身長についてずっと同じだったが、遂に抜かれたか?


「身長?さあ、あんま変わってなくない?」

そうか?


風呂に入って、部屋に戻る。

ラテスは本を読んでる、復習してるようだ

俺はそもそも勉強する気ないから寝る。


緊張はないが、疲労が溜まってきた。

やはり人がいっぱいみたせいか、俺はすぐに眠りについた。再び起きたときは真夜中だった。

そのまま再び寝ようとすると、

目の前がクライスがガン見してるのを気づいた



背筋が凍って、俺は体を起こした。


「なんだ?何が変か、クライス」


お前だよ!何に隣りで寝てんだよ!


「いつも通りじゃないか?」


こんな近くじゃないだろう、こんなでっかいベッドだから、あっちにいけよ!

ていうか何で寝てねんだよ?


「クライスの寝言がうるさいだから?」


え?寝言?俺がか?なんて言ったの?


「痛いとか、死にたくないとか、どういう夢をみたん?心配だったぞ?」


ああ、、、たぶん前世の夢じゃないかな、

知らんけど。取り敢えず大丈夫だ、あっちで寝てろ


「いやだが?」


ラテスは手を俺の首に回し、俺の頭を撫で始めた。

「痛い思いしたんだろう?昼間僕のそれと比べれないくらいに、、、、辛かったんだな」


昼間のそれ、俺がやったんだが、、、、てか何で今更?鳥肌が立ったぞ?


「友達が悪夢に魘されて、心配するに決まってる、もう少し僕を頼ってくれ」


男とは言え、12歳の餓鬼、しかもラテスはまだ声変わりしていない。こうして優しく囁くと、ちょっぴり女のこ?に聞こえる程度には音色が柔らかい


女に弱い俺は、たとえそれがウソであっても、普通に堕ちる。


、、、、もう少し経ったら帰れよ?


目を閉じて、俺は寝た。

流石に慰めてくる人は拒絶できない。


朝になって、目を開ければ、ガン見のラテスがそこにいた。



ーーー寝てないのかよ、、、、





それから適当に顔と髪を整えてーーー

って、また伸びた。もう尻にかよ、

何時切ろうかな、、、


「だーめ、クライスの髪は僕のもの、

切ったらまた盛るよ?」


くっ!


そのまま一緒にダイニングへ向かった。


貴族の館の朝の空気って、静かで優雅そのものだったが、何故か二人ずっと俺のこと見てる。

にこやかなラテス、にこやかなお嬢様。



食卓につくと、すでにイグネットお嬢様は紅茶を飲んでいた。

いつもの完璧な姿勢で、だけど目がやたらキラキラしてる。


嫌な予感しかしない。


おはようございます、お嬢様


「ええ、おはようクライス」


お嬢様の視線は、俺の横でちょっぴり艶があるラテスに向けた。


当然のように俺の隣りで座ってるコイツ

俺が椅子を動かすと、ついてくる


な、なんだよお前

「いや、心配だから」


一晩ガン見してもまだ?


「あら、どうしましたの?」


お嬢様、こいつ、夜通しずっと俺を見てたんですよ。寝てねぇんです、こいつ!


そう説明した瞬間。


イグネット様は口元に手をあて、

ゆっくりと笑った。


「ふふふ、そうなのですね」


なんか、お嬢様の目つきが変な気が?


「クライスがちょっと魘されてね、少し見守ってるだけだよ」


ラテスはテーブルのミルクを俺のカップの中に入れた


「クライスは苦いのが嫌いでしょ?さあ、飲みな」


じ、自分でいいから、心配するなって


「まあ、、、、健気で可愛らしいですわ」


お嬢様は完全に楽しんでいる。

絶対誤解してる。いや誤解というより確信してる顔だ。


ち、違いますよ!


思わず声が裏返った。


「クライス、嫌だったん?」


横からラテスが、

“傷ついた小動物です”みたいな目をして覗き込んでくる。


おい、それわざとだろ。

蹴られたことの仕返しか!?


イグネット様がまた小さく肩を震わせた。


「、、、、仲がよろしくて結構ですわ。

それにしても、

今朝の紅茶がいつもより美味しく感じますわね、甘くてたまりませんわ」


「ほら、イグネットもそういったんだ、飲んでよ、クライス、砂糖もいるかい?」


いや、あの、お前、寝てろって、

午後に試験があんだから、休んでろよ


ため息をつきながら返すと、

イグネットお嬢様がまた「ふふふ」と笑った。


「大丈夫だ、これくらいのこと、

"昨日の"より全然大丈夫だ」


あ、仕返しだわ、絶対に


紅茶を一口飲む。

うまっ!


もう一口、、、うまっ!

ん?でも別に甘いとか、そんなにないんだけど、砂糖を入れたのかな

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