4(ク)
お嬢様は俺の女装が気に入ったみたいで、
屋敷に来て三日も強制的に女服に着せられた。
一回、ラテスのタキシードを着たものの、何故か速攻にバレてーーー
"次に男子の服を着たらずっとワンピースで暮らして貰うわ!"
と言われた。何それ、ひどい。°(´ฅωฅ`)°。
そして今。
「この服はどう?着てみてよ、クライス」
スカートじゃねえか
「じゃあこれは?似合うと思うよ?」
喧嘩売ってんのかぁ"?コレ、どう見てもワンピースじゃんか!
「これは?
イグネットが着たやつだけど、あ、微かに温い」
、、、、駄目だろう他人のものを勝手に、、、ていうか、俺、あんなに胸ないぞ、着ても地面に落ちるだけで、俺の人生もついでに終了だけど
ーーそもそも!学校にいく服を選んでるだろう!
コイツ、俺を着替え人形みたいに、、、!
というか、何で女の服しかないんだよ!
例のタキシードは?
「いや、ダサいでしょ?」
何が?
「タキシードがだ。
クライスには、可愛いものがお似合い」
気持ち悪っ
この屋敷に来てから、なんかキモくなってないか、ラテスくんよ、、、
男が可愛いとか、気持ち悪いだけど、、、
はぁ、、もういい、好きにして、、、もう疲れた
「じゃあこれはどう?」
はいはい、どうせ女の、、、って、え?
これ、ただのタキシードじゃん?
え?着れるの?
普通に着てみたが、尻と胸周りが少し緩い、腰がちょっとキツイ程度、でも見た目は普通の白いタキシード
これでいいじゃん?何で最初から出さないんだ?
「ああ、これは女用のタキシード、
気に入った?」
まあ女装よりは幾分マシ
で、いつ入学すんの?
「三時間後だ、余裕余裕」
は?
思いっきりラテスの頬をつねった、そもそもどこにいて、遠いのかも知らない。
余裕じゃないわ、初日遅刻はごめんだぞ!
「心配すんな、あの学校は結構人気なんだ。
入学前には能力チェックをしなくちゃならない、
それさえ通過できれば入学できる
場合によっては学費も大半が免除される。
ほら、初日のとき、窓の外でみたあの列、アレ全員が参加者、全員処理するまで入学式は開かれん、だから余裕なんだよ」
そ、そんなに多いの?
騒がしい学校なのか、、、
「いや、違うと聞いてる
ほぼ半分は参加の途中で魔力の素質が発見できずリタイア、次に能力チェックで標準値以下はほぼ免除できずアウト。」
あれ?厳しくない?
「もう半分は突出な力がない奴だらけ、ソイツらは基本的に平民なため、学費を払えないので、入学はしないだろう。
残った本物の天才は9割の学費も免除される」
天才でも全て免除するわけじゃないんだ、、、
「そう。
天才の中から更に精鋭を選び、
ああ言うのは神の申し子と言って、学費はゼロ。
本物なら学費はいらないが、
本物はそうポンポンでてくるはずもない」
スパルタみたいな選抜だな、、、
ラテスはともかく、
俺、入学できるのかな、、、胃が千切れそう、、
「え?別に魔法の素質がそこそこ、
学費さえ払えば入学できるよ?」
え?がくひ?
っとすると、ブルジョア学校ってやつ?
「概ね正解。
だから無料狙いで大博打にくるやつが多いよ。
僕としたは部分免除ができれば上出来、全部なら大儲け、、、かな
できないなら別にいいし、勉強しに来ただけだから」
俺の前世でも一発逆転で全ての金をFXに溶かして爆死した奴らが山ほどあるから、
ラテスはだいぶ賢いよ
「じゃあ今いくか、歩行でいけばちょうど着くじゃないかな」
黒のタキシードに着替えて、俺の髪をじっと見つめてる。
「そういえば、クライス、
髪伸びてない?」
へへっ、実はそうなんだ
夏は暑く、冬はカサカサして、
長苦しいクソ髪なんだが、
散髪したくても、ラテスが欲しくないって言う。我慢した。
でも暑いので、一回坊主になるまで切った。
何故かラテスが髪に向かって泣いた。
それから"前髪は切ってよし、後ろは僕がやる"つって。
結果、後ろは首から肩、肩から胸と順調に伸びてる。恐らくそのせいで、女装させられたのだろう。
ホモっていいたいけど、髪の趣味でホモとか罵ったら神経質だと思う。
なのでホモじゃないに判定。
ただ伸びてる分手入れがくっそ面倒で、半年前からラテスに頼んでる。
それが、昨日洗ったとき、
胸辺りにあるはずの髪が、
腰辺りに増えてきたんだ、今朝。
ふ し ぎ ダ ネ?
そうですね、伸びましたね、ラテスくん。
昨日髪洗ったとき変な匂いがしたんだが、、、あれ、もしかして増毛剤?
「お、バレちゃいました?」
こらてめぇ?
ニコニコってすんなよ、どうしたくれんの?
効果はどんなもんだ?
言ってくれんかのう?
「取り扱い説明書には、一滴で約15パー増って、一ヶ月かけて伸びるらしいよ?」
で?どれくらい使ったんだ?
「ドバドバ入れたから、よくわからない、なんつ、、、って、ちょっと!」
おっと、ここに椅子が落ちてるじゃないか、
あら手がすべーーっっった!!!
投げた椅子が躱されて、壁に激突し、
椅子は無事だった。
頑丈だな、さすが鋼で作ったの椅子。
「、、、、クライス?
もしかして、怒ってる?」
え?あらヤダ、さすがに節穴の目ね、
実は朝から結構苛ついててね?
ラテスが聞いてくるまで殺さない予定だったんだよーーーッ!!!
ッチ、キックもハズレた
すばしっこい奴め!
というより、この服が動きにくい
はあーーもういい、ほら来い、
一発くらいビンタしにこい、そしたら許したる。
それを聞いて、素直に目の前に立った。
手をラテスの頬に添える。
君に選択肢が与えられた、
俺の髪をその手で坊主にするか、
それとも俺にボコボコのボッコにされるか
選べ、早よ
「僕の命は、授かったときから、
この時のためにだと思う、一息に、やってくれ!僕は、僕の行動に、後悔はしない!」
なんという覚悟、なんという意志の強さ!
って、言うと思うか?
キーーーン!!
ダウン!カウント ダウン!
1! 2! 3! 以下略!
タマのダメージは貫通且つクリティカルだ、立てるわけねぇんだ。
もし立てたら、キスでも、テメェの思うがままに髪も伸ばしていいぜ、好きにな!
立てよコラァ!
前のめりでピクピクするラテス。
奇跡は、起きなかった。
二度とこんな真似するなよ、
温厚な俺でもキレる時はキレるんだ
って、もう聞いてねぇかーーー
俺が背を向けて、扉を開けようと、
そのときだった。
「その話、ウソはないよね?
僕の好きで、いいよね?」
馬鹿な!まだ10秒も経ってない!
話せるわけが!
振り向くと、顔が真っ青なラテスが、ふらふらだが、立ち上がってーー
だが倒れる。
産まれたての羊そのものだが、普通はありえない。例え女性でも、タマ蹴りは一撃必殺!
俺はいたって普通の男性、十二歳とはいえ、力いっぱい殺気を籠ってる鏖殺キックなら、
起きるわけ、、、ない、はず、、、!
倒れるラテスは歯を食いしばり、立ち上がる。
「ぼ、ぼくが、立ち上がったら、
やく、げほっ、そく、だからな、、、」
立った。ラテスは立ち上がった。
そ、んな馬鹿な!
よしもっかい蹴ろうか
そう思って近づくと、気づいた。
気絶したまま立ってるっと。
精神的に敗北を感じたので、起きたらお詫びを兼ねて、やっぱり好きにしてやると思った。
体張りすぎ、そんな必要ないのに、、、
お嬢様のところに気絶したラテスを連れていき、馬車を乗って学校に。
流石にキレすぎたと自覚してる、
なんとかして慰めないかとお嬢様に聞いたが、
「うーん、膝枕すれば?」
それは罰ゲームじゃないか?
まあ、お嬢様がそういうなら、、、
長い行列が見えましたよ、
あそこが最後尾ですか 、、、
列に並ばないんですか?お嬢様
「しませんわ、チェックポイントのところでラテス様とあなたの潜在能力を確かめて、その場で支払いますわ」
え?でも金は、、
「わたくしが支払いますの、だって元とは言え、わたくしの婚約者ですもの、手助けはしますわ、それにーー」
お嬢様は俺を見て、扇でまた口を隠す。目で分かる、笑ってる。
「わたくし、男同士のじゃれあい、大好きですわ、是非わたくしの屋敷で泊ってくださいまし?遠慮はございませんことよ?」
うん?お嬢様ってそういうキャラだったんだ、、、、前世で、こういう女の子をなんて呼んでるだっけ?喪女子?
あ、はい、ありがとうございます。
でもラテスまだ起きてませんよ?このまま測定にいきますか?
「そんなくだらない行事であなたたちの"二人の時間"を邪魔させませんわ、心配はいりませんこと。軽く魔力をチェックするだけですわ。
正式な試験は明日の午後からですの」
ふふふとお嬢様は笑った。
気絶するラテスの頭を撫でて、心底悪いことをしたと心で謝った。
あ、髪のことはゆるさん、ぜっころ案件!
もしラプンツェルみたいになったら、絶対にゆるさない!
ツッパリだってしたことないのに、不良を通り越して変態じゃないか、、、




