第八話 召喚士として
翌日合格書が届き、グランダリア国立魔法学校の入学式にやってきたアーリアはアリーシェル先生に会った。
「あら、アーリアさん。合格おめでとう。」
表情一つ変えず言うアリーシェル先生にアーリアは少しビビりながらも返事をした。
クラスに案内されたアーリアは魔法科一年D組であった。教室に入ると机には名札と魔導書、魔力が込められた羽ペンが置かれていた。アーリアは魔導書をペラペラとめくり顔をしかめた。そしてアーリアは気づいてしまった。
文字が読めないことを...!!
魔導書は全て聖ダリアドール語で書いてあり、文字も異世界的なものなので突然異世界に落ちてしまったアーリアにはまず読めないだろう。今から早速授業が始まってしまったらどうしようかとアーリアは冷や汗を流した。するとアリーシェル先生が教室に入ってきた。
「皆さん入学おめでとうございます。これからあなた達の担任は私です。よろしく。」
そう淡々と話を進めるアリーシェル先生の話がアーリアは授業のことが心配であまり聞き入れられなかった。
入学式が終わり急いでマヤの家に帰ったアーリアはマヤに言語を学ぼうと尋ねた。マヤは喜んで教えてくれた。
ある程度マヤに教わったあと、アーリアは王女様にドラゴンたちの魂を取り戻してほしいと言われたことを思い出した。アーリアはマヤに魂の行方について訊いてみた。
「実はこの世界にはザグレシアっていうドラゴンたちの魂を使って世界を乗っ取ろうとしている集団がいるの。確かリーダーは...AVAっていう人だったかな?」
その言葉でアーリアは思い出した。ナミール達との戦いの時、ナミールが言っていたあの人物だった。その集団から魂を取り戻すことができればこの世界を救うことができる。
翌日、学校に向かうとサルベスとマヤの姿があった。
「あ!アーリアちゃん!今から食堂に行くんだけど一緒に行く?」
サルベスが誘ってくれたのでアーリアはついていくことにした。
食堂につくと青髪で狐の耳が生えたお姉さんが迎えてくれた。
「ようこそ新入生ちゃん。私はラゼ・ミルティーア。ここでみんなにお食事を作っている狐獣人よ。」
ラゼ姉さんはアーリアにオムライスを作ってくれた。ラゼ姉さんのオムライスはふわふわで甘くてとっても美味しかった。マヤとサルベスいわく、ラゼ姉さんのオムライスはこの学校の看板メニューらしく、昼時には大人気だった。
「あーー!!」
魂のことを思い出したアーリアはオムライスはちゃんと食べ、驚いて止めるマヤを振り切って
アーリアは学校を飛び出した。
とは言ってもこれからどうしたらいいかわからないアーリアはとりあえず住民たちに訊くことにした。